中国初の民間ロケット打上げ失敗、CCTVの衛星は軌道投入できず
いちおう、試験初飛行ということになっていました
中国の国有テレビCCTVの通信衛星を打ち上げようとしたロケットの打ち上げが、失敗に終わりました。打ち上げを実施したのはもともと中国政府のもとでロケット研究を行ってきた技術者たちが立ち上げたLandscape社で、中国の民間ロケット会社でも最もポテンシャルが高いとされていました。
10月27日に実施された打ち上げでは、3段の固体燃料ステージを持つLandscapeのZQ-1の3段目が、起動に到達することなく終わりました。Landspaceは「ロケットを打ち上げる段階で任務は完了していた」という、どう理解すればよいのかわからないコメントを発表したものの、目標の軌道に到達できなかった理由は明かしませんでした。また今回の失敗に対してどのような対応を取るかも明確にされていません。
近年の中国は宇宙開発に力を入れており、民間企業も2014年以来大きく発展してきました。米国ではSpaceXやBlue Originといった民間企業が頭角を現しています。ただ米国では通常、政府関連の打ち上げが契約もとで行われるのに対し、中国では政府の移行が大きく企業の動向に反映されると考えられます。
Landspaceと同じく中国の民間企業OneSpace Technologyが開発した最初のロケットは、2018年5月に初のロケット打ち上げ試験を実施しましたが、このような政府支援のプログラムの場合、中国政府からの要求が最優先されているとされます。民間企業であることは柔軟かつ低コストな開発を可能とするはずですが、中国では米国企業のように思うような開発・経営はできないかもしれません。
習近平国家主席は、2022年頃までに有人宇宙ステーションを軌道に乗せるなどの目標を掲げ、中国を「宇宙超大国」にしようとしています。