2014年に、1000円以下で買える国産ウイスキーを比較する記事を書きましたが、その後一部の商品が値上げされて1000円を超えたり、販売終了したこともあり、改めて比較してみたいと思います。
2010年に発売されたボトルで、従来のトリスに比べてアルコール度数を40度に引き上げたものになっています。
香りはわずかにレーズン、カラメル、樽の香りがするくらいで、味もカラメルで付けたかのような甘さがする程度です。
ストレートやロックで飲むような代物ではなく、ハイボールやカクテルベースにするのがせいぜいです。
全体的に、従来のブラック、スクエアと大差は無く、度数を上げた意味もわかりません。
2015年にリリースされたボトルで、エクストラ以前と同じアルコール度数が37度で、値段もエクストラよりも格安になっています。
エクストラと比べると、ストレートでもアルコールの刺激は少なめで、若干青リンゴやピートの香りも加わっていて、ウイスキーらしさを感じられるようになっています。
後述するサントリーレッドと比べても 、お金がないときに少しでもウイスキーらしさを実感したいと思うなら、サントリーの中でも一番の出来だと思います。
1964年に発売され、当時ニッカで売られていたハイニッカに対抗すべく登場したボトルです。
当時から、トリスよりもワンランク上のウイスキーという位置づけではありましたが、近年ではトリスの陰に隠れるようになりました。
ストレートでは若い原酒の性格が表に出て、アルコールの刺激が強く出ます。
香りもカラメルやウッディさが若干出る程度、味わいもカラメルで味付けしたような甘さくらいしかありません。
トリスクラシックの登場により、ますますその存在意義は薄くなり、せいぜい大学時代に仲間と飲んだときの思い出に浸るくらいしかありません。
1997年にノンピートモルトを使用したクリアブレンドとしてリリース、2011年にクリアと改められたこのボトルは、コンビニでも手に入るニッカ定番のウイスキーとなっています。
ストレートでのアルコールの刺激は強いですが、香りとしては樽からのウッディさ、レーズンや青リンゴもそこそこ感じられます。加水することでナシ、バニラ、ナッツの香りも立ち上がります。
味わいも、単にカラメル由来の甘さだけでなく、酸味も感じられ、低価格ながらもウイスキーらしさを得られるものになっています。
1000円オーバーのボトルに比べれば明らかに力不足ですが、トリスクラシックとはほぼ互角の位置にあります。
2016年にリニューアルされたボトルで、ブレンドが改められました。
従来品では、ストレートこそそこそこの香り、味わいがあったものの、加水するとそれらが消える致命的なものでしたが、リニューアルによってロックやトゥワイスアップでも香りを残せるものへと進化しています。
実際の香りは、ストレートではナッツ、カラメル、バニラがほのかに、 ロックにするとエステリーさが出てきます。
味わいはストレートでアルコール由来の辛さのあとに甘味。加水すると酸味が現れます。
従来品よりもワンレベルアップした印象ですが、トリスクラシックやブラックニッカクリアには一方及ばず、サントリーレッドやトリスエクストラよりは上、という印象です。
焼酎や日本酒で有名な合同酒精が販売するボトルです。
同社はイオンにトップバリュブランドのウイスキーをOEM供給していることでも有名です。
ストレートではアルコールからの刺激が強く、樽からのウッディさ、カラメルの香りはわずか。
味わいもアルコールからの辛さのほかにカラメルで味付けたような香りがほんのりする程度です。
ロックにしてもナシや青リンゴのような香りもわずかに立ち上がってくるかどうかで、ウイスキーなのか熟成焼酎なのかわからないほど、味もカラメルのような甘さがわずかに来る程度です。
正直、ウイスキーというレベルにはなく、もっと安く買える熟成焼酎の方がましです。
節約したくても、これは本当に安物買いの銭失いです。
兵庫県明石市にある江井ヶ嶋酒造が販売する、ホワイトオークあかしの一番下のクラスになります。
いわゆる地ウイスキーの一つですが、最近ではスーパー、コンビニでも置かれるようになりました。
ストレートでもアルコールの刺激が強くなく、香りはラムレーズン、トースト、カカオと続き、味わいは酸味と甘さが交互にやってきます。
ロックではエステリーなものが立ち上がり、味わいもビターな感覚が強めになります。
700mL換算すれば1000円オーバーになるわけで、他のボトルに比べれば一つぬきんでたものになっています。
かつてはメルシャンが発売していたボトルで、キリンがメルシャンを吸収合併したのち、2016年に御殿場蒸溜所のモルトベースへ改められて発売されました。
それまでリリースされていたボストンクラブに代わって登場しました。
香りは、ストレートでバニラ、ウエハース、ナシ、マスカットが訪れ、加水するとバーボンのようなエステリーさや柿が現れてきます。
味わいはストレートでアルコール由来の辛さがあるものの、その後は甘く、加水することで酸味が加わります。
こちらも700mL換算をすれば1000円オーバーになりますが、香りも味わいもワンランク上で、コストパフォーマンスに優れたウイスキーと言えます。
その間に於いて、「マッサン」をきっかけとした本物のジャパニーズウイスキーを求める声もあり、反面急激な消費拡大による熟成原酒の不足で、値上げ、販売終了という痛手も負っていて、それらが反映された結果と言えるでしょう。
全体としては、ホワイトオークあかし レッドが格段に上のレベルにありますが、入手のしやすさを考えるとオークマスター 樽薫るが現実的になるかも知れません。
もしその両方が入手できないとなれば、次の選択肢としてブラックニッカクリアとトリスクラシックになるでしょう。
それ以外については、買うに値しません。
1.サントリー トリスエクストラ
(700mL、40度、950円)香りはわずかにレーズン、カラメル、樽の香りがするくらいで、味もカラメルで付けたかのような甘さがする程度です。
ストレートやロックで飲むような代物ではなく、ハイボールやカクテルベースにするのがせいぜいです。
全体的に、従来のブラック、スクエアと大差は無く、度数を上げた意味もわかりません。
<個人的評価>
- 香り E
- 味わい D
- 総評 D
2.サントリー トリスクラシック
(700mL、37度、780円)エクストラと比べると、ストレートでもアルコールの刺激は少なめで、若干青リンゴやピートの香りも加わっていて、ウイスキーらしさを感じられるようになっています。
後述するサントリーレッドと比べても 、お金がないときに少しでもウイスキーらしさを実感したいと思うなら、サントリーの中でも一番の出来だと思います。
<個人的評価>
- 香り D
- 味わい D
- 総評 C
3.サントリー ウイスキーレッド
(640mL、39度、780円)当時から、トリスよりもワンランク上のウイスキーという位置づけではありましたが、近年ではトリスの陰に隠れるようになりました。
ストレートでは若い原酒の性格が表に出て、アルコールの刺激が強く出ます。
香りもカラメルやウッディさが若干出る程度、味わいもカラメルで味付けしたような甘さくらいしかありません。
トリスクラシックの登場により、ますますその存在意義は薄くなり、せいぜい大学時代に仲間と飲んだときの思い出に浸るくらいしかありません。
<個人的評価>
- 香り E
- 味わい E
- 総評 E
4.ニッカ ブラックニッカクリア
(640mL、37度、700円)ストレートでのアルコールの刺激は強いですが、香りとしては樽からのウッディさ、レーズンや青リンゴもそこそこ感じられます。加水することでナシ、バニラ、ナッツの香りも立ち上がります。
味わいも、単にカラメル由来の甘さだけでなく、酸味も感じられ、低価格ながらもウイスキーらしさを得られるものになっています。
1000円オーバーのボトルに比べれば明らかに力不足ですが、トリスクラシックとはほぼ互角の位置にあります。
<個人的評価>
- 香り C
- 味わい C
- 総評 C
5.宝酒造 キングウイスキー凛セレクト
(720mL、37度、700円)従来品では、ストレートこそそこそこの香り、味わいがあったものの、加水するとそれらが消える致命的なものでしたが、リニューアルによってロックやトゥワイスアップでも香りを残せるものへと進化しています。
実際の香りは、ストレートではナッツ、カラメル、バニラがほのかに、 ロックにするとエステリーさが出てきます。
味わいはストレートでアルコール由来の辛さのあとに甘味。加水すると酸味が現れます。
従来品よりもワンレベルアップした印象ですが、トリスクラシックやブラックニッカクリアには一方及ばず、サントリーレッドやトリスエクストラよりは上、という印象です。
<個人的評価>
- 香り C
- 味わい D
- 総評 D
6.合同酒精 香薫
(600mL、37度、600円)同社はイオンにトップバリュブランドのウイスキーをOEM供給していることでも有名です。
ストレートではアルコールからの刺激が強く、樽からのウッディさ、カラメルの香りはわずか。
味わいもアルコールからの辛さのほかにカラメルで味付けたような香りがほんのりする程度です。
ロックにしてもナシや青リンゴのような香りもわずかに立ち上がってくるかどうかで、ウイスキーなのか熟成焼酎なのかわからないほど、味もカラメルのような甘さがわずかに来る程度です。
正直、ウイスキーというレベルにはなく、もっと安く買える熟成焼酎の方がましです。
節約したくても、これは本当に安物買いの銭失いです。
<個人的評価>
- 香り F
- 味わい F
- 総評 F
7.江井ヶ嶋酒造 ホワイトオークあかし レッド
(500mL、40度、800円)いわゆる地ウイスキーの一つですが、最近ではスーパー、コンビニでも置かれるようになりました。
ストレートでもアルコールの刺激が強くなく、香りはラムレーズン、トースト、カカオと続き、味わいは酸味と甘さが交互にやってきます。
ロックではエステリーなものが立ち上がり、味わいもビターな感覚が強めになります。
700mL換算すれば1000円オーバーになるわけで、他のボトルに比べれば一つぬきんでたものになっています。
<個人的評価>
- 香り B
- 味わい B
- 総評 A
8.キリン オークマスター 樽薫る
(640mL、40度、960円)それまでリリースされていたボストンクラブに代わって登場しました。
香りは、ストレートでバニラ、ウエハース、ナシ、マスカットが訪れ、加水するとバーボンのようなエステリーさや柿が現れてきます。
味わいはストレートでアルコール由来の辛さがあるものの、その後は甘く、加水することで酸味が加わります。
こちらも700mL換算をすれば1000円オーバーになりますが、香りも味わいもワンランク上で、コストパフォーマンスに優れたウイスキーと言えます。
<個人的評価>
- 香り B
- 味わい B
- 総評 B
まとめ
3年前に比べると、1000円以下で選べられるラインナップは少なくなってしまいましたが、低価格でも香りや味で最低限のウイスキーらしさを出すものも出てきて、平均的なレベルは上がっているように思えます。その間に於いて、「マッサン」をきっかけとした本物のジャパニーズウイスキーを求める声もあり、反面急激な消費拡大による熟成原酒の不足で、値上げ、販売終了という痛手も負っていて、それらが反映された結果と言えるでしょう。
全体としては、ホワイトオークあかし レッドが格段に上のレベルにありますが、入手のしやすさを考えるとオークマスター 樽薫るが現実的になるかも知れません。
もしその両方が入手できないとなれば、次の選択肢としてブラックニッカクリアとトリスクラシックになるでしょう。
それ以外については、買うに値しません。
江井ヶ嶋 ホワイトオーク あかし レッド 500ml |
キリン オークマスター 樽薫る 640ml【ご注文は1ケース(12本)まで1個口配送可能です】 |