赤ちゃんの病気・若年性黄色肉芽腫のこと

こんにちは、はるさきです。

先日、長男が6歳の誕生日を迎えました。

長男は、生後6ヶ月のころに若年性黄色肉芽腫という皮膚病を発症しています。

2歳の頃に「もう大丈夫」と言われ、「色素沈着が残っているけど、3歳から5歳くらいでキレイに消えますよ」といわれて、迎えた6歳の誕生日。

今もなお、長男の身体には数百の肉芽腫の痕が残っています。

長男を知る人も長男自身も、もはや気にしていない痕ですが、たまに「これ何?」と聞かれることがあるので、若年性黄色肉芽腫という病気について紹介してみたいと思います。

 

若年性黄色肉芽腫とは

 幼児期ときに出生時より頭部、顔面、頸部(けいぶ)に単発ないし数個、径2~3ミリメートルから約1.5センチメートル大までの黄色調を呈する表面平滑な半球状に隆起した軟らかい丘疹(きゅうしん)ないし結節を生じ、5~6歳までに自然に消褪(しょうたい)するが、皮疹(ひしん)部に「ちりめんじわ」様の皮膚の「たるみ」や萎縮(いしゅく)を残すこともある。通常、皮膚以外の全身性病変を伴うことはないが、ときに目、肺、精巣の病変を伴ったり肝機能の異常をみることもある。レックリングハウゼンRecklinghausen母斑(ぼはん)(ミルクコーヒー斑)を合併することが少なくないので、いちおうその他のレックリングハウゼン病変の有無を調べる必要がある。(中略)治療および経過については、自然に消褪することを患者の母親によく説明し、経過を観察しながら自然退縮をまつ

黄色肉芽腫(おうしょくにくがしゅ)とは - コトバンク

長男の場合、生後6ヶ月のころに突然まぶたに赤褐色の肉芽腫ができ、その後、耳→あご→首→全身へとできていった感じです。数は数百個、本当に数え切れないほどの褐色に隆起したぶつぶつが全身にできました。

小児科では診断がつかず、近隣の皮膚科もすべてまわり、6件目の病院ではじめて若年性黄色肉芽腫の診断を受けることができました。

0歳児のマイナーな皮膚疾患ということもあって、乳児湿疹やその他の皮膚疾患と間違われることが多かったです。病名がわかるまでに様々なお薬を処方され、「これを塗って様子を見てください」と言われ続け、病名がわかるまでに2ヶ月かかりました。

原因不明で、治療法もない病気です。

 

病院での診断と経過観察

若年性黄色肉芽腫だろうとの診断を受けてから、この病気には治療法がなく、自然に治るのを待つしかないという説明を受けました。

赤ちゃんの頃に発症することが多く、5歳頃までに自然に治る病気。

ただ、基本的には良性腫瘍なんだけれど、まれに目や肺に影響がでることがあって、その場合は治療が必要。

診断を確定させるためにも検査をしましょう、ということで、紹介状をもらって大学病院で検査をしてもらうことになりました。

一番症状の酷かった顔の肉芽腫を一部採取し検体検査を行なうのですが、激しい痛みを伴う検査で、カーテンの向こうで当時0歳だった長男が火がついたように激しく泣き叫んでいた記憶があります。

 

検査の結果、良性の肉芽腫であることが確認され、その後は定期的に大学病院に通って経過観察することになりました。でも、治療法があるわけでもなく、薬の処方があるわけでもない。文字通り、お医者さんに観察してもらい、症例の写真を提供するためだけに通っていた感じだったので、アトピー性皮膚炎の症状がでてきたことをきっかけに、最初に診断して頂いた個人医院で診てもらうようになりました。

ちなみに、3人子供がいますが、長男だけがアトピー体質です。

色素沈着自体はシミのようなものなので、普段は食事でビタミンCの摂取を心がけ、保湿剤で肌のコンディションを整え、日焼けに気をつける程度で、ふつうの生活を送っています。

 

若年性黄色肉芽腫 発症から5年経過した姿

今回改めて気付いたけど、生後半年から2歳の頃の長男の写真がめちゃくちゃ少なかったです(´・ω・`) ボコボコした写真は撮っても消しちゃったんだろうな… 

イメージとしては、『火の鳥』の黎明編にでてくる猿田彦のぶつぶつがまぶたやあごを中心に全身にある感じ。赤褐色だったり、黄褐色だったり、ちょっと今見てもしのびないので、発症中の画像は伏せておこうと思います。

 

肉芽腫は手足の先とふくらはぎ以外の、ほぼ全身にできていて、大きな肉芽腫ができた箇所ほど、色素沈着の痕も濃く残っているように感じます。

 

6歳になった背中。

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色素沈着は次第に薄くなってきているものの、6歳の今も全身に残っています。

ちなみに、熱を出したり体調を崩すと、色が赤黒く濃くなるので、体調悪いとすぐわかります。

 

若年性黄色肉芽腫を発症して

5年前、小さな長男をだっこしていると、「どうしたの?」と聞かれることが多かったです。

はじめて会う人に、「ちゃんと顔洗ってあげてる?」とか「何食べさせてるの?」と言われたこともありました。

他意のない、何気ない言葉に敏感になって、母乳で育てていたけれど、自分の母乳のせいで発症したんじゃないかと悩んで、ミルクに切り替えたこともありました。

肉芽腫の中に脂肪滴が含まれると聞いて、妊娠中にチョコレート食べてたことを思い出したり。妊娠中にしたことや授乳中にしたことをあれこれ思い返して、罪悪感を感じてました…

 

当時は、善意のアドバイスが辛くて、子育て支援センターにも行かず引きこもっていた気がします。 ベテランの先生や先輩ママが相談にのってくれようとするのが、つらかったです。

ふだん何食べてるの?

野菜食べさせてる?

おやつは何あげてるの?

何気ない会話なのかもしれないけど、苦しかったなぁ。

今思うと、なんであんなに思い詰めていたんだろうと思うけど…( ´ ` )

これは完全に私の妄想なんですが、病気がうつりそう、と思われそうで、やっぱり子育て支援センターやプールとか、人の集まる施設には行きづらかったです。

それでも、幼稚園には長女の送迎で通っていたので、完全な引きこもりにならずに済みました。幼稚園児の「うわ〜、このブツブツ何〜?」みたいな質問にも、長男自身はいつもニコニコしていた気がします。

 

最後に

若年性黄色肉芽腫は、治る病気です。

お医者さんには「もう治ってるね」と言われています。

病気のことを話すと「男の子でよかったよね」といわれることもあります。

贅沢な悩みなのかもしれないけど、思春期に入る前に、この病気の痕が完全に消えてほしいと、いつも思っています。

 

もしかしたら、長男のような子を見かけることもあるかもしれませんが、原因不明で治療法のないこんな病気もあるんだよ、ということで、理解が広まってくれたら嬉しいです。

そして、同じような病気のお子さんをもつお母さんが、妊娠中や授乳中、育児中の自分の行動に対して、必要以上に罪悪感を感じたり、自分を責めたりすることがありませんように…と願っています。