ヨルダンの死海近くで鉄砲水、スクールバス流され子供ら18人死亡
ヨルダンの死海付近で25日、鉄砲水が発生し、少なくとも18人が死亡した。死亡した人の多くはバスに乗っていて流された。
このバスには子供37人と教員7人が乗っていた。当局によると、バスは温泉地ザラ・マインに向かう途中で流されたという。
大規模な救出作戦が進められており、ヨルダン政府の要請に応じてイスラエルがヘリコプターを派遣した。
ロイター通信によると、これまでに34人が事故の起きた周辺から救出された。何人かは重体という。
死海は観光地として人気が高く、死者や負傷者の中にはピクニックに向かう家族もいた。
死海は地表で最も標高が低い場所で、旅行客に人気が高い。しかし、乾燥して深い谷あいにあるため、鉄砲水の影響を受けやすい。
ブリグ・ゲン・ファリド・アル=シャラア警察署長はヨルダン国営テレビに対し、鉄砲水が最長5キロにわたり人やものを押し流したと語った。
「最終的に海へ流された人もいたし、岩にたどり着いて自分の身を守れた人もいた。13人を無傷で救出できたことを神に感謝する」とアル=シャラア氏は述べた。
悲劇的な事故を受け、ヨルダンのアブドラ国王は26日に予定されていたバーレーン訪問を取りやめたと地元メディアが報じた。
イスラエルが救急支援
イスラエル軍は、ヨルダン政府の要請を受け、複数のヘリコプターと捜索・救助活動の精鋭部隊員を派遣したと発表した。
声明によると、派遣部隊は悪天候下での行方不明者発見を支援しているという。
被害者の詳細は発表されていないものの、現地メディアのヨルダン・タイムズによると、被害にあった子供たちは私立学校の生徒だったとヨルダン教育省関係者が明かした。
匿名の当局者は、気象警報が出ていたにもかかわらず学校遠足が決行されたことに驚きを示したという。
この地域では数日間、大雨が続いている。ヨルダンの首都アンマンの道路は一部冠水し、交通渋滞を引き起こしているほか、雹(ひょう)を伴う大きな嵐も各地で報告されている。
25日の水難事故は、死海付近で起きた鉄砲水としては今年2度目。
イスラエル南部ナハル・ザフィトでは4月、ハイキングをしていた10代の子供9人が鉄砲水に流され死亡した。
(英語記事 Jordan flash floods: School bus swept away near Dead Sea)