家電女優の奈津子です。2018年10月10日の日本経済新聞によると、ファミリーマートはアイリスオーヤマと組んで、全国1万7000店で働く従業員約20万人に対して、10月末から同社の家電製品を最大6割引で購入できる制度を導入するそうです。コンビニ側の深刻な人手不足をうけ、従業員をつなぎ止めるのが目的とのこと。賛否が分かれているようですが、個人的には面白い試みだと思いました。
私はこれまで数々の家電メーカーを取材してきましたが、前述の制度をはじめ、アイリスオーヤマは家電業界のなかでも独自のポジションをしっかり構築していると感じています。今回はそんな同社のモノづくりの“核”に触れるべく、開発の中枢を担う「大阪R&Dセンター」を取材しました。
絞り込まれた機能でリーズナブルな家電
アイリスオーヤマの独自性は、第一に「プロダクトの発想が生活者目線でユニーク」な点です。2017年4月には無線LAN内蔵エアコンの発売を皮切りに、大型白物家電への本格参を表明しました。ちなみに、同社直販サイトにおける無線LAN内蔵エアコンの価格は、6畳用で6万5800円(税別、標準取付工事あり)、10畳用で9万5800円(同)と他の大手メーカーの製品に比べてかなり低く抑えられています。
専用アプリを使えば外出先からも温度管理やオン/オフの操作ができ、就寝中の温度も細かく設定することが可能。人感センサーは人の動きを検知しないと、自動で冷暖房能力を落とすため省エネ性に優もれています。確かに他社の10万円以上のモデルと比べると高級感はそれほどではありません。しかし、エアコンの設置場所は日常生活の視界よりも上ですし、頻繁に近づいて眺めるものでもないので、コストパフォーマンスを考えれば十分だと思います。
製品を値ごろにできる理由は、開発よりも先に金額を決めているからだそうです。これによりコストを逆算しながら開発でき、機能の絞り込みを行いコストダウンできるそう。
同社の主なターゲット層は少人数世帯か若年層なので、これまで多くの白物家電に採用されてきた“4人以上の家族”を想定してつくられている、多機能で質感も良いような「王道」の家電とは一味違います。けれども、買い求めやすく研ぎすまされた着眼点の「なるほど」に満ちあふれている。それがアイリスオーヤマの家電の特徴だと思います。