メモ:神戸女児殺害事件に関して
昨日9月24日、神戸で小学1年の女児が殺害された事件の容疑者として、47歳の男性が逮捕されました。
本エントリーでは、この事件に関して気になること・重要と思われる情報をメモしておきます。
本当に犯人なのかどうか
最初に、犠牲になったお嬢さんのご冥福を心より祈ります。
昨日のエントリー「今、「責任能力を問えない人」の犯罪防止に何が足りないか(概略)」には、何人かの方から、
「逮捕された男性は、まだ被疑者段階で、犯人と決まったわけではない」
というご指摘をいただきました。
今後、この点に関しては慎重のうえにも慎重でありたいと思います。
犯人かどうか明らかにできるのか
「知的障害」の問題
被疑者として逮捕された男性には、知的障害があると報道されています。
障害者の事情に詳しい方からの伝聞ですが、兵庫県と北海道では広汎性発達障害の方に対して、精神障害者保健福祉手帳ではなく知的障害者向けの療育手帳(後記:修正しました)を交付することがあるとのことです。ただ「神戸市は違うかもしれない」ということです。いずれにしても裏がとれていない未確認情報ですけれども、お住まいの地域の知的障害者福祉の運用や手帳交付状況からの類推はしないほうがよいかもしれません。
障害者福祉制度は自治体によって運用の状況がかなり違います。手帳制度は全国共通ですが、どういう運用をされているかは、地域の事情に詳しい方に聞かないとわかりません。
「黙秘権」行使?
男性は、取り調べに対して黙秘権の行使を続けているとも報道されています。
黙秘権についての説明を受けて「黙秘します」と語ったのであるとしても、黙秘権の行使・緊張や精神症状で言葉が出なくなっている可能性など、さまざまな背景を考える必要がありそうです。
障害や持病に対する十分な配慮はなされているのか
本人がわかるように質問する・本人の意思表示を間違いなく聞き取る・本人が落ち着いて取り調べに臨めるように環境を整えるなどの配慮は行われているのだろうかと気になります。知的障害であるにせよ、あるいは発達障害であるにせよ、その他の精神障害・身体の障害・何らかの持病を抱えているにせよ、そのような配慮は現在「十分に行われている」とは言いがたい状況です。
たぶん、取り調べの可視化が最も必要なケースではないかと思います。
いわゆる「誘導尋問」で悪化する可能性も
警察の取り調べは、精神医学的面接とは対極にあります。精神的に弱いところのある人を「壊す」可能性もあります。
壊れてしまったら、どうにでも望み通りに自白させることが可能にはなるわけですけれども、ゆめゆめ、そのような取り調べには発展しないでほしいと願います。
警察の聞きたい話や大衆の納得する話ではなく、あくまでも事実を
以上、取り調べが「警察の聞きたい話を聞き取る」「大衆の納得する話を引き出す」ではなく、あくまで事実を解明するために行われるように、注意していなくてはならないと思われることについて取り急ぎ列挙しました。