>>43
製紙工業の進展とともに誕生した万能原質調成機「ビーター」は1670年の開発から1950年代まで長期間使用されたが,バッチ式であったため生産能力は小さかった。1950年代後半からの急激な紙需要の増加のために連続式コニカルリファイナーが開発された。さらに,広葉樹を原料として使用するために多孔質の玄武岩を叩解刃物としたシリンドリカルリファイナーが,より大規模生産に対応するためにダブルディスク型リファイナーが開発された。ダブルディスク型リファイナーは叩解刃物の構造が単純で,柔軟に設計できたためほとんどの製紙工程に適用され,今日まで広く使用されている。<BR>しかし近年,叩解工程は地球温暖化対策のための省エネルギー要求,植林材パルプ普及による原料パルプの短繊維化と言った2つの大きな課題に直面し,叩解機の形態変更も含めた対応が必要となった。<BR>本稿ではこの課題に対応すべく近年開発された新型シリンドリカル,新型コニカル,新型ディスクリファイナーを系統別に分類して紹介する。