【大リーグ】Rソックス、5年ぶり9度目世界一 3発ピアースがMVP2018年10月30日 紙面から
◇WS第5戦 レッドソックス5-1ドジャース【ロサンゼルス小林信行】大リーグのワールドシリーズ(7回戦制、WS)は28日、当地で行われ、レッドソックスはドジャースに5-1で勝利。4勝1敗で5年ぶり9度目のWS優勝を果たした。シリーズMVPは、この日2本塁打を放つなどシリーズ3本塁打、8打点をマークしたスティーブ・ピアース一塁手(35)が獲得した。ド軍の前田健太投手(30)はこの日登板機会がなかった。チームは2年連続でWSに敗退し、30年ぶり7度目の頂点はならなかった。 苦労人の「渡り鳥」がMVPに輝いた。ピアースは1回の先制2ランなど2本塁打。前日も8回に同点弾を、さらに9回は前田からとどめの満塁走者一掃の二塁打を放った。「単一WSで3発」は、ヤストレムスキー以来球団51年ぶり2人目。 「野球とはおかしなスポーツで、自分がどんな場面に連れていかれるのか全く分からない。これまでキャリアも人生でもつらいことが多かったから、これ以上の感謝はないよ」。マンフレッド・コミッショナーからMVPトロフィーを授与された35歳は、放心状態だった。メジャー12年間で7球団に在籍し、解雇と戦力外通告は計5度。今年6月はブルージェイズからマイナー内野手との交換で移籍するなど、トレードも4度経験した。
コーラ監督の“神采配”も光った。第1戦は3試合ぶり出場の代打ヌネスが3ランを放ち、第4戦は今ポストシーズン打率2割3分3厘(30打数7安打)だったピアースを3番に座らせ、2試合連続のヒーローに仕立て上げた。この日は驚きの中1日で先発させた左腕プライスがきっちり仕事した。 球団記録のシーズン108勝をマークしたいきおいそのままに、史上5人目の「指揮1年目でWS優勝」を達成した43歳は「球団が私にチャンスをくれた。大団円だね。みんなが思うほど楽勝じゃなかったんだが」と、いたずらっぽく笑った。 ◆中1日プライス 歓喜の輪で大泣き投手のヒーローは、第3戦のリリーフ登板から中1日で先発した左腕プライスだった。右打者の内角を突くクロスファイアーを有効に使い、7イニング0/3を3安打1失点。第2戦に続き2勝目を挙げ、歓喜の輪で人目をはばからず大泣きした。 「ここに(FA契約で)来てから3年間いろんなことがあったが、まさにこの時のためにここへ来た」。ポストシーズンは対アストロズのリーグ優勝決定シリーズ第2戦まで先発通算11試合で0勝9敗だったが、今WSはリリーフも含め3戦2勝、防御率1・98。同僚マルティネスは「今まであいつに憎まれ口をたたいていたヤツらは、口を閉じて敬意を表しなきゃな」とニヒルに笑った。
◆WS記録メモ▼歴代3位 レッドソックスのWS優勝9度はジャイアンツを抜き、アスレチックスと並ぶ歴代3位。同2位はカージナルスの11度、同1位はヤンキースの27度。 ▼21世紀で最強 2004、07、13年に続く21世紀で4度目のWS優勝は、ジャイアンツの同3度(06、08、10年)を抜き最多。他の同複数Vはカージナルスの2度(06、11年)のみ。 ▼歴代ワースト ドジャースのカーショーは「ポストシーズンで負ければ敗退」の先発試合で防御率6・06(6試合1勝4敗)。これは歴代ワースト(先発4試合以上)。ペドロ・マルティネス(元Rソックスなど)の4試合で同5・92を下回る。 ▼119勝 Rソックスは両リーグ最多のレギュラーシーズン108勝に加え、ポストシーズン11勝。計119勝は1998年ヤンキース(同125勝)、01年マリナーズ(同120勝)に次ぐ歴代3位。
|
|