オススメ度:★★★☆☆
1986年12月10日にファミコン用ゲームとしてナムコから発売された野球ゲーム。
このソフトの大ヒットによりナムコは翌年からその年のペナントレースの結果を選手データに反映した最新版を毎年発売する事になる。
プロ野球ファミリースタジアム'87
プロ野球ファミリースタジアム'88
と発売して89年からは正式名称をファミスタとし、ファミスタ'89から'94まで9年間発売される。
その他にもニンテンドーDSやPCE、PSなど様々なゲーム機でも発売されている。
ファミスタが発売される前の野球ゲーム事情
1986年。Jリーグが発足する10年弱も前の時代である。
国民的スポーツといえば野球であり、子供達の憧れの職業1位はダントツでプロ野球選手。
お父さんは仕事から帰ると瓶ビールを呑みながらブラウン管テレビでナイターを見るというのが日本の家庭の日常となっているくらい大人も子供も野球が大好きだった。
そんな時代にファミコンソフトで野球ゲームと言えば任天堂から発売されていた「ベースボール」(1983年)が唯一のものだった。
このゲーム、フォークボールもデットボールも存在しなく守備も自動であった。
ベースボールはファミコン初期のゲームということもあり、チーム名は存在しなく当時のロムカセットの容量の制約により球場も狭くゲームシステム自体がコンパクトであった。
これでも野球好きの子供たちは喜んで遊んでいた。
彗星の如く現れたファミスタ
そんな時代の中、突如現れたのがこのファミスタである!
当時このゲームが発売された衝撃は言葉では表せないほどであった。
だってそれまで上記のベースボールしか無かったんだから!
それが実在の球団と選手名が実装され、打者には打率、長打力、走力が備わっており戦略が多彩になった。
投手もカーブ、シュート、フォーク、球速、体力が数値化された。
1チーム4人の投手がおり、先発やリリーフ、ストッパーなどの使い分けができる。
この細かい設定により、ピッチャーとバッターの白熱の勝負ができるようになる。
力でねじ伏せるか?駆け引きで裏を描くか?かなり熱い戦いがお茶の間で繰り広げられる事になった。
守備も自分で操作するようになり、上手い人だとゲッツーやファインプレイも出しやすく、下手な人はエラーを連発する。
盗塁、走塁に関しても牽制球などの駆け引きができて手に汗握る!
豊富な選手層
チームは全部で10球団!
贔屓のチームでペナントレース優勝を目指したり、友達との2P対戦を楽しもう!
ジャイアンツがモデルとなるGチーム。
文字数の制限で4文字までしか表記できない(濁音や半濁音も1文字と数える)
その為篠塚などは「しのすか」と表記されていたりするが基本的に実名である。
代打に王貞治がいるのが笑える。
恐らく肖像権などに甘かった昭和なのでお金を払わず出来ていたのだが、ファミスタ'87の発売後に「肖像権」に関してクレームがついた為、ファミスタ'88からは原辰徳→「はり」などと1文字違いの名前となっており、リアリティが低下している。
ナムコのオールスターで構成されるNチーム
選手がナムコの名作ゲームの中のキャラクターたちで構成されている。
基本的に10球団中最弱だが、個性豊かな選手たちで使っていて楽しいチームだ。
特に控えの「ぴの」の足の速さは反則級でバンドでも当てれば確実に1塁セーフになる快速。
塁にさえ出れば2盗、3盗は確実に決めることができる。
RチームとFチーム
当時はまだセ・リーグ全盛時代だったので、パ・リーグの扱いは少し可哀想だった。
セ・リーグは6球団全て揃っているが、パ・リーグは1986年~1988年まで日本シリーズ三連覇を成し遂げた西武ライオンズ以外は全てロムカセットの容量の都合上、合同チームとなっている。
鉄道関係である「阪急」「南海」「近鉄」は線路→RailでRチーム(レイルウェイズ)、食品関係の「日本ハム」「ロッテ」は食べ物→FoodでFチーム(フーズフーズ)となっている。
熱いVSモード!
なんと言ってもファミスタの花形モードは友達との対戦である!
当時、ファミっ子たちの間では猫も杓子もファミスタと言えるほど流行っていた。
学校が終わったら友達の家に集合して毎日のようにファミスタ対戦をして遊んでいた。
ただの遊びと侮るなかれ、それは現在のオンラインゲーム同様、負けると顔を真っ赤にするほど悔しかった。
泣きだす子供もいるくらいのプライドを賭けた戦いだった。
その為、小学生とはいえ勝つためには汚い手段をも使う者も多かった。
フォーク禁止反故
投手の変化球の中でもフォークボールはは特別に凶悪で中々打てなかった為、お互いに「フォークは使わない」という約束でゲームをプレイすることが多かった。
しかし重大な場面で約束を反故にし、フォークを投げ三振を奪うという"大切な何か"を捨ててまでファミコンで勝つ事を選ぶ小学生もいた。
インフィールドフライ
このゲームにはインフィールドフライの概念が無いためランナーが塁に出ている時などにピッチャーフライが上がったりするとわざとワンバンキャッチしてトリプルプレイを決めたりできる姑息な技である!
代打、リリーフ詐欺
ファミコンのコントローラーはⅠコンにしかタイムボタンが無いためⅡコンプレイヤーが投手交代をしたい時は相手に「タイム押して」と頼んで押してもらってからAボタンを押す。
この時Ⅰコンのプレイヤーがタイムボタンを2回連続押すと、2コンプレイヤーは間違ってタイム解除後にAボタンを押す事になり、真ん中に棒球を投げてしまうという卑怯なテクニックである!
究極の禁じ手!ホームラン逆ギレリセット
しかしあらゆるズル技の中でも極悪と言われたのが「ホームラン打たれたらキレてリセット」を押すという技だ!
そのあまりにも非スポーツマンシップな技の破壊力は、どちらかがその技を使うと同時にリアルで乱闘が確実に起こる程であった。
最後に
実は筆者はリアルでは野球をやらなかったので、そこまで野球が好きな訳ではありませんでした。
そんな筆者でもファミスタには夢中になって毎日の様に友達とプレイしてたくらい面白いソフトでした。
昭和の放課後にみんなで遊んだのは今でも楽かった思い出です。
その後パワプロなどの台頭に押され、コンシューマ機からは姿を消したファミスタですが、2018年8月2日にSWITCHにて新作が発売されます!
久々にファミスタで遊べるかと思うと嬉しくなりますね!
今度はネット対戦ができると思われますが、もうあの頃と違って大人になったのでホームラン打たれても「キレ落ち」などしてネットで殴り合いにならないようにしたいと思います(笑)
今回は「プロ野球ファミリースタジアム」の紹介でした。
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