恐怖の役員決め…「PTAやらない」 任意加入を周知[2018/10/26 16:00]
テーマは「PTA問題」です。平日昼間の会議や強制的な役員決め、ベルマーク集めなどが特に共働き世帯に重い負担となっています。しかし、PTAは全員参加ではなく、あくまで任意参加であることを皆さんはご存じでしょうか。
PTA役員経験あり:「(PTA役員に)あたってしまったら、拒否権はないという感じだった」「仕事の都合を付けたりしながらやるのが大変でした。学校の役員関係のことがあると、お休みを頂かないといけなかったり」
働く世代にとっては負担が重い「PTA活動」。先月末、さいたま市教育委員会が市内の学校宛てに通知を出しました。「PTAの加入は任意」、強制的に参加させられるものではないことを保護者に周知するよう求めるものです。
PTA経験者:「(Q.PTAに加入しないという選択肢が…)あるの?」
PTA活動・先輩ママから情報収集:「知りませんでした。すごく、ほっとしました」
PTA問題に関する著書のあるジャーナリストの黒川祥子さんに聞いてみると。
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「自分の意思で加入は決められます。だから、参加しなくて全然、大丈夫です」
「全員参加で平等に」という印象の強いPTAですが、その根拠はどこにもありません。しかし、実際には疑問を挟む余地のないまま会員になっていることもあるようです。
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「役員決めの恐怖というのが悲鳴にも近い叫びになっている。苦痛の関門となっています」
新年度に新しく担任となった先生の話を聞こうと保護者会に参加すると、先生の話はすぐに終わって教室に入ってきたのは先輩ママのPTA役員たち。先生も教壇を役員に明け渡します。なぜか出入り口の前にも役員が立ち、「役員を決めるまでは誰も帰れません」。仕事はもちろん、介護やひとり親家庭であることも考慮されなかったということです。また、いざPTA活動が始まると、運営の非効率さに面食らう保護者も多いといいます。そんなことを想定してか、東京都のある教育委員会が新1年生の保護者向けに配布したPTAの冊子ではこのような文言が掲載されていました。「どうか初めから逃げ腰にならないでください」
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「『意味が分からないことをやらされる』。なぜ、こんなに頻繁に学校に行って会議をしなければいけないのか。メールで済むことなので一斉メールで。その最たるものがベルマークですね。とにかくその作業の馬鹿らしさ」
ベルマークは協賛企業の商品に付いているマークを集めて送ると、点数に応じて学校の備品などがもらえる仕組みです。PTAでよく行われる作業は、家庭で切り取ったベルマークを回収し、それを一つひとつ企業ごとに分けて台紙に貼ります。非常に小さいため、吹き飛ばないようにマスクを着けて作業するところもあるとか。しかし、30人で作業してもわずか数千円にしかならないこともあるなど、費用対効果に疑問が持たれています。
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「苦行ですよね。苦役ですよね。仕事を抜けて、それをしなければならない意味も意義もどこにもないと思います」
多くの保護者が疑問を抱える状況で「PTAは任意」ということが明確になれば、加入しない人が増えるのではないか、通知を出したさいたま市に聞いてみました。
さいたま市教育委員会・細田眞由美教育長:「 任意団体ということを周知したら(加入者が)減るじゃない、という発想は私たちには全くないわけです。今、片働きの人たちの方が少ないですよね。共働きの夫婦の方が多いじゃないですか。片働き時代の形のPTA活動は成立しません。持続可能なPTAとは、ということを一緒に話をしていきましょうと」
一方、保護者に「PTAをやらない」という選択肢を選ぶかどうか聞いてみると。
PTA経験者:「それってどうなの? 子どもとの関わりを切るっていうこと?やっぱり、『やれる人は暇なの?』ってなっちゃう」
PTA役員経験あり:「進んでやりたい感じではないけど、やらなければいけないかと。子どもが在校している以上はって」
PTA活動・先輩ママから情報収集:「できればやりたくないけど、子どものためにはお願いされたら断れないかも」
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「入りたくはないけど、子どもが人質に取られている。子どもが差別されるんじゃないかとか、いじめに遭うんじゃないかとか」
任意だからといってやめたいと思ってもやめられないのが現実では、との声も上がっています。
「PTA不要論」著者・黒川祥子氏:「PTAって本当に必要なのかというのが分からないんです。同調圧力と強制力のなかでやらされる。前例がないことは認めない。どんどん皆さん苦しくなっている」