好評です!
ほぼ日のアプリあります。

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2018-10-28

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「ほぼ日」が、やってきたいろいろのなかに、
 吉本隆明さんの生前の183の講演の音声を、
 すべて無料で聴けるようにしたということがあります。
 これは、もちろん吉本さんご自身の気持ちや、
 吉本さんの御遺族の意思があってのことですが、
 発表されてからも、たくさんの方のご協力がありました。

 183回の講演は、録音状態もよいものばかりとは言えず、
 おおよその内容紹介はしているものの、
 実際に聴くまではどんな内容なのかわかりません。
 それを、音源を聴きながら丹念に文字起こししてくれた
 ボランティアの方々が、何人もいてくださったのです。
 また、この企画の少なからぬ制作費や維持費は、
 音源を『吉本隆明 五十度の講演』そして、
 『吉本隆明の声と言葉。』という出版物として発売し、
 その収益でもまかないましたが、
 ご利用になった方からの「投げ銭」というかたちでも、
 協力をいただいています。
 これが、続いているということもうれしいことです。
 それだけプロジェクトが生きているということですから。

・この『吉本隆明の183講演』のことを思い出したのは、
 ぼくが、かつて聴いた吉本さんの
 ある講演で語られたことを確かめたかったからでした。

 最初に、ぼくはこの「今日のダーリン」の書き出しを、
 <年をとると、だんだんと変わったことを言わなくなる。
 ごくふつうのことを言いたくなる。>と書いたのでした。
 そして、あ、吉本さんがいつか、そんなふうなことを
 言ってたっけなと思い出しました。
 そして、「造悪論」をめぐっての親鸞の考えを語った
 講演のなかにあったかなと探しました。
 そして、『A040 最後の親鸞以後』というタイトルの
 講演のテキストを読み進めていたのですが、
 思っていたことばは発見できませんでした。
 が、過去にこの講演を聴いたときの何倍もの深度で、
 いまのじぶんのこころに届いてきたのでした。
 お恥ずかしいけれど、夜中に泣き出すくらい沁みました。
 で、今日は、これを「今日のダーリン」で書こうと、
 急に決めて、いまそれをしているところです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
こうして書くと30人くらい聴いてくれるかな。いいよーー。


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