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【東京】

「砂川闘争」基地拡張中止から50年 来月4日、立川で講演会

市民が手入れをする「砂川秋まつりひろば」で平和への思いを語る福島さん=立川市で

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 旧米軍立川基地の滑走路拡張計画から農地を守ろうと砂川町(現立川市)の住民が立ち上がった「砂川闘争」により、米軍が計画を断念して今年で50年。かつての拡張予定地を巡る課題を考える講演会が11月4日、立川市砂川町の砂川学習館で開かれる。 (竹谷直子)

 砂川闘争は一九五五年、米軍の滑走路拡張計画が明らかとなり、接収から農地を守ろうと町ぐるみの反対運動に発展。住民らと機動隊の衝突が繰り返された。米軍は六八年に拡張中止を発表。返還された基地跡地は陸上自衛隊立川駐屯地や国営昭和記念公園となった。元拡張予定地は一部をグラウンドなどに活用。しかし、今も空き地が目立ち、市民が草刈りなどの手入れをする「砂川秋まつりひろば」もある。

 講演会は、砂川闘争の資料を展示する「砂川平和ひろば」の運営にかかわる市民や学生らによる実行委員会が企画した。フリージャーナリストの前田哲男さんが講師を務め、日米地位協定の不平等さや、米軍が使用期限を迎えた土地を引き続き使うための「駐留軍用地特別措置法」の変遷について話す。

 砂川平和ひろばを主宰する福島京子さん(68)は「沖縄では使用期限を迎えても米軍から土地を返してもらえないのが現実だ。立川基地跡地は自衛隊駐屯地になっており、再び拡張話が持ち上がりかねない」と危惧する。

 講演では、学生時代に砂川闘争に参加し、基地跡地の自衛隊利用に反対する「立川自衛隊監視テント村」メンバーの加藤克子さん(81)も登壇する。拡張中止までの経緯や、元拡張予定地活用の運動について語る。加藤さんは「砂川の土地は市民の勝利の証し。各地に歴史を伝えていかなければ」と話した。

 午後一時半~四時半(受け付けは午後一時から)。参加費は資料代五百円。申し込み不要。問い合わせは実行委=電042(536)3167=へ。

 

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