■プロスカーとは、なにもの?!
アメリカの製薬会社であるメルク社が製造販売しているプロスカー。日本未発売のプロスカーという薬を、AGA治療のために飲んでいる人がいるという話、聞いたことはありませんか?日本では認可されていないので、正規のルートでは購入することができないため、日本国内で使用している人は、個人輸入で入手している場合がほとんどです。しかもプロスカーは、本来AGA治療薬ではないのです。なんのための薬かというと、前立腺肥大症の治療薬です。
・どのような薬??
プロスカーには、5αリダクターゼ2型のはたらきを阻害するフィナステリドが含まれています。この5αリダクターゼ2型が男性ホルモンであるテストステロンと結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性器や前立腺の成長に関わる男性ホルモンがつくり出されるのですが、この産出が過剰になると、前立腺を肥大させてしまう原因になるのです。ですから、フィナステリドで5αリダクターゼ2型のはたらきを抑制し、DHTの生成量を減らすことが、前立腺肥大症の治療につながるのです。
・なぜAGAに効果があるの??
プロスカーを服用する前立腺肥大患者に、薄毛改善効果が見られる人が多く出たことから、これは育毛剤にも使えるのでは?とAGA治療薬としての研究が始まりました。プロスカーには、フィナステリドが1錠に5.0mg含まれています。前立腺肥大治療にはこのくらいの量が必要なのですが、AGAの改善のためには多すぎ。このままの量を前立腺に異常がない人に服用させると、副作用が心配になります。そこで、0.2mgと1.0mg配合タイプのプロペシアが開発されたというわけです。プロスカーは、世界で初めてのAGA治療薬として認可されたプロペシアの、いわば産みの親だったのです。
・プロスカーを飲む理由
AGAの治療向けのフィナステリド剤には、厚生労働省お墨付きのプロペシアがあるのに、どうしてわざわざプロスカーを飲む人がいるのでしょうか?しかも、個人輸入という危険を冒してまで。その理由は、やはり経済的な理由が大きいようです。プロペシアは医療用医薬品のため、医師の処方箋がないと入手できないので、どうしても一般病院の薄毛外来やAGA専門のクリニックで診察を受けなければなりません。そしてAGA治療はすべて自費治療となるので、医療機関でプロペシアを処方してもらうのに、平均して1ヶ月に10,000~20,000円ほどかかります。さらにこれに初診料や検査費がかかりますから、かなりの出費を覚悟しなくてはなりません。ところがプロスカーは、28錠入りがなんと2,000~4,000円ほどで入手できてしまうのです(為替変動アリ。生産国によって値段がマチマチ)。しかも1錠5mgですから、5等分して飲むことを考えると、5ヶ月弱分でこの値段!AGA治療にコストパフォーマンスを追い求める人にとっては、個人輸入のリスクを後回しにしてまで使用してしまうのも、ムリはないのかも知れません。
しかし、0.2mgや1.0mg配合のプロペシアでも、胃部不快感、肝機能障害、かゆみや炎症などの皮膚症状、精力減退やEDといった性機能に関する症状などの副作用が報告されている事例もありますので、5.0mg配合のプロスカーを飲んで少しでも副作用の症状が出れば、使用を控えましょう。