東京から車で約２時間、関東平野にそびえる茨城県つくば市の筑波山。紅葉の時期には真っ赤なモミジに彩られ、夜には東京スカイツリーなど都心の夜景を一望できる。

２つの峰の標高は８７０メートル台と日本百名山の中では低め。「気軽に登れる山」として年々訪れる人が増えているということだが、消防によると、このところ登山客からの救助要請が増えているという。その理由とは。

つくば市消防本部北消防署・金子隆一救助隊長「軽装で来てしまって足元が悪い中、滑らせて転倒してケガをしてしまった。夜間、暗くなってしまったので登山道がよく見えない、ライトがあれば下りられたというケースもありました」

十分な服装や装備をせずに登ってしまい、ケガをしたり下山できなくなったりするケースがあるという。実際に登っていた人たちの中にはかかとのない靴をはいた人も。さらに――

登山客「きょうは軽い気持ちで来たのでいつもとあんまり変わらないような軽装で（筑波山に）登りに来ました」「普通に買い物行くときとかもはいているような靴なので」「ここはあんまり標高高くないから普通でも上がれる場所だからね」

本格的な装備は必要ないと言う人もいた。しかし、登山道の入り口には「軽装・無計画での登山はおやめください」との看板が。

今年に入って２５日までの筑波山での救助件数は３７件。そのうち８件はケガはしていないけれど下山できなくなった「遭難」。救助件数、遭難件数ともに既に去年１年間を上回っているという。標高８７０メートルほどの筑波山にはどんな危険があるのだろうか。ガイドの松田さんに案内してもらった。

ごつごつした岩や土の急斜面を全身を使って登っていく。表面が滑りやすい岩やぐらついている岩も。また、出っ張った木の根や丸太で足を滑らせる危険もあるという。

実際にどんな装備が必要なのだろうか。登山用品の専門店では――

Ｍｔ．石井スポーツ登山本店・佐々木康博店長「低山でも登山中、雨が降ってきてしまうことも。やはりレインウエアは必ず必要になってきます」

まず必要なのがレインウエア。雨が降っていなくても寒さや風を防ぐために役立つことが多いという。靴は、足をくじくのを防ぐために足首が隠れるものがよいという。また、日帰りの登山でも暗い場所で動く可能性があるため、ヘッドランプも準備する必要があるという。