2018年10月28日
映画「ノーマーク爆牌党」を観てきました #実写ノーマーク
2018年10月27日(土)に公開された映画「ノーマーク爆牌党」と初回舞台挨拶を観るために、シネマート新宿へ行ってきました。新宿で映画観るとなるとだいたいバルト9とかピカデリーなので、何気に初めて行きましたね。

(関連:映画『ノーマーク爆牌党』公式サイト)
以下、感想をいろいろ書いていきます。
ネタバレ有りのため、まだ観ていない人はご注意ください。
(関連:映画『ノーマーク爆牌党』公式サイト)
以下、感想をいろいろ書いていきます。
ネタバレ有りのため、まだ観ていない人はご注意ください。
いろいろあるけど、まずは良かったなと思う点から行きましょう。
・キャスティングには概ね異論無し
爆岡役のNON STYLE石田明さんについては、漫才の方をやってるイメージなので演技はどうなんだろう(コントをメインでやってる芸人さんなら演技力はわりと大丈夫な傾向があると思う)と思ってましたが、調べてみたら最近は舞台とかの仕事も多いようですね。演技も特に問題はなく、なかなか良かったんじゃないかと思います。もともと髪が短めのイメージなので、完全再現ではないけれども「爆岡になってる」様子はよく分かりますし。
鉄壁役の矢本悠馬さんも、鉄壁の神経質そうな弱々しい様子をよく表現できていたと思います。矢本悠馬さんって「ちはやふる」の肉まん君→「君の膵臓をたべたい」のガム君→「賭ケグルイ」の木渡と、実写映画での名脇役としてよく見掛けるイメージでしたが、鉄壁はそこまで主役感が強いキャラではないので、今回はW主演だったとは言えちょっと脇役っぽさがあったのは残念でしたねw
当大介役の高崎翔太さんは、完璧だったんじゃないでしょうか。大介のような陽気なキャラクターって、多少元のキャラからズレててもなんとなく受け入れやすいのでやりやすそうではあるんですが、それにしたって大介らしいチャラさと、鉄壁の友人としての存在感が出せていました。
九蓮宝燈美役の長澤茉里奈さんは、舞台挨拶でその演技力について突っ込まれてましたが、私はそこまでは違和感がありませんでした。なんとか及第点って感じでしょうか。これは後で述べますが、そもそもの台詞の問題もあると思うので、それよりも、髪型とかがなんか片山まさゆき先生の昔の絵柄を再現したかのように「30年前は可愛いとされた女の子の顔」みたくなってたのは個人的にどうなのかなと思いましたw
・うまく話がまとまっていた
私は原作ファンだから、原作を全く知らない人の視点で語ることは難しくあくまで想像になってしまいますが、原作を知らない人には「鉄壁VS爆岡」の勝負の物語としてよくできているように感じたのではないでしょうか。
・闘牌描写もだいたいは問題なし
舞台挨拶で監督が「闘牌で困ったら原作を参考にした」と言っていたように、原作ファンなら場面場面でニヤリとできるくらい原作のいろんな場面の牌譜を使っていましたね。ただ、爆岡登場時の闘牌とその後の達人戦(稲瀬さんとかいるやつ)を悪魔合体させてしまったせいで、爆岡が残り1000点からリーチを掛けてそのリーチ棒を大介に大三元で回収されているのに、すぐ次の局でリーチを掛けていたりはしますがw 最後のシーンの闘牌も、原作をもとにしてオリジナル要素を加えながらもうまく改変できていたとは思います。あれが「正解」かどうかは置いといて。
以下、個人的にどうかなと思った点。
・九蓮宝燈美のキャラクター問題
九蓮宝燈美ちゃんが原作よりも出番や台詞が多かったです。爆岡VS鉄壁の争いの間に入る存在になってたのは原作でも同じなのですが、原作ではそこまで宝燈美ちゃんの存在価値が高く無かったはずなので、そこは原作との差異になっていました。また、そのことにより、九蓮宝燈美というキャラクター自体にやや面倒くささを感じたり、実際に口にしていると少し不自然さを感じる台詞回しが増えていた印象です。九蓮宝燈美という存在は、まぁ「咲-Saki-」の須賀京太郎よりは存在価値が高いキャラだとは思うのですが、他のあれこれを削ってまで鉄壁・爆岡のライバル関係の間に入れておくほどの重要度とは思っていなかったので、そのへんは解釈違いでしょうか。
・爆牌の演出
なんか、いちいち大袈裟に爆発して煙が出ていましたね。爆牌という存在に馴染みがない原作未読者のためにはこうするしかなかったのでしょうかねぇ。初めての爆牌とかクライマックスとかでやるだけならまぁよかったと思うんですけど、何回も爆牌を打つたびにいちいちドッカンドッカン対局者がリアクション取るので、見ててちょっと面白いしウザくもあったんですけどw 爆岡のキャラが、監督がダークヒーローと言っていたようにクールでイキったキャラクターに寄っていましたが、爆岡が麻雀界の王者として君臨する段階まで行っていなかったし、そもそも「牌効率的には不自然な打牌をしながらも、余り牌をピンポイントで狙い撃つ」という爆牌の凄さと恐ろしさはあまり表現されていなかったので、そこらへんを知らない人にも伝わる「なんかすごいやつ」というのを表現するためにああなったのでしょうかね。
・ストーリー構成について
正直、残念ながら「私が観たかったノー爆」とはいろいろと違う形でした。結局のところ、私が観たかったのは、「爆岡VS鉄壁のライバル関係を本筋として、大介・八崎・茶柱が脇を固めて最高の牌譜を作り上げ、最終的には達人戦7回戦オーラスでの爆牌打破という“決着”に向けて収束する物語」だったのだろうな、と。そこに鉄壁が居ても、爆岡が居ても、爆牌を使ってはいても、ただそれだけではノー爆足り得るものだとは思えないって感じでしたね。いや、別に宝燈美ちゃんとか鎌板地とかはいらないってわけではないんですよ。でもほら、優先順位としてさぁ、やっぱり思うじゃない。ノーマーク爆牌党を実写映画化することになったとして、普通原作4-5巻の達人戦(映画では雀鵬戦)を物語のクライマックスにするか!?って。八崎さんと茶柱さんが登場していない(=牌譜を作らない)時点で、それをノーマーク爆牌党の完成品として認められるのかって話なのです。(正直この2人のキャストが発表されていなかった時点で「あー」とは思ってましたが) そりゃ尺の都合とかいろいろあるでしょうけど、原作4-5巻の達人戦で終わってしまうのはあまりにご無体ですよ。それよりは、前半を省略・短縮してでも最後の達人戦と爆牌への勝利を見たかったですね…。
「ノーマーク爆牌党」の5巻までをうまくまとめて映像化したものとしてはよく出来ていたと思いますが、それはあくまで5巻までの内容なんですよ。100点満点を狙おうにも、5巻までの内容しか無い時点で最高でも50点しか取れないですよ。50点満点のうち40点は取れてるんですけど、ノーマーク爆牌党は100点満点なので、現時点では申し訳ないですが40点しか取れていません、と。
ただ、私のこの現在の評価は、続編が作られることで大きく変わります。続編で八崎さんも茶柱さんも(ついでにオニオン砂椅子さんもw)登場して、鬼押出さんとの雀竜王戦とか4人での満強位戦とかを経て最後の達人戦で5人それぞれの半荘の見せ場などを作って、最終的には鉄壁が正面から爆牌を打ち破るという闘牌メインの物語を作り上げることが出来たら、今回の映画はその「完結へと至る物語の前半」として昇華されます。今回はそこまで闘牌メインになっていませんでしたが、それでも闘牌シーンはけっこうあったので、私は別に平気でしたが麻雀をわからない人から見たらどうだったのでしょうかね。私が望む「後半」は、きっと今回のもの以上に闘牌シーンが濃く描かれたものでしょう。それでも、「咲-Saki-」シリーズや「天牌」「凍牌」などは今回のノー爆よりもっと闘牌メインで作られていたはずなので、不可能なことではないと思いたいです。
いろいろと言いましたが要するに、続編はよ!ってことです。
もっと強く言うと、
こういう構成でああいうラストにしたからには、
続編を作らないと許さないぞ!ってなります。
キャストもスタッフも今のままで、今のままが良いのです。ただ望むのは、続編を作ることで、「ノーマーク爆牌党」という1つの物語を、最後まで完全な形に仕上げてくれることです。宜しくお願いします!!!
とりあえず、原作がKindleで107-8円セールをやってるので、みなさんぜひ買ってください!読んでください!これはもはや麻雀好きに課せられた義務です!w