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【引退表明】‟不死鳥„市田「大変幸せでした」

選手に囲まれ花束を手にする市田佳寿浩(中央)

 

 競輪のGⅠレーサー市田佳寿浩(43=福井)が23日、引退を発表した。10年の寛仁親王牌を制し、人気のスター選手だったが度重なるケガに泣いた。
 奈良競輪場。きょう24日行われる近畿地区プロ自転車競技大会に備え、選手が集まっていた。市田は仲間に囲まれて会見に臨んだ。「約23年間、皆さんと一緒に走れたことに感謝いたします。大変幸せでした」。懸命に感情を抑えようとしたが涙がこぼれた。

 

 10年7月寛仁親王牌で悲願の初GⅠ優勝。さあ、タイトル量産というところで落車事故が続いた。13年3月のいわき平記念で落車し骨盤骨折。17年3月の高松GⅡでは落車で大腿骨頭粉砕骨折。今年7月には約22年守ったS級からA級へと陥落し、9月の和歌山FⅡ2日目に落車して以降、欠場していた。

 

 引退を決めたのは今月12日。思い出に残るレースは兄貴分の村上義弘と別線で戦った10、11年福井記念決勝(市田連覇)。「村上さんと決勝でモガキ合った感触は今でも鮮明です」。ケガと復帰を繰り返し「不死鳥」と呼ばれた男。戦績以上に強烈な印象を残し、バンクを去る。

 

 ♤市田 佳寿浩(いちだ・かずひろ)1975年(昭50)7月28日生まれ、福井県春江町(現坂井市)出身の43歳。日本競輪学校76回生、在校成績1位。95年8月松阪でプロデビュー。主な優勝はGⅠ1回(10年寛仁親王牌)、GⅡ2回(06年サマーナイトフェスティバル、10年西王座戦)、GⅢは14回。通算1679戦451勝。通算取得賞金は8億3238万852円。1㍍75、80㌔。血液型A。

 


「ホッとした気持ちも」と村上義弘(写真)

 

 ▼村上義弘(市田の兄貴分的な存在)市田君とはライバルであり、負けたくない一心で、真剣勝負をしました。僕にとっても幸せでした。ただ僕自身の気持ちは、市田君がケガで苦しんでいる姿を見ていたので正直ホッとしました。今度はお酒でも飲みながら、思い出話をしましょう。 
 ▼吉岡稔真氏(本紙評論家)市田君とは現役の時に何度も対戦し、苦手な選手でした。これからは大きなケガを何度も乗り越えてきたことを第二の人生に生かして、頑張ってほしい。お疲れさまでした。