アップルが4年ぶりに新しいMac mini、その待ち望まれた進化の中身
アップルが4年ぶりに新しい「Mac mini」を発表した。4年間の空白を埋めた全面刷新は、新しいボディに強力なパワーを詰め込んだものになっている。その進化の中身を紹介しよう。
TEXT BY BRIAN BARRETT
WIRED(US)
いまから約4年前の2014年10月、アップルは「Mac mini」のささやかなアップグレードを発表した。Mac miniと言えば、同社のデスクトップパソコンのラインナップの一端を担う、“異色”のコンピューターである。その後は……何もなかった。4年間ずっと販売が続けられているにもかかわらず、Mac miniは一切のアップデートがされないまま低迷していった。
しかしいま、リヴェンジのときがきた。
「ユーザー誰もが待ち望んでいた、小さくても力強いMacです」。ニューヨークで開かれたアップルの発表イヴェントで、アップルの最高経営責任者(CEO)であるティム・クックはこのように高らかに宣言し、とてもきれいにまとまっている映像を紹介した。一応はアップルが4年間かけてつくり上げたものである。
豊富なアップグレード
新しいMac miniは、従来モデルの中核となるデザイン要素を引き継いでいる。「Apple TV」が備えているのと同じような要素だ。しかし今回は、さらにスペースグレイ仕上げになり、2014年の映画『ジョン・ウィック』第1作より新しいプロセッサーを搭載しているというのだ。
正確に言うと、第8世代のインテルCoreプロセッサーが採用されている。発表は2017年だが、いまなお存在感のあるプロセッサーだ。基本モデルは4コアだが、6コアまでアップグレードできる。メモリーは基本モデルなら8GBから、ストレージは128GBからと少なめである。だが、メモリーは最大64GB、ストレージは2TBのSSDにまでアップグレードできる。
接続性の面では、たくさんのポートが内蔵している。Ethernet端子が1つ(10GB対応までアップグレード可能)、Thunderbolt 3端子が4つ、HDMI端子が1つ、そして従来型のUSB端子(USB-A)が2つだ。
発表会でアップルは、Mac miniのパフォーマンスを訴求した。前世代より5倍まで速くなったのだという。はっきり言って、そこには何の意味もない。トヨタ自動車の「カムリ」が、幌馬車と比べてこんなに速いのだ、と言うようなものだろう。
いずれにしても処理能力は高いようなので、クリエイティブな作業やヴィデオのエンコーディングのような重い処理でもそつなくこなすだろう。そこに価値を見出す人には向いている。
ボディは完全リサイクルアルミ製に
アップルがこれまでのMac miniのなかで「最安値」と強調した価格については、800ドル(日本では8万9,800円)から。確かに「iMac」や新しい「MacBook Air」よりもはるかに低価格だが、たいていはディスプレイとキーボード、マウスも購入する必要があることを忘れてはならない。あれほどのメモリーとストレージを手にするなら当然のことだろう。
ついでに説明しておくと、新型MacBook Airと同様に、新Mac miniは100パーセント完全リサイクルされたアルミ製である。そしてより効率的な冷却システムを備えている。
いま注文すれば、11月7日に届くということだ。何はともあれ、ようやくMac miniが戻ってきた。待ち望まれた、たくさんの新機能をひっさげて。
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