MANGA議連で自民党の馳浩氏がご自身のブログでとんでもないことを書いていて、ああこの人も憲法を守る意志のなさそうな人なんだなということが分かります。
こんなことで最低限の法学の理解もないとかヤバいと思うんですよね。安倍晋三総理が薦めようとしている憲法改正論議を自民党に任せていていいのか、という話にならざるを得ないでしょう。
--引用--
報道によると、中間報告でさえ両論併記できなかったとの事。
なんで?通信の自由を害するから?
それって、著作権者への甚大なる悪影響(損害)よりも優位な概念?
--引用ここまで--
しかも、なぜか「ブロッキングに関わる法制度整備について、司法関係者から(総務省から?)異論が指摘された!」という程度の理解しかしておらず、海賊版対策は必要だけど憲法で認められた通信の秘密や通信事業法に違反することはできないので、然るべき対策をすべて打ってからにしましょう、という話であることも分かっていないようです。
「漫画村」とかブロッキング議論をやる前に話し合うべき知財戦略ってのは別にあるのではないですか、という話は、すでに産経デジタルのiRONNAに寄稿しました。
海賊版ブロッキングより日本が急ぐべき「真の知財戦略」がある (山本一郎) - オピニオンサイトiRONNA https://ironna.jp/article/11003
一方、立憲民主党の高井たかし氏は、こちらもご自身のブログでこの問題を取り上げておられます。
超党派の国会議員で構成される「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(MANGA議連)」の役員会(古屋圭司会長、馳浩幹事長、笠浩史事務局長)で、政府が検討中のインターネット上の海賊版対策について報告を受けました。
http://takaitakashi.com/archives/3654
--引用--
議連役員メンバーは、ブロッキング推進派がほとんどであったためかもしれませんが、
住田事務局長の答えは、「タスクフォースの議論はあくまでも参考であり、最後は政府が決める。来年の通常国会で予定通り法案を出す(※)」
というように感じました。
(※)あくまでも他議員からの質問も含めた住田事務局長の答え全般から私の感じた雰囲気で、住田事務局長がこの通り発言したわけではありません。
--引用ここまで--
とのことで、どうも漫画議連の役員はブロッキング推進派がほとんどであるとの由。ということは、漫画議連の役員は憲法違反を堂々と主張する人たちということになりかねません。
ブロッキング推進派も反対派も、基本的に海賊版サイトを野放しにするのは悪いことだという前提で「サイト遮断のようなブロッキングは通信の秘密を侵害するので違憲だから、そんなことを議論する前に法的手続きほかやれることは全部やってから、なお駄目だという話になったら法制化について考えるのが筋」というだけだと思うわけですよ。
で、漫画村下手人に関する話は動きがありました。
「漫画村は違法か」判断の裁判、異例の判決延期に Cloudflareが判決数日前に答弁書 - ねとらぼ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/26/news034.html
「アクセス遮断が進めば、中国と同じ状況になる」NTTコム提訴の中澤佑一弁護士が警鐘 https://www.huffingtonpost.jp/2018/04/26/blockng-ntt_a_23420738/
アクセス遮断(ブロッキング)をいち早く実施するとしたNTTグループ(NTTコミュニケーションズ)にはすでに中澤佑一先生が裁判を起こして法的リスクは具現化しており、また、権利を漫画村に侵害された漫画家たまきちひろさんの代理人を務める東京フレックス法律事務所の中島博之先生が手弁当でこの問題に取り組み裁判が進展しています。
おそらく、MANGA議連は議員立法を目指して運動するけど途中で人が集まらないとかいろんな理由で挫折に追い込まれた後で閣法としてブロッキング法制化を進めていくのではないかと思います。ただ、そういう法律ができたところで違憲状態であることには変わりませんから、有志弁護士がわらわら出てきて裁判が起きるであろうこと、また、罰則規定のある通信事業法は一文も挿入されないことになりそうですのでISP(通信事業者)は社員や技術者を守るためにおそらくは(NTTグループも)実際にはこのブロッキング新法に基づいてブロッキングは行わないであろうと見られます。
こんなMANGA議連や甘利明さん、稲田朋美さん周辺がごり押しして最低限の憲法周りの話も踏み抜いてブロッキング法制化を強行するようでは、安倍政権の憲法改正論議なんか怖ろしくて賛同などできないよなあという話になると思いますが、それ以上に、関わる自民党馳浩氏以下不勉強すぎる人たちをどうにかできないかと感じる次第です。

こんなことで最低限の法学の理解もないとかヤバいと思うんですよね。安倍晋三総理が薦めようとしている憲法改正論議を自民党に任せていていいのか、という話にならざるを得ないでしょう。
馳浩『10月23日』
https://megalodon.jp/2018-1027-1316-08/https://ameblo.jp:443/hase-hiroshi/entry-12414074489.html
https://megalodon.jp/2018-1027-1316-08/https://ameblo.jp:443/hase-hiroshi/entry-12414074489.html
--引用--
報道によると、中間報告でさえ両論併記できなかったとの事。
なんで?通信の自由を害するから?
それって、著作権者への甚大なる悪影響(損害)よりも優位な概念?
--引用ここまで--
しかも、なぜか「ブロッキングに関わる法制度整備について、司法関係者から(総務省から?)異論が指摘された!」という程度の理解しかしておらず、海賊版対策は必要だけど憲法で認められた通信の秘密や通信事業法に違反することはできないので、然るべき対策をすべて打ってからにしましょう、という話であることも分かっていないようです。
「漫画村」とかブロッキング議論をやる前に話し合うべき知財戦略ってのは別にあるのではないですか、という話は、すでに産経デジタルのiRONNAに寄稿しました。
海賊版ブロッキングより日本が急ぐべき「真の知財戦略」がある (山本一郎) - オピニオンサイトiRONNA https://ironna.jp/article/11003
一方、立憲民主党の高井たかし氏は、こちらもご自身のブログでこの問題を取り上げておられます。
超党派の国会議員で構成される「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(MANGA議連)」の役員会(古屋圭司会長、馳浩幹事長、笠浩史事務局長)で、政府が検討中のインターネット上の海賊版対策について報告を受けました。
http://takaitakashi.com/archives/3654
--引用--
議連役員メンバーは、ブロッキング推進派がほとんどであったためかもしれませんが、
住田事務局長の答えは、「タスクフォースの議論はあくまでも参考であり、最後は政府が決める。来年の通常国会で予定通り法案を出す(※)」
というように感じました。
(※)あくまでも他議員からの質問も含めた住田事務局長の答え全般から私の感じた雰囲気で、住田事務局長がこの通り発言したわけではありません。
--引用ここまで--
とのことで、どうも漫画議連の役員はブロッキング推進派がほとんどであるとの由。ということは、漫画議連の役員は憲法違反を堂々と主張する人たちということになりかねません。
ブロッキング推進派も反対派も、基本的に海賊版サイトを野放しにするのは悪いことだという前提で「サイト遮断のようなブロッキングは通信の秘密を侵害するので違憲だから、そんなことを議論する前に法的手続きほかやれることは全部やってから、なお駄目だという話になったら法制化について考えるのが筋」というだけだと思うわけですよ。
で、漫画村下手人に関する話は動きがありました。
「漫画村は違法か」判断の裁判、異例の判決延期に Cloudflareが判決数日前に答弁書 - ねとらぼ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/26/news034.html
「アクセス遮断が進めば、中国と同じ状況になる」NTTコム提訴の中澤佑一弁護士が警鐘 https://www.huffingtonpost.jp/2018/04/26/blockng-ntt_a_23420738/
アクセス遮断(ブロッキング)をいち早く実施するとしたNTTグループ(NTTコミュニケーションズ)にはすでに中澤佑一先生が裁判を起こして法的リスクは具現化しており、また、権利を漫画村に侵害された漫画家たまきちひろさんの代理人を務める東京フレックス法律事務所の中島博之先生が手弁当でこの問題に取り組み裁判が進展しています。
おそらく、MANGA議連は議員立法を目指して運動するけど途中で人が集まらないとかいろんな理由で挫折に追い込まれた後で閣法としてブロッキング法制化を進めていくのではないかと思います。ただ、そういう法律ができたところで違憲状態であることには変わりませんから、有志弁護士がわらわら出てきて裁判が起きるであろうこと、また、罰則規定のある通信事業法は一文も挿入されないことになりそうですのでISP(通信事業者)は社員や技術者を守るためにおそらくは(NTTグループも)実際にはこのブロッキング新法に基づいてブロッキングは行わないであろうと見られます。
こんなMANGA議連や甘利明さん、稲田朋美さん周辺がごり押しして最低限の憲法周りの話も踏み抜いてブロッキング法制化を強行するようでは、安倍政権の憲法改正論議なんか怖ろしくて賛同などできないよなあという話になると思いますが、それ以上に、関わる自民党馳浩氏以下不勉強すぎる人たちをどうにかできないかと感じる次第です。
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