抵抗
電気
ケーブル

電気のいろいろ、ケーブル、抵抗の色など

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電気のいろいろ、ケーブル、抵抗の色など

電気のいろいろ

弱電と強電

  • 弱電
    マイクロエレクトロニクス。
    電子回路。
    信号を伝える回路。
    基板の配線など。

  • 強電
    パワーエレクトロニクス。
    電気回路。
    動力としての電気を供給する回路。
    送電線や家庭内配線など。

参考
弱電 - Wikipedia
強電 - Wikipedia

低圧と高圧

低圧: 交流600V以下、直流750V以下
高圧: 低圧を超え7000V以下
特別高圧: 7000Vを超える

一般的な電圧

交流

66kV - 鉄塔の送電線
6600V - 都市部の電線
200V - 家庭用200V, 工場用200V
100V - 家庭用100V

直流

12V - PC内部の電源電圧(12Vと5V)
5V - USBの給電電圧
5V - スマホの充電用電圧(リチウムイオンバッテリーの充電電圧)
3.3V - 電子回路でよく使われる電圧

電池の電圧

24V - トラックのバッテリー(鉛蓄電池)
12V - 乗用車のバッテリー(鉛蓄電池)
9V - 四角い電池(9V角形電池)
5V - 空気マグネシウム電池(MagBox)
3.6V - リチウムイオンバッテリー
1.5V - マンガン乾電池、リチウム乾電池
1.4V - アルカリ乾電池
1.35V - ボタン型電池(水銀電池)
1.2V - エネループ(ニッケル水素電池)など

乾電池 - Wikipedia

直流と交流

  • DC - Direct Current
    直流。
    時間が経過しても電圧の向き(正負)が変わらないもの。
    電圧にプラスやマイナスをつけて表現する場合は直流。

  • AC - Alternating Current
    交流。
    時間の経過と共に電圧の向き(正負)が変化する。
    東日本50Hz、西日本60Hzという違いがある。

直流 - Wikipedia
交流 - Wikipedia

直流電源

発電は直流で行われ、交流に変換して送電される。
コンセントから交流を取得し直流に変換して利用される。
バッテリー(電池)、DCアダプタ、スイッチング電源(安定化電源)などが直流電源となる。
太陽光発電や自伝車のタイヤに付いているダイナモも直流電源となる。

電池の電圧[V]は材料によって決まっている。
電池容量[mAh]が書いてあるのは二次電池だけ。

交流電源

発電所から交流で送電され、各家庭のコンセントから直接利用できる。
コンセントのことを英語ではアウトレットと呼ぶ。

交流電源には主に単相交流と三相交流がある。
三相交流とは電圧の位相を120°づつズラしたもの。

単相交流 - Wikipedia
三相交流 - Wikipedia

交流100Vと200Vの種類

  • 1Φ2W 100V - 単相2線式100V
    一般的の家庭用のコンセント。
    コンセントには極性があり、縦穴が長いほうが接地側。
    普通のは15Aまでだが、20A用はT字の差込口となる。
    なお差し込みプラグの刃に付いている穴は抜け防止と発熱防止のため。

  • 1Φ3W 200V - 単相3線式200V
    家庭用の200Vのコンセント。
    3線で線間電圧が100Vなので、100Vと200Vを給電できる。
    200Vは横向きの差込口となる。

  • 3Φ4W 200V - 三相4線式200V
    工場などで使われるコンセント。
    三相交流なので、専用のモーターを回せる。

電極、カソードとアノード

電気的に接続する箇所を電極と呼ぶ。
電位が高い方をプラスまたは正極、低い方をマイナスまたは負極とする。

電流の方向を表す場合は、電流が流れこむ電極をアノード、流れだす方をカソードと言う。
つまり、電池の場合は正極が電流が流れ出す方なのでカソード、負極をカソードと表現できる。
電源のプラスをアノードと呼びたくなるが、ダイオードとつなげて並べてみるとカソード、アノード、カソード、アノードと並ぶのでプラスがカソードとわかる。

アノードでは酸化反応、カソードでは還元反応が起こる。
「カソードは還元」と覚える。
ダイオードでは「足が長いアノード」と覚える。

ちなみに電源記号は長いほうがプラスで短い方がマイナスとなる。
プラス+は2本線からなるので長い、マイナス-は1本線なので短いと覚える。

電極 - Wikipedia

マイナスとGNDの違い

GNDとは基準電位のこと。
交流の場合は大地の電位を基準とし、接地極(アース)をGNDと称した。
拡大解釈され、大地と接続しない場合でも基準電位のことをGNDと呼ぶようになった。
直流の場合はマイナス極を0Vの基準電位としているのでGNDとなる。

直流の場合はプラス極に対するマイナス極がある。
マイナスを0Vとすると、プラスが+5Vなどとなる。
これはマイナスを基準電位と見立てた電位差が+5Vあるということ。
分野によってはプラス極を基準としてマイナスを-5Vとしたこともあったとか。
正負電源だと中間を基準に+5Vと-5Vしたりする。

COM端子

COMとはCOMMON(共通)の略である。
つまり内部で接続され、共通化された端子のことを呼ぶ。
マイナスコモンやプラスコモンがある。
マイナス極はGNDで揃えるのでマイナスコモンが多い。
明示されていなければ端子の色で見分けたりする。
赤COM(+)、青COM(-)、黒COM(-)。
色がついていても逆に接続する場合があるので注意。

突入電流とサージ電流

  • 突入電流
    始動時に定常電流値を超えて大きな電流が流れること。
    原因としてコンデンサへの充電、モーターの始動、抵抗の温度係数などが考えられる。

  • サージ電流
    瞬間的に発生する大電流のこと。
    原因として雷(かみなり)、静電気、コイルの逆起電力、回路の浮遊容量、コンデンサの短絡などが考えられる。
    雷サージ、静電気サージ、開閉サージなどと呼ばれる。

浮遊容量

回路上には存在しないが、回路のパターンが近いと擬似的な微小コンデンサとして動作することがある。
この擬似コンデンサの微小容量を浮遊容量または寄生容量と言う。
低周波では影響は少ないが、高周波の場合、問題となることがある。

電気の伝播速度

電流は真空中の光速に近い速度 約30万[km/s]で伝播する。
1[mm2]の導線に1[A]の電流を流すと、電子の移動速度は 0.073[mm/s]となる。

感電について

感電の危険がある場合

電路に触れるときは、心臓から遠い右手を使う。
感電したら握りこんでしまい手を離せなくなるので手の甲を使う。
一番よいのは感電の恐れのある電路には触らないこと。
もし感電している人がいたら手で引き離すより蹴飛ばす。

ブレーカーを落としても充電されている可能性がある。

人体の抵抗

乾燥: 10kΩ(数千~数万Ω)
発汗: 1kΩ(約1/10)
湿潤: 400Ω(約1/25)
体内: 500 ~ 1kΩ
傷口: 0Ω
※乾燥状態といっても汗などもあるので一概には言えない。

感電の影響

直流 交流(60Hz) 交流(10kHz) 影響
5mA 1mA 10mA 僅かな痛み(感知電流)
50mA 7mA 45mA 痛い(離脱電流)
60mA 14mA 60mA 痛い(離脱限界)
75mA 21mA 75mA 危険(筋肉硬直)

※個人差があるので絶対ではない。
※感知電流でも心臓を通ったり長時間だと危険。

交流100Vだとオームの法則(V=RI)より人体に流れる電流は、
I = 125V / 10kΩ = 13mA
乾燥状態で13mAくらい流れるので痛い程度だが、汗をかいていると危険。
人体への危険があるが、回路につながっている機器が壊れるおそれもある。

交流の電線

より線と単線

基本的には直流と交流で違いはない。
扱う電流の大きさが異なるので電線の太さ(許容電流)が異なる。

  • より線
    複数の線をより合わせて一本の導線にしたもの。
    単線より曲げやすい。
    太さは面積で表す。(2mm2や2sqなど)
    sqはsquareの略でスケと読まれることが多い。

  • 単線
    一本の導線からなるもの。
    太さは直径で表す。(2.0mmなど)

許容電流

単線 電流 より線 電流
1.6mm 27A 2.0sq 27A
2.0mm 35A 3.5sq 37A
2.6mm 48A 5.5sq 49A
  • 語呂合わせで覚える
    27(フナ)35(産後)48(幸せ)
    27(フナ)37(皆)49(良くなる)

  • 直径を面積に換算すると?
    面積 = π * r ^ 2
    1.6mm => 2.0096sq
    2.0mm => 3.14sq
    2.6mm => 5.3066sq

電線の種類(100V用)

  • 絶縁電線
    導線をビニルなどで被覆したもの。
    IV1.6, KIV1.25SQなど。

  • ケーブル
    絶縁電線をさらにシースで保護したもの。
    低圧用の配線として利用できる。
    複数の電線をまとめ、2芯や3芯などの種類がある。
    VVF1.6-3C、VVR2.0-2Cなど。
    3Cは3芯のことで3本の電線が入っている。
    2Cの場合の色は白黒が使われることが多い。

  • コード
    移動用で可とう性(柔軟性)があるもの。
    低圧用の配線として利用できない。
    家電の電源用プラグにつながっているもの。
    移動用のキャブタイヤケーブルとキャブタイヤコードもこの分類となる。
    商品名も色々あるのでケーブルとコードの呼び名が交じることも多い。

NとL

VVF-2Cなどは白と黒の電線が入っている。
接地側は白、非接地側は黒を優先して接続する。
3線や4線などの組み合わせもあるので必ずではない。
なお、日本国内の基準なので、海外では別の色が使われる。

識別標識 - Wikipedia

  • N - Neutral - ニュートラル(白)
    接地側
    GND
    交流だけどマイナス(-)と表現することも。

  • L - Live - ライブ(黒)
    非接地側
    プラス(+)と表現することも。
    ライブと呼ぶことが多いが、電源側、負荷側、ラインでも通じる。

  • E - Earth - アース(緑)
    保護接地極
    GND

直流の電線

電線の種類

  • ワイヤー
    針金または電線のこと。
    金属でできた線のこと全般を指す。

  • リード線
    回路内の部品を接続する電線のこと。
    用途での呼び名なので、電線の種類は問わない。

  • ビニル線、ビニル被覆電線
    電線をビニールで絶縁被覆したもの。
    電子工作用は基本的にはより線が使われている。
    太さを表すのにAWGなどが使われ、数字が大きい方が細い。
    たまに太さが本数で書かれていて困る。

  • すずメッキ線
    すずでメッキしてあるので半田のノリが良い。
    ユニバーサル基板の裏面配線に使われることが多い。

  • ラッピングワイヤー
    ワイヤーラッピング接続用の細い電線(AWG30くらい)。
    ハンダ付けしないでクルクル巻いて接続するのに使う。
    普通にリード線としてもよく使う。

  • エナメル線
    導線にエナメル皮膜(絶縁)をつけたもの。
    似たものにジュンフロン線や架橋ポリエチレン線などがある。
    接続部分の絶縁皮膜は紙やすりなどで取って使う。
    リード線としても使うかもしれない。

  • ジャンパー線
    ブレッドボード用にピンが付いたもの。
    回路内で配線を直した時に使った線をジャンパー線と呼ぶこともある。

AWG - Wikipedia

+と-

弱電では有色ホットという考え方がある。
なので線の色の組み合わせによって変化する。
赤と白なら赤がホットなのでプラス、白がコールドなのでマイナス。

赤(+)と白(-)
赤(+)と黒(-)
白(+)と黒(-)
その他(+)と黒(-)
その他(+)と白(-)

青や緑は寒色系なのでマイナスとする。
黄や橙は暖色系なのでプラスとする。
白と黒で迷う場合は、勝負事で「白黒つける」という言葉を思い出す。
白が勝ちで黒が負けなので黒をマイナスとする。

コネクタやピンのGND側には見た目で判別できるように印をつけるとよい。
よく修正液で白く塗ったり、線にテープを巻いたりする。
2本線のときに赤で印をつけられるとプラスかと不安になるのでやめてほしい。

ボタンとランプ

ボタンとランプの色は業界によって様々な意味がある。
危険度が高い場合は、一人では押せないようにボタンを2つ離して配置する。

運転中に危険な高圧やモーターなどを扱う場合は下記の通り。
赤: 運転中
緑: 停止中

比較的危険度が少なく、止まると困る場合は下記の通り。
緑: 運転中
赤: 異常発生

以下、JISで規定されている内容。

ボタンの色
青: 始動、入
赤: 停止、切、非常停止
黒: 寸動、速度切替、方向切替
白: 同上
黄: リセット、条件変更、工程変更
青: その他

ランプの色
白: 電源、注意、故障
赤: 運転中、注意、故障
緑: 休止中、安全、復帰
黄: 故障
橙: 運転、故障
青: その他
透明: その他、地絡層表示
※橙と透明はJISには規定はないが念のため。

JIS C 0617-8
JIS C 0448

抵抗

カーボン抵抗と金属皮膜抵抗

カーボン抵抗は茶色いヤツ、金属皮膜抵抗は青いヤツ。
一般的に金属皮膜抵抗の方が特性がよい。(誤差と温度係数が小さい)
LEDを点灯させたいだけならカーボンで十分。
信号などを扱う場合は金属皮膜抵抗を使うと良い。

あとは抵抗の大きさによって許容電力[W]が変わってくる。
小さいのが1/4[W]でちょっと大きいのが1/6[W]くらい。

カラーコード

幾つかパターンがあるので覚えやすいのでよい。
ピン番号とケーブルの色に使われていることもある。

覚え方
0 黒い礼服、クロレラ
1 小林一茶
2 赤いニンジン
3 第三の男、ミカンは橙
4 岸恵子、四季の色、黄色いヨット
5 五月みどり、みどり児
6 青虫、徳川無声
7 紫式部
8 ハイヤー、ハイパワー
9 釧路、白い雲、白くま

2-7は虹色の順番と同じ。
最後はハイパワーの白くまくん。
色の頭文字を並べて「クチアダキミアムハシ」と呪文を唱える。

抵抗の読み方

カーボン抵抗だと色帯が4本ついている。
少し離れている方が誤差を表す。
カーボンなら誤差は金色であることが多い。
誤差を右側に置き、左から読む。

茶(1)、、黒(0)、黒(0)、金(±5)の場合
10 * 10^0 = 10[Ω] ±5%

茶(1)、、黒(0)、茶(1)、金(±5)の場合
10 * 10^1 = 100[Ω] ±5%

茶(1)、黒(0)、橙(3)、金(±5)の場合
10 * 10^3 = 10[kΩ] ±5%

黄(4)、紫(7)、黒(0)、金(±5)の場合
47 * 10^0 = 47[Ω] ±5%
黄と紫は分かりにくい

黄(4)、紫(7)、金(-1)、金(±5)の場合
47 * 10^-1 = 4.7[Ω] ±5%
誤差ではない金は-1のこと
黄と金2つなので非常に読みにくい

色帯5本の場合は、左側3桁をつなげて読む。
茶黒黒茶茶なら100[Ω]±1%となる。(左右不明なため要テスタ)
E12系(10, 12, 22, 47などの倍数とする)を使うことが多い。
プルアップ抵抗には10[kΩ]がよく使われる。