【プロ野球】ソフトバンク、終わってみればヒヤヒヤ1点差初勝利2018年10月31日 紙面から
◇日本シリーズ<第3戦> ソフトバンク9-8広島ソフトバンクと広島が今季の日本一を争う「SMBC日本シリーズ2018」は30日、福岡市のヤフオクドームに舞台を移し、3万5746人の観衆を集めて第3戦を行った。試合はパ・リーグ2位から勝ち上がったソフトバンクが9-8でセ・リーグ3連覇の広島との乱打戦を制して初白星を挙げ、対戦成績を1勝1敗1分けとした。ソフトバンクは4回に中村晃の適時打などで2点を先制。4-3と追い上げられた6回にはデスパイネが3ランを放つなど4点を奪い、最後は1点差で逃げ切った。 ◇ スタンドのほぼ半分が赤く染まったヤフオクドームで薄氷の勝利をもぎとった。1点リードの9回。2死一、三塁と、一打同点、長打なら逆転の局面で、守護神の森が野間を一ゴロに仕留めた。安堵(あんど)の表情を浮かべた工藤監督。星を五分に戻し、首脳陣と握手を交わした。 「ホっとしてます。勝ててよかった…」。開口一番、指揮官がそう本音をこぼしたように、ギリギリの勝利だった。7回終了時で大量6点のリード。白星はほぼ間違いないと思われた中、8回にセットアッパーの加治屋が鈴木にソロ、安部に満塁弾を浴び1点差に迫られた。 「いや、もう本当…すごいと思いました。すごい粘り」。工藤監督も今季41度も試合をひっくり返し勝利した「逆転のカープ」の脅威を認めざるを得なかった。それでも9回は森が無失点投球。「1点差でよく投げてくれた」と指揮官は守護神を心の底からたたえた。 重量打線もようやく爆発した。西武とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは4勝した全試合で先制に成功。この日は4回1死一、二塁の好機で、2戦目まで1安打だった中村晃が右前打でのどから手が出るほど欲しかった1点を奪った。 1点差に迫られた直後の6回には、大きな今シリーズのチーム第1号も飛び出した。2死からの3連打で1点を奪った後の一、二塁の好機で、デスパイネが岡田の151キロ直球を右翼テラス席に突き刺す3ラン。主砲にも待望の一発が出た。 「デスパイネがしっかり逆方向にああやって打ってくれたというのは、今後、相手にとっても脅威になるんじゃないかな」と工藤監督。敵地では2試合で3得点に抑えられたが、「獅子脅し打線」に打ち勝ったホークスが、福岡での打ち合いで負ける気はない。 (倉成孝史) ▽ソフトバンク・王貞治球団会長「普通なら(6点差で)決まりだけれど、最後は広島の粘りだね。点は取れるときに取らないと。これで五分だから、これから」
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