出生地主義の米国籍付与、トランプ氏が廃止表明

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2018/10/30 22:48
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領が出生地が米国なら米国籍が付与される制度を廃止する意向を示したことが30日、明らかになった。11月の中間選挙を直前に控え、不法移民対策を求める保守層の支持固めを図る狙いとみられる。実行に移せばリベラル派が猛反発し法廷闘争となるのは必至だ。

11月の中間選挙を直前に控え、不法移民対策を求める保守層の支持固めを図る狙いとみられる=AP

米ネットメディアのアクシオスが30日、29日に収録したトランプ氏とのインタビューの一部を公開した。トランプ氏は米国は出生地に基づいて国籍が付与される出生地主義を採用する唯一の国だと主張し「ばかげている。やめるべきだ」と語った。実際には出生地主義をとっている国は少なくない。

制度廃止に向けた手続きでは憲法改正は不要だと指摘。「大統領令だけで変えられる」と強調した。米国憲法の解釈では米国で生まれた子どもには米国籍を付与するとの考えが主流だ。米メディアでは大統領令だけで制度を廃止できるのか懐疑的な見方が広がっている。

トランプ氏は移民の増加が治安の悪化につながっているとみる。不法移民が米国で出産して子どもに米国籍を取得させ、永住権をスムーズに取得するケースなどを問題視しているようだ。

トランプ政権はすでに強硬な不法移民対策を相次いで打ち出している。米政府は29日、中米から米国に向かう移民集団に対応するため、週内に米兵約5200人を派遣すると発表した。移民集団の出国を止められないホンジュラスやグアテマラ、エルサルバドルへの経済援助の停止に踏み切る構えも見せている。

トランプ氏は中間選挙が目前となり、保守層の支持固めを急いでいる。米メディアによるとトランプ氏は心と体の性が異なるトランスジェンダーの存在を事実上否定するともとれる措置を検討している。性の定義を生まれつきの性別に限定し、個人の選択に委ねたオバマ前政権からの転換を図る。

中間層向けに追加減税をする考えも示している。2017年末に成立した大型税制改革で個人所得税も減税となったが、さらに手厚い措置を講じるという。財源の手当ても見通せないだけに、露骨な選挙対策との見方が出ている。

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