桃にサクランボ 地元産果実ごろり グラノーラ専門店 温泉街で人気沸騰 規格外従来の40倍で購入 福島市

品質にこだわり付加価値を高めた飯坂温泉グラノーラをPRする高橋さん(福島市で)

 「いで湯とくだものの里」で知られる福島市の飯坂温泉で、旬の地元果実がふんだんに入ったグラノーラが7月の販売開始後、既に4500食近くが売れている。温泉旅館の4代目、高橋健さん(38)が、専門店「グラノーラ工房」を構え、規格外の桃やサクランボなどを入れたグラノーラを製造・販売。規格外の果実を加工業者の40倍の価格で地元の農家から購入するのが特徴だ。

 東北屈指の温泉地、飯坂温泉がある同市飯坂町は、果樹栽培が盛ん。高橋さんは、同級生の果樹農家から「収入が不安定」「生食で売れるように協力してほしい」と相談を受けた。

 「飯坂のおいしい果実を手軽に食べてほしい」。シャッター街となっていた温泉街を盛り上げようと、カフェを経営していた高橋さんは、店で好評だったエン麦の押し麦をシロップで焼き上げた自家製グラノーラとの組み合わせを思い付いた。

 高橋さんは「加工用果実の値付けが世代を超えても変わっていない。親も農業を継げと言えなくなる」と考え、グラノーラの店頭価格はSサイズ(50グラム)350円、Mサイズ(150グラム)850円と高めに設定する。付加価値の高い商品にするため、果実は大きくカット。今後は梨、ブドウ、リンゴ、キウイフルーツ、イチゴも使い、11月からは業務用も販売予定だ。

 最終ゴールは「生果を売れる環境にすること。果実を食べない若者がグラノーラをつまみ、こんなにおいしい福島の果実があるんだと知ってほしい」と高橋さん。県内外へ販売を拡大し、温泉街のPRにもつなげる。 
 

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