取材記録:第十九回生活保護基準部会(2014年10月21日)傍聴メモ(前編)

社会保障審議会・第二十回生活保護基準部会の開催が本日告知されております。

しかし前回・第十九回の議事録が、どういうわけか、未だ厚労省サイトで公開されておりません。

そこで当方の取材メモを公開することにしました。

とにもかくにも、どういう議論がされているのか、事実を知っていただきたい一心です。

参考URL:

第二十回生活保護基準部会(2014年11月18日)開催案内

第十九回生活保護基準部会(2014年10月21日)開催案内

第十九回生活保護基準部会(2014年10月21日)配布資料

「ざっくり」と感じを知りたい方は、「ダイヤモンド・オンライン」の拙記事をどうぞ。

生活保護のリアル: データが明らかにした生活保護の「住」の貧困 社保審・生活保護基準部会作業班の調査で見えたもの ――政策ウォッチ編・第82回

生活保護のリアル: シングルマザー、子どもまでもが“見せしめ”に? 財務省が意図する生活保護世帯への「貧困刑」 ――政策ウォッチ編・第83回

住宅扶助について

上限額と実勢家賃を比べるのは変です

●発言者不明

上限額は上限額。11ページ(?)は実際に借りている人の家賃

8月に行った生活保護世帯の居住実態調査結果を受けて

●岩田正美委員(副部会長)

敷金・更新料を払っていない世帯が相当数あるという結果。2つのケースがある。月額に上乗せされている場合と、特殊な市場形成がされている場合。単純比較できない。

級地ではなく地域を都道府県別に見ると、慣行が違う。賃貸市場が全然違う可能性も。パーセンタイルでさらって「それ以下が多すぎるから縮小可」は言えないのでは。

●阿部彩委員

資料22ページ、23ページ。現在の生活保護の方々がどのような理由で今の住居に住んでいるか。重要だと思う。48%、保護前と同じところ。保護が始まったのでよいところに越したわけではない。同じ地域、同じところで保護開始。これは重要。保護開始後に入居、25%。指導に基づいて低額な物件へ転居、立退きによって転居を余儀なくされた人々も。世の中的に「保護で良いところに住める」という事実はないことが読み取れる。

●駒村康平委員(部会長)

検討が必要。

生活保護利用者たちは、どういう経緯で、どういう住まいで暮らしているのか

●発言者不明

全体的に住宅の質。どのくらいの質か明らかになった。最低居住水準を満たしていない人たちがどのくらいいるのかにも留意する必要があるのでは。貧困ビジネス、生活保護ビジネス、狭くて高価いところ。はっきりした形でデータで出てきた。住環境の全体的なところ、今後の方策にどう結びつけたらいいのか議論してほしい。意見というより感想。

●道中隆委員(?)

はじめて詳細な調査。

2つ問題。最低生活基準にふさわしい住居か。生活の質はどうか。

5ページ。都道府県別、かなり大きな格差。全国では13.1%? が家賃基準額以下。幅がありすぎる。もっと詳細な部分あると思うが、生活の質が貶められることのないよう、しっかり詰めていただきたい。

阿部先生ご指摘のとおり、これまでの住居が継続されている。そこも配慮してほしい。

●宮本みち子委員

重要な調査だと思った。資料11ページ、公営住宅との差。今回の調査で、公営住宅、倍率が高い。東京都30倍とか。入れた人とそうではない人との住宅の差、家賃の差、うかがいたい。

●駒村

公営住宅の検討は今回してない。生活保護、民営が多いから、民営住宅を主に見た。そちらが中心。でも公営住宅も使われているから調査に入った。

日本の民間賃貸住宅市場を作っているも同然の住宅扶助基準

●園田眞理子委員

公営住宅と民営住宅、家賃と住まいの質、逆転。民営住宅、高くて劣悪。後半。居住面積。民間住宅が低く公営住宅が高い。

自分も作業部会に参加。貴重な体験。

5ページ、住宅扶助の特別基準、健康で文化的な最低限度の住水準が実現されているかどうかが大事だと思う。

栃本先生に聞きたい。以前、低所得層との均衡を重視してという指摘。極端にいえば、合わせるとか合わせないとかいう議論ありうると思う。どう考えているか聞きたい。

27ページ、保護世帯の住まい。4メートル以下道路に接道しているところが多い。建築基準法違反。二項道路。基準不適格。そこに立っている住宅が40%。防災上大きい問題のあるところに住んでいるということ。「健康で文化的な最低限度」、生命にかかわるところに問題、40%。大きな衝撃だった。

公営住宅と民間賃貸住宅との関係、よくわかった。公営住宅の1/8、生活保護。残りは生活保護以上。日本の生活保護世帯、ほとんど民間住宅に依存。その数が100万世帯くらい。日本の民間賃貸の5%。今回議論している住宅扶助基準、実は日本の民間賃貸住宅のマーケットレントと密接に関係。これが今後の論点になると思う。

なぜか、公営住宅の家賃を全体と層別化せず合わせて平均を求めることにこだわる委員も

●栃本一三郎委員

一般の世帯と被保護者世帯との比較大事。今回出てない。事務局、出してほしい。公営住宅とUR、これを当初入れないという議論が行われた。でも自分が入れるべきだと主張したので入った。これを加えた形で調査したのはよかった。公営住宅、1種、2種、今はない。形としては見る。それをどう見て議論するか。複数の視点から見られるものになっている。生活保護世帯の居住実態、とにかく一般世帯をお願いしたい。

もう一つ。阿部先生の方から、一番最後、ケースワーカーが取り組んだ貴重なデータ。なかなか家賃相場というか、周辺の住宅の家賃とくらべて、明らかに高額な家賃が設定されているかということ。額を調べること難しい。主観、感覚的になる。現場のワーカー9割が「ない」。理由があれば書いてある。これは貴重。

もう一つ。阿部先生からの指摘。保護前からの住居、48%。従来のところに住めていた。これは評価すべき部分。生活の継続性、重要。でも家賃があまりにも不適切などの理由で転居しているケース、下の表で示されている。これはこれで重要。

被保護者になる前と後、なかなか難しいのかもしれない。住環境、改善したのかそうではないのか。何らかの形で示せるような。委員長が笑っているけど。難しい、無理難題。でも重要。他の被保護世帯ではない低所得層の住まい、まだまだ充分ではない。民間借家でも。それを一挙にとなると。そもそも公営住宅で対応すべきものを、民間が担っている。ある種の政策判断。でも社会政策としてそれでいいのか。根本的な指摘、重要。しかし低所得者の方々の住環境、住宅政策として上げていくとともに、被保護者になる前、なった後、その後、良くなったかどうか。相対的に重要。難しいかもしれないけれども調べてみてほしい。

さきほどの指摘、11ページ、民間借家とUR、33.5%、特別基準。6ページ、住宅設備の状況を満たす、5パーセンタイル、10パーセンタイル、15パーセンタイルのところ。ある種の数字の中に収まっている。一般との比較を出していく上で重要。

●駒村

一般世帯との比較でいい。一般低所得世帯との比較ではない。一般低所得世帯が狭いところに住んでいていいというわけではない

●岩村

栃本先生に聞きたい。一般世帯との比較をどうやってするか。住宅扶助は住宅という特殊な財、建築基準法的に違反の物件に住んでいる人が、生保・生保以外ともたくさん。「みんなガマンしてるからいっしょに」というのか、それともオリンピックもあることで全体の質をあげるのか。全体の質をあげるしかないと思う。公営住宅、みんなが入れるわけではない。特に単身はむずかしい。公営住宅を含んだものではない、5ページ、民間借家中心。一番高い額、どのようになっているかの比較しかできないと思う。上限がどの位置にあるのかを確認する。安くていい住宅があるとすれば、そこに。でも上限が不十分であるために、適切な住宅に入れない。高齢者世帯、傷病・障害者世帯、入れる物件がない。充分に考えないと。均衡、比較、軽々にはできない。やると国交省の方向性と逆に。

悪い物件でも上限額を取るケース、確かにある。生保専門マーケットのようなもの。でも、どうすればただせるのか。下げれば正せるのか?(怒っている感じ)

●栃本

低い方に合わせろといったわけではない。居住実態の数字だけ見て、「これだけ大変だ」ということだけではいけない。生保、一般低所得世帯、対比できるようなものがあってもいいのではないか。もう一つ、そういうデータがあったほうがいいのではないか。(かなりうろたえている感じ)

今回の調査、被保護者世帯の住宅、賃貸マーケット、独特なものが形成されている。民間賃貸、低廉であまり条件がよくないものについての生活保護被保護者のシェアが高い。影響を与えている。

今回初めての調査、ケースワーカーの認識も示されている。ある種の二重市場、形成されているとしたら、そうでない形に今回の市場なると思う。

一般の賃貸住宅の面積、エレベータの有無、「一般はないから、ないでいい」と言いたいわけではない。まずは比較をと申し上げたつもり。答えになってないのかも。

●駒村

確認しましょうということ。今後の作業、やってもらってる作業の評価をいただきたい。足りない部分もあると思う。10パーセンタイルをカバーすればいいのか、15なのか、20なのかは、これからの議論。今は13%。とりあえず5~25。それ以上はどうなのかについても意見がほしい。

二重市場の問題。生保受給者の家の機能と生活の関係。その際、生保受給の際、動いたか動かなかったかを分けてみたほうがいいのではという意見もあると思う。動いた時に特殊な家賃形成が行われている可能性も。これまでの議論、分析について、意見あったらほしい。

集計結果について、現時点で感じるところあったらコメントほしい。

「住宅の質」や設備をどう考慮するのか

●宮本

住宅の質の問題。集計結果からはリアルには思い浮かべられない。さきほど新宿区内の生活保護受給者数名にインタビュー。毎年夏になると、熱中症になるのが怖いという話。毎年救急搬送される。このような問題、数値にどう出てくるのか。道路の幅員は出てくるけれども。質の判断をするのに具体的な情報が欲しい。でも調査終わっている。

夏になると熱中症、クーラー入れればいいのか。質と設備の問題。その関係も考慮に入れて分析する必要があると思う。

●駒村

国交省の住の最低限の基準。それを念頭において調査した。

●栃本

24ページ。単身世帯の床面積等の状況。民間借家。高齢者・障害者のための設備。調べてもらった。自分が主張していれてもらった項目。これと一般との比較。国交省の調査がすでにあるんでしょ? それとの比較はできるものだよね? 一般が悪いからこれでいいと言いたいわけではなく、とにかく比較できる物を出してほしい。

24ページのデータ、重要なものでもある。障害者世帯、高齢者世帯、面積以外の部分が大事。取り回しがいいとか(みわコメント:何いってんの。面積がないと車椅子やストレッチャを取り回せないでしょ!)、道幅とか(動作)

●駒村

わかりました(止める感じ)

基準部会としては、一般世帯と別に「生活保護の住」の基準は定めない、か?

●岩村

議論が混乱。ミッション、住宅扶助。今の住宅の問題たくさん。それを全部議論する場ではない。1つ、質を国交省の最低限に揃える。2つ、それに対して上限額の位置を確認した。今の基準が適切かどうかの確認。

●駒村

住宅扶助基準についての議論がメイン。園田先生、気がついたことは? 居住最低限に加えて見れることは?

●園田

栃本先生の意図はわかる。でもテクニカルな面、住宅土地統計調査に「生保かどうか」がない。生保を含めた形のデータしかとれない。テクニカルにどうしたものかなあと思っている。

宮本先生の指摘、保護世帯の調査、それでも住宅土地統計調査と比較できるように精緻にとってもらった。住宅のハードについての比較はできると思う。

でも作業部会に参加して思ったこと。全体の45%が高齢者世帯、29.4%が障害者・傷病者世帯。ハードだけで生活できる人たちなのかどうかという問題。「暑いから水分をとったほうがいい」という判断、エアコンを使うかどうかの判断。ハードの調査はできた。目に見えないところのフォローの問題、家賃にインクルードされているのかされてないのか。それが微妙な問題だと思う。

●道中

総じて、このデザインで妥当な調査だと思う。ないものねだりではないが、性差とセキュリティ。駅の近くなどを選択してしまう。女性かどうかを反映できる分析あれば。

障害者のニーズには応じられていない現状の住宅扶助、「家賃以外のサービス」への評価は?

●山田篤彦委員

住んでいる人の属性。ケースワーカー、よくデータ集めたと思う。28ページ、車椅子利用世帯。特別基準の1.3倍。活用されているように思えない。そういうことを読み取れる。

ソフトウェア、サービスの部分。29ページ、無料低額宿泊所、簡易宿泊所。39ページ、どういうサービスを提供しているのか。サービスの質の状態までわからない。宮本委員からの指摘、これからやる分析を積み重ねて行けば、完璧ではないが、かなりわかると思う。

●駒村

興味深い。でも時間有限。メインテーマ、住宅扶助基準の検証。どういう住環境か。資料としては価値あると思う。でもメインはあくまで住宅扶助。現状はどうで、どうあるべきなのか。事務局、引き続きデータ分析をつづけてほしい。

各委員、これはぜひ必要という話あればよろしく。

後半、冬季加算の話に入りたい。

後編へ続く)