今回はネトウヨの家族を持ち、寄稿者自身も精神的に病んでしまったというケースです。
<体験談>
寄稿者Xさん(ネトウヨになった人:父)
私が生まれ育った大阪は在日朝鮮人・在日韓国人・在日中国人が多く、通っている小学校にも何人かいました。
そうなると自然と友達になり、家に遊びに来る機会も出てきます。
そんな時私の父は、遊びに来た友達に対して「朝鮮人は帰れ」と言ったり、私に対して「遊びたかったら、朝鮮行け」と言ったりしました。そんなことがあれば当然友達も減っていきます。
母親も、そのせいで離婚していますし(ちなみに父は4回離婚してます)、私も20年くらい精神的に病んでいました。
父の排外主義的思想は直ることはなく、インターネットが普及してからはそのままネトウヨになってしまい、ネットでヘイトをまき散らすようになりました。全てを見たわけではないですが、グリーや2ちゃんねるで朝鮮学校を叩いたり、中国は日本のおかげで成長しているとか、ヘイトスピーチにあたるものもたくさん書き込みしていました。
一度親に極右化の経緯について尋ねたことがありますが、どうも父親が子供の頃(戦後)に大阪の治安が悪かったことが影響しているようです。
確かに、あの頃不当扱いされた事に腹を立てた、在日の人達の暴動が起きていましたからね。
それがキッカケで嫌韓・嫌中の感情を持つようになったのだと思います。
結局私の家庭は崩壊し、父は数年前に亡くなりましたが、その知らせを聞いたのも亡くなって1年後でした。
ネトウヨだった父を持っていたというトラウマはしばらく消えませんでしたが、親代わりをしてくれた人や友人との出会いで徐々に私は変わっていきました。
そして私が仕事で静岡にいた時に来ていた中国人研修生の人が、私が静岡を離れる時に泣きながらお世話になりましたと言ってくれた時に完全にトラウマが消えました。
ネトウヨの父親によって長年苦しめられていた自分の心が解放された瞬間でした。
親が差別すると、それは子供に返ってきます。私はそれが原因で虐められたこともあります。
私のような辛い思いをする人がいなくなってほしいという思いで、体験談を投稿しました。
<管理人のコメント>
幼少期に見てきた大阪の治安の悪さがキッカケになったと思いますが、排外主義的思想が晩年まで続いたのは、何か他に原因があったように思います。亡くなった今となってはこれ以上のことは知ることはできないですが、最終的に家庭崩壊までいってしまったというのは悲しいですね。
しかし寄稿者が父親の影響を受けて排外主義に陥ることがなかったということ(こういう場合、反動で極左になることもありますから)、トラウマから解放されて今は充実した生活を取り戻しているとのことで、安心しました。
「親が差別をすると、それは子供に返ってくる」 全ての人が心に留めておくべき言葉ですね。