社員はみんな表に出るのがFusicの文化です
――Fusicさんの簡単な企業紹介をお願いできますでしょうか?
伊藤 弊社は福岡のWEB開発会社です。軸は大きく3つあります。1つめはAI(人工知能)からWEBシステムまでの幅広い受託開発、2つめはサービスです。弊社だけでやるプロダクトもありますし、他社と一緒に組んでやるサービスもあります。3つめはAWSの導入支援事業です。主にパブリックセクターと呼ばれる、大学や公的機関に対して導入支援を行っています。この3つが、事業の柱になっています。会社の雰囲気は、研究室のようですね。平均年齢も若くて、31歳くらいです。
エンジニアが多い職場ですが、うるさいと言われるぐらいで(笑)自由な雰囲気でやってます。
――気軽に相談ができたり、ディスカッションがある雰囲気なんですね?
伊藤 そうですね、Slackでもガヤガヤやってるんですけど、どちらかというとフェイス・トゥ・フェイスの会話が多いです。オフィスでは、ディスカッションが頻繁に起こっていますよ。
――伊藤さんはどういうお仕事をされているんですか?
伊藤 Fusicは6人前後で1つのチームを構成しています。私はそのうちの1つのチームリーダーです。チームリーダーといっても、マネジメントだけではなく、バリバリコードも書いています。Fusicのチーム構成はちょっと特殊で、事業ごとに分かれているわけではありません。受託開発もサービス開発もしますし、チームを越えて仕事を行うこともあります。
ーーそれぞれ担当する事業はあっても、困ったことがあったら社内のリソースをすぐに借りられる状況なんですね。
伊藤 そうですね。そこはチーム関係なく、フラットにお互いに助けてねという感じで。
――実際、信頼関係ができていないと伊藤さんのようなくだけた社員紹介文って書けないですもんね。ここを読んで、アールグレイと赤ワインがお好きだと知りました(笑)。
伊藤 ありがとうございます(笑)、実際仲は良いと思いますね。
――このテキストを書かれた広報の方も、エンジニアなんですか?
伊藤 テキストは私が書きました。真面目なテキストも書いたのですが、なぜかふざけたほうが採用されました(笑)。
――この規模の会社にしては、情報発信がすごく多いですね。
伊藤 そうですね。弊社は週2、3本はニュースか、少し砕けたブログみたいなものを出しています。弊社の社風は、ブログを見るとわかりやすいと思います。この規模でここまでの情報を出している会社はなかなかないと思います。広報の中村という人間が、頑張ってくれています。
――こういう広報体制を作られた理由はご存知ですか?
伊藤 横田と中村が入社して広報体制が強化されました。最初は記事を集めることに苦労していたようですが、今では自然とみんなで記事を書く文化ができたと思います。弊社のエンジニアは、お客さんと直接コミュニケーションをとる機会がとても多いです。直接お客さんのところに行って、その場でいろいろな意思決定をします。このように、社員全員が表に出るので、せっかくだから知ってもらおうということで、広報のアウトプットを続けています。
――エンジニアであり営業でもあり、ということなんですね。
伊藤 外回りみたいな営業をするわけではないですけど、お客さんの前に出てヒアリングもしますし、設計やお金の話もします。基本的には全部やります。そういう意味でFusicの受託はエンジニアの裁量が大きいですね。大きな特徴だと思います。
自分を知る事の大切さ
――伊藤さんは、新卒からずっとFusicさんにいらっしゃるんですね。大学では、エンジニアリングを学ばれていたんですか?
伊藤 私はもともと生物学を専攻していました。無菌室の中でネズミや人間の細胞を使って実験をする感じです。その時に「バイオインフォマティクス」という分野を知りました。生物の研究を情報解析やIT技術を用いて行う分野です。その分野を知って「これからはITの方がダイナミックだな」と思って編入しました。編入先は生命情報工学科という、生物学と情報工学のどちらも学ぶ学部です。「情報の世界も面白いな」と思っていたところ、先輩から「面白そうな会社があるから受けてみれば」と言われてFusicを受けました。実は東京の会社に行く気満々だったんですけど、話を聞いて「福岡にも面白い会社があるんだな」と知って。
――東京に行く場合は、どういう会社を受ける予定だったんですか?
伊藤 製薬系と情報系の企業を受けて、そちらは選考途中でした。ただ、その頃は2011年で東日本大震災があった年で、選考のスケジュールが遅れてしまいました。ただ、Fusicは福岡の企業だからか、スケジュールには影響なかったんですね。それで、早く内定が出たので、ここに決めました。
――運命のあやですね。
伊藤 そうですね、それは大きかったです。あとは、代表の納富と飲んだことも大きかったと思います。
――どういう話をされたんですか?
伊藤 その時は会社がまだ20人ちょっとで「これから面白くなるよ」と。人が増えて大きな変化があるから、面白いと。確かに、成長しきった会社よりも今から成長して変化がある会社の方が面白そうだと思いました。
――業務を行なう上で、大事にしているモットーや好きな言葉があれば教えてください。
伊藤 「町医者のようなエンジニアであれ」ということを、後輩にもよく言っています。受託開発としては、お医者さんのような立ち位置で臨みましょうと。医者は患者が「頭が痛い、薬をくれ」と言われてもいきなり薬は出しません。まずはちゃんと問診し、プロとして診断します。お客さんの話を鵜呑みにして薬を出す医者はいないと思うので、お客さんの話をきちんと聞きながらもプロとして判断を下してほしい、というのが1つですね。
もう1つはどんなに優秀なお医者さんでも、良いお医者さんは患者さんとコミュニケーションが取れると思います。「こういうお医者さんにかかりたい」と思われるエンジニアでいてほしい、というのが2つめですね。もちろんヤブ医者ではいけないので、しっかり技術を身につけなければなりませんが。
――自身の成長のために、日々行なっていることがあれば教えてください。
伊藤 読書は意識しています。技術書はもちろんですけど、マネジメントやメンターみたいな職種でもあるのでその分野の本も読みます。他にも引き出しを増やしたいので、仕事に関係のない本も読みますね。できるだけ読書量は維持したいなと思っています。
――最近感銘を受けた書籍は、どういうものがありますか?
伊藤 いろいろありますけど、ヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』(新潮文庫)ですね。すごく印象に残っています。
――どんなところが印象に残ってますか?
伊藤 苦行に関する記述部分が印象に残っています。本書でシッダールタが苦行を否定するシーンがあります。苦行とは、苦しみによって我を忘れる行為であり、酔って我を忘れる行為と同じものとのことです。無我(自分を忘れる)を求めるのではなく、自分を理解することが大切だと語られています。最近、ビジネス書でもよく見かけるアドラー心理学も、同様に自分を受け入れる事の重要さについて語っています。『シッダールタ』を読んだおかげで、より腹落ちしました。何事も自覚的であることが大切だと思うようになりました。
――ここからは、伊藤さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。
・専門性向上 3
平均3ぐらいで作ろうと思っていて、普通というか、ここは自分次第というところもあるので普通にしました。
・仲間 7
誰と働くかは一番大切だと思っています。仕事を通じた関係って、ともすれば家族より長い時間を関わったりしますよね。何をするか以上に「誰とやるか」のほうが自分としては大切です。
・お金 3
まだ会社が小さいので、やればやるだけ収入が増えます。そこも自分次第かなというところです。
・事業内容 3
自分たちで作っていくフェーズなので、かなり権限があると思います。新しい事業もメンバーの発案が多いですし、受託案件に関しても受けるか受けないか選べます。
――仕事を選ぶ基準ってどのあたりなんですか?
パートナーとして仕事ができるかが一番大切な基準です。すべて丸投げされても、良い仕事ができないので。言われたとおり黙々とやるのはうちの社風ではないので、そういった依頼の場合は、弊社以外に頼まれたほうが良いかなと思います。
・働き方自由度 1
働き方の自由度を重視していないわけではありませんが、現状不自由を感じていないので「1」としました。弊社以外の働き方を知らないので不自由を感じたら優先度が上がるかもしれません。リモートワークも良いとは思いますが、個人的にはフェイス・トゥ・フェイスで話すことが好きですね。お客さんとも顔を合わせて話したほうが良い仕事ができると思っています。あと、弊社は新卒採用がすごく多いんです。開発経験の浅い子もいるので、そういう子たちを育成するにはフェイス・トゥ・フェイスのほうが良いかなとも思っています。そもそもリモートでやった事がないので、やったら意外とできるのかもしれませんが。
・会社愛 3
会社愛というより、仲間が好きというところですね。嫌いな職場で働くのは辛いですね。
――転職を志す方にメッセージをいただけますでしょうか。
自分自身が転職した事ないのでなんとも(笑)
自分で選ぶことが大事だと思います。色々な情報を元に選択すると思いますが、「この選択肢は、自分が選んだんだ」という自覚を持つことが大事だと思います。
<了>
ライター:澤山大輔
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