実質年率とは?元楽天カード社員が計算方法と金利との違いを解説します。
カテゴリー:クレジットカード, キャッシング, クレジットカード用語集
カードローンやキャッシングサービスを利用するとき、住宅ローンや自動車ローン選びの際によく見る「実質年率」という表記ですが、単純に元金(借りたお金)に対しての金利だと、あまり考えずにスルーしている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、実質年率の意味と計算方法を中心に解説していきたいと思います。
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実質年率とは?実質年率の意味について
というのは冗談で、
というわけでもないんです。。。
実質年率を正しく理解するとしたら、いわゆる借入額に対する「利息・利子」に加えて、事務手数料や融資取扱手数料、保証料などの諸経費を合算して年率換算したものが実質年率と呼ばれます。
実質年率と利息制限法
実質年率は、利息制限法で上限が決められておりますので、安心してください。
- 元本の額が10万円未満の場合:年20%
- 元本の額が10万円以上100万円未満の場合:年18%
- 元本の額が100万円以上の場合:年15%
20%を超えた実質年率を提示してきた会社や人がいたら、がっつり成敗してやりましょう。
個人間の貸し借りなら年109.5%!?
個人の借金では利息制限法の上限金利が年20%、出資法なら上限金利で年109.5%にすることできます。実は利息制限法には刑罰や行政罰の規定がないため、出資法が定める年109.5%以内(閏年も考えれば366日計算)にしておけば、適用されてしまいます。ただし、利息制限法による制限を超える利率は無効にもできますので、既に支払ってしまった分に関しては返還請求が必要になります。そのため、個人間の貸し借りでも原則利息制限法で定められた実質年率が望ましいでしょう。
実質年率と金利や年利との違いとは?
さて、少しややこしく聞こえる実質年率ですが、まずは単純な金利との違いの概念を理解しておきましょう。
金利の考え方
「借入金が100万円で、利息・利子が年15%です。」
→こちらが単純な金利の単純な考え方です。
実質年率の考え方
「借入金が100万円で、事務手数料1万円含めた利息・利子が年利15%です。」
→これが実質年率の考え方になります。
実質年率と実質年利とは同義
実質年率の計算に移る前に、年率という言い方が聞きなれない方は年利と同義と考えて構いません。
基本的に住宅ローン金利やカードローン金利をはじめ、利息表記は年率・年利になっていますので覚えておきましょう。
ここからは実際に計算する方法を解説していきます。
実質年率の計算式と計算方法
実質年率で利息を計算する場合、
→ 借入金額(残高) × (実質年率 ÷365 × 借入日数)
の計算式で金利手数料を算出することができます。
この金利手数料と元金を合わせた金額が、毎月の返済額となります。
実質年率を使ってシミュレーションしてみよう
キャッシングやカードローン、住宅ローンを利用するときは、お金を借りる前に必ず実質年率でシミュレーションして返済スケジュールを立てるべきです。
実質年率が15%の場合のシミュレーション
では、早速、実質年率15.0%の消費者金融から50万円を借りて、毎月5万円を返済していく場合を試算してみた結果がこちらです。
この条件だと、返済に11ヶ月、合計して約37,000円の利子が必要になることが分かると思います。
返済月数 | 支払額 | 返済額 | 金利手数料 | 残債 |
---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | ¥50,000 | ¥43,836 | ¥6,164 | ¥456,164 |
2ヶ月目 | ¥50,000 | ¥44,376 | ¥5,624 | ¥411,788 |
3ヶ月目 | ¥50,000 | ¥44,923 | ¥5,077 | ¥366,865 |
4ヶ月目 | ¥50,000 | ¥45,477 | ¥4,523 | ¥321,388 |
5ヶ月目 | ¥50,000 | ¥46,038 | ¥3,962 | ¥275,350 |
6ヶ月目 | ¥50,000 | ¥46,605 | ¥3,395 | ¥228,745 |
7ヶ月目 | ¥50,000 | ¥47,180 | ¥2,820 | ¥181,565 |
8ヶ月目 | ¥50,000 | ¥47,762 | ¥2,238 | ¥133,803 |
9ヶ月目 | ¥50,000 | ¥48,350 | ¥1,650 | ¥85,453 |
10ヶ月目 | ¥50,000 | ¥48,946 | ¥1,054 | ¥36,507 |
11ヶ月目 | ¥36,957 | ¥36,507 | ¥450 | ¥0 |
合計 | ¥536,957 | ¥500,000 | ¥36,957 | – |
ちなみに、実質年率を使ったシミュレーションツールは各カード会社でも無料で提供しておりますので、活用してみると良いでしょう。
カードローンやキャッシングでよくみる実質年率の幅の意味とは?
アコムやプロミスなど有名なキャッシングサービスでは、実質年率の表記で3.0%~18.0%、4.5%~17.8%と幅があるのはご存知でしょうか?
なぜこのように実質年率に幅があるのかというと、先ほど説明した利息制限法に関係しています。つまり、実際に借りれる金額(金融機関によって貸せる金額)によって左右するということになります。
- 元本の額が10万円未満の場合:年20%
- 元本の額が10万円以上100万円未満の場合:年18%
- 元本の額が100万円以上の場合:年15%
ただし、セブン銀行のカードローンのように、利用限度額に応じて2パターンしか実質年率を定めていない金融機関もあります。(セブン銀行のカードローンの公式サイト)
自身の勤務先や返済能力に応じた個人信用にあまり自信のない人は、はじめからセブン銀行カードローンを作ったほうが、結果的に低い実質年率で利用できるかもしれません。
実質年率=元金利息になるカードローンやキャッシングサービス
アコムやプロミス、アイフルなどの大手消費者金融機関では、実質年率に含まれる事務手数料等の諸経費を算入していることは少ないので、「実質年率」=「借入に対する利率」だと考えて問題ありません。
実質年率についてのまとめ
消費者金融や銀行などの金融機関では、「実質年率」についてしっかり説明しているところは少なく、毎月の返済額だけの説明に終わっているところがほとんどです。
実質年率の意味・概念・計算式をしっかり理解して、予め実質年率を踏まえて返済計画を立てて借入するようにしましょう。
実質年率関連の豆知識
利息と利子は同じ意味で使われることが多いですが、慣用的には「受け取る際には利息(貸した側)」「支払う際には利子(借りた側)」と表現する人が多いようです。
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