食べるラー油が一世を風靡したのが2009年の頃。それまでは餃子につける「赤い色をした油」であり、あくまで中華専用の調味料だった。いつのまにか日本中にご当地ラー油が現れ、そしてまたたく間に日本人のラー油熱は収束していったかのようにも見えたが、それは日本の食卓における定番調味料に落ち着いたのだと、私は理解している。
さて、私が麻辣油をつくり始めたのは5年ほど前。手違いで1kgの唐辛子を購入してしまったのがきっかけだった。
麻辣油は麻(マー:花椒の辛さ)と辣(ラー:唐辛子の辛さ)の、二種類の辛みを併せもつハイブリッド型ラー油。
この麻辣油を使った麻婆豆腐や水餃子を客人に出してみるとおもいのほか評判がよく、レシピを教えてくれだの、一瓶ゆずってくれだのと喜んでくれるので、調子に乗りやすい私はせっせと麻辣油をこしらえ、ついには麻辣油を切らすことに恐怖感さえ覚えはじめ、そしてつくるたびに辛さも過激になっていった。
いまや我が家では欠かせない調味料のひとつに成長した麻辣油の使い道はこんな具合である。
- 麻婆豆腐の肉味噌を炒める。(麻婆豆腐のつくりかたはこちらへ)
- 皮蛋と豆腐の和え物に加える
- 茹でた魚貝や肉、野菜と和える
- 芝麻醤と合わせて担々麺のスープの素に
- ネギ、生姜、酒で蒸した鶏モモ肉にかける
ひと垂らしでなんでもパンチのある中華風になってしまう麻辣油。激辛仕様なのでマイルドがお好みであれば唐辛子を半量にしてほしい。