三田紀房 著
■ドラゴン桜1の教育観
ドラゴン桜1は、私が大学受験勉強をする時に大いに参考にさせてもらった。効率的に勉強する手法や入試得点戦略は目から鱗でした。
1での教育観は、ティーチング主体の、指導者による詰め込みを絶対としていました。
2においても絶対的な勉強量の確保を重視しているのはさほど変わりませんが、教育観や手法が時代の変遷に合わせて、少し異なるものが描写されています。
■ドラゴン桜2の教育観
1の時にもコーチングの要素はありましたが、2ではそれがよりいっそう強調されている。
生徒に自分で勉強させたり、生徒同士で教え合いや学び合いをすることが多く盛り込まれています。先生はその間、生徒の学習状況やモチベーションの管理をしています。
②ITツールの利用
学習のインプットとアウトプットにITツールが多く用いられるようになりました。学習におけるITツールの普及と、学習の効率化の観点から新たな学習手法が多く用いられています。
③入試観、子ども観の変化
2020年の入試改革を見据えて、桜木弁護士が教員を一喝しています。どのように対応していくかの具体例はまだそれほど出てきていませんが、入試観の変化が強調されています。
龍山高校のノウハウが外部に流出するリスクについてやりとりする場面もあり、指導法の検討を問われていました。
また、子ども観についても変化があります。
前作1では不良高校生vs教師の構図がありました。当時のマンガにもよくある構図です。貧困家庭の生徒が、人生の一発逆転を狙うテーマもあります。
一方、今回は自分の道を自分で決めきれない弱気な生徒が出てきます。家庭も比較的裕福な家庭です。
これらの変化は、教育制度、教育業界にITツールが導入されているマーケット様相や、現場の先生・生徒をよく表しています。
このような昨今の劇的な変化は、学生のみならず社会人にも注目の的であり、様々な人にドラゴン桜2は読まれています。
教育や学習が、大学で終わらなくなった今、多くの人に「教育から学びへ」を考える機会を与えてくれているのだと思います。