クロイツと勇者候補選抜御前試合 その一 ~空飛べば 波に乗るなり クロリアさん~
私は次の獲物を探すべくマップで周辺を検索した。しかしオークキング級の獲物はいなかった。
検索範囲を広げるとツガラシ連峰を越えた北西24km先にオーガの集落があり、そこにオークキングがいた。
今からではとてもじゃないが行ける距離ではない。というか標高1240mのツガラシ連峰を越えていくことに無理がある。
あれ、もしかして私の
まあ、サラディアンの町から40km先じゃ拠点移さないと時間がいくらあっても足りないわ。しばらくティアのスキルとレベル上げは中止ね。
「じゃあ今日は帰りましょうか?」
「もう少しレベルあげたいです」
ティアは上目使いでおねだりをするが、今後の計画を伝えると残念そうな顔をしながらも納得してくれた。
私はティアを抱えると町に向かって走り出した。ティアは怖いのか私にしっかりしがみつく。幼女あったけぇ~!
いや待って、私は幼女性愛者じゃないわよ。ただ暖かいから暖かいといったまでです。うむ真実を伝えることは未来に住む人たちの糧となる。
しかしあと2年か、田舎と都心では成人年齢が違う。田舎では人手不足から13歳で成人なのだ。つまりティアも田舎に住んでいればすでに成人で私の嫁だった。
いや、まって。田舎に住めば2年待たなくてもこの体を味わうことができる。私は天才か。
そうだ、そうしよう。アリエルに相談しよう、そうしよう。
ただいま、いつもの正座タイムです。
「クロリア様は本当にバカですね」
「すみません」
アリエルの説明では13歳で成人と認められるのは昔から村に住むものたちだけで都心からの移住者や放浪民が村に住んだからと言って急に成人とは認められないのだそうだ。
ちくしょう。
「ちゃんと2年待ってくださいね」
「はい、すみません」
「よろしい。ではクロリア様これの試し乗りをしてください」
そう言うとアリエルは一枚の細長い板を取り出し私に渡す。
「これは?」
「フローティングボードです。この後ろのスイッチで搭乗者のMPを吸い上げて推進力にして飛ぶことができるのでハコブネの物より速いです」
私は渡された
「ちょっとバランスが悪いかもしれないわね」
「そうなんですよね、安定させるための部品を取り付けると大型化してしまうのでどうしてもある程度のバランスは犠牲になってしまうのですよ」
「まあ、このくらいなら問題ないわよ」
「そうですか? ではそのまま進んでもらえますか」
アリエルの指示にしたがい足元のスイッチを押すと緩やかに前進した。
「おおおお」
皆が驚きの声をあげるが、歩くより少し速い程度の速度である。
「アリエルもう少し速く移動できない?」
「それなら意識してMPを流し込めば速くなりますよ。今は通常モードですから」
「じゃあ外で試した方がいいわね」
私は開いた窓から外へ浮き板ごと飛び出した。
「あ!」
と言うアリエルの叫びと共に私は地面に落ちた。
「痛たた」
アリエルが窓からとびだし私を呆れ顔で見る。
「クロリア様、そんなに高く飛べないの分かりませんでした?」
「すみません、油断しました」
私はお尻の埃を払うと落ちた
「壊れてる……。」
「良いですよ予備はありますから」
そういうともう一枚の
ティアもディオナも階段から降りてきて私を心配するがまあ、頑丈なので怪我はしませんよ。だが二人の美女に心配されて少し痛い振りをするとアリエルが腰をパシリと叩いてきた。その目はお怒りのようです。こえぇぇぇ。
私はその目から逃げるように
「ふええぇ」
「だ、大丈夫ですか!?」
「扱いづらい……」
「クロリア様は魔力量が多すぎるのを失念してました」
当然、激突した衝撃で
「今日はこのくらいにしときましょうか?」
「おかわり! もう一枚!」
このままやめたら女が廃る。天才クロリア様の名が泣くのよ。
私はもう一枚の予備を取り出したアリエルから
「障害物がなければ良いのよ」
私一人なら
空中で
先ほどと同じようにMPを
私は空中でアクロバットをして空の遊びを楽しんだ。
「ヤバイこれ癖になる」
地上では町の人々が私を指差して驚いていた。
その時一匹の怪鳥が私めがけ襲ってきた。当然私の方がスピードが速いのでなんなく交わすが執拗に追いかけてくる。
「煩わしいわね」
私はせっかくの空の遊びを邪魔されて不快になった。とは言え剣で殺しても芸がない。私は
私は再度
怪鳥の大きさは10m程だろうか殴り倒せるかもしれないけど。ちょっと試してみるか。
私は魔法剣を足元に発動した。通常はそんなことはできない。だが今この
”風刃剣・
その瞬間、
落ちた怪鳥の周りに人が集まりだし人々の喜ぶ声が聞こえる。なんでそこまで喜ぶのか不思議に思った私は下に降りると人々が拍手喝采で私を迎えた。
「さすがクロリアさんだ! こいつは怪鳥グロンギと言って家畜や人を襲って困っていたんですよ」
冒険者ギルドやバウンティギルドの連中まで飛んできて素材を売ってくれと言うので半々で分けるように言ってお金は後で宿に持ってくるように伝えた。
良いことをした後は気分がいい。いやただムカついたから殺したんだけど。まあ、win-winよね。
「なにしたんですかクロリア様」
アリエル達三人も後から来て殺された怪鳥を見て驚いている。
「その鳥が邪魔だから殺した」
「いいえ、そうではなく見ていたら
おお、さすがアリエルさんお目が高い。あれを魔法剣と見破りましたか。
「そうです、あれが私の魔法剣・
「なんで足から魔法が……。」
なにか勘違いをしているようなので、私はアリエルに種明かしをした。その際に念糸に剣を持たせその剣に魔法剣を撃たせて見せた。これができるならあれもできる。道理だ。
「規格外ですね」
「すごいです」
「これでケダモノじゃなければ……。」
一人変なことを言ってる娘がいるけど皆私の技に大絶賛だ。良いよ良いよ、ハーレムはこうでなくちゃね?
「取り合えず
私はそう言うと地上で
怪鳥を見ていた人たちはそれを見てたまたヤンヤヤンヤと拍手喝采だ。
大技を決めて着地し観客に向かいお辞儀をすると小銭が私に向かい投げ込まれた。もちろんいただきますよ。有難うございますこれもハーレムの運営資金になります。
そして、なぜかそのまま祭りになって素材を取られた怪鳥の残りは皆で食べることになった。鍋やら、串焼きやら、関係の無い野菜や酒等が持ち込まれ飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。
聞くとかなりあの怪鳥に苦しめられていたそうで、もう怯えて暮らさなくて住むと言う。抑圧された人は開放されただけで幸福を味わう。ヤクザや怪鳥から解放された今この街の人たちは怖いものはないのだ。
「すごいですね」
そう言ったのはエマだった。
「まあ、こんな奴は私にかかれば小指で十分よ。まあ実際は小指も動かしてないけどね」とドヤ顔で言って見せたが、あの光景を見ていなかったエマはなに言ってんだこいつと言う表情で私を見る。
トホホ、信じてもらえないなんてお姉さん悲しいですよ。ならばその体に思い知らせてあげましょうか?性的な意味で。
その瞬間アリエルが私の脇腹にパンチを入れる。ぐふっ。
「な、なんで!?」
「今不埒なこと考えましたよね? ダメですよエマさんは」
「わ、わかってるわよ。冗談よ冗談」
「やっぱり思ってたんですね。今夜は朝までお仕置きですね」
アリエルは含みのある笑顔で私に微笑む。焚き火の明かりで顔に影ができて怖さを増した。
「ふえぇぇ」
うちの嫁こわいよぉ。
飯島竜人は異世界に転生し、リュート=マクレーンとなった。 転生先の肉体の最適職業は村人で、家も普通の農家で普通に貧乏だった。 ゴブリンやらドラゴンやらが闊歩する//
とある世界に魔法戦闘を極め、『賢者』とまで呼ばれた者がいた。 彼は最強の戦術を求め、世界に存在するあらゆる魔法、戦術を研究し尽くした。 そうして導き出された//
●KADOKAWA/エンターブレイン様より書籍化されました。 【一巻 2017/10/30 発売中!】 【二巻 2018/03/05 発売中!】 【三巻 //
◆◇3巻 5月15日より好評発売中です◇◆ 通り魔から幼馴染の妹をかばうために刺され死んでしまった主人公、椎名和也はカイン・フォン・シルフォードという貴族の三男//
空気モブとして生きてきた高校生――三森灯河。 修学旅行中に灯河はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。 召喚した女神によると最高ランクのS級や//
駆け出し冒険者の頃に片足を失い、故郷のド田舎に引っ込んで、薬草を集めたり魔獣や野獣を退治したり、畑仕事を手伝ったり、冒険者だか便利屋だか分からないような生活を//
4/28 Mノベルス様から書籍化されました。コミカライズも決定! 中年冒険者ユーヤは努力家だが才能がなく、報われない日々を送っていた。 ある日、彼は社畜だった前//
\コミカライズ決定!/※書籍版1、2巻発売中※ 【8章スタート!】ちらりとでも読みにきてー(´・ω・`)ノシ 至高の恩恵(ギフト)を授かり、勇者となった男が//
※ヤングエースアップ様にてコミカライズがスタート。無料で掲載されています ――世界そのものを回復《ヒール》してやり直す。 回復術士は一人では戦えない。そんな常識//
異世界へと召喚され世界を平和に導いた勇者「ソータ=コノエ」当時中学三年生。 だが魔王を討伐した瞬間彼は送還魔法をかけられ、何もわからず地球へと戻されてしまった//
平凡な若手商社員である一宮信吾二十五歳は、明日も仕事だと思いながらベッドに入る。だが、目が覚めるとそこは自宅マンションの寝室ではなくて……。僻地に領地を持つ貧乏//
魔王を倒し、世界を救えと勇者として召喚され、必死に救った主人公、宇景海人。 彼は魔王を倒し、世界を救ったが、仲間と信じていたモノたちにことごとく裏切られ、剣に貫//
※タイトルが変更になります。 「とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について」→「とんでもスキルで異世界放浪メシ」 異世界召喚に巻き込まれた俺、向//
放課後の学校に残っていた人がまとめて異世界に転移することになった。 呼び出されたのは王宮で、魔王を倒してほしいと言われる。転移の際に1人1つギフトを貰い勇者//
【書籍化決定11月5日発売です!】amazonにて予約購入できます! 平凡なモブを演じる少年。だが真の実力は――最強。 そんな『陰の実力者』に憧れた少年//
★オーバーラップノベルス様より、書籍1、2巻が発売中です★ 15歳の誕生日に神から1つ魔法が授けられる。 授かった魔法は変えられず、人々は生涯それを使い続//
◆カドカワBOOKSより、書籍版14巻+EX巻、コミカライズ版7+EX巻発売中! アニメBDは6巻まで発売中。 【【【アニメ版の感想は活動報告の方にお願いします//
おっさん冒険者ケインは、いつもの薬草採取の途中で幸運にも、超レアアイテム『蘇生の実』を手に入れる。 一度は売って金に変えようと思ったケインだったが、仲間の命//
クラスごと異世界に召喚され、他のクラスメイトがチートなスペックと“天職”を有する中、一人平凡を地で行く主人公南雲ハジメ。彼の“天職”は“錬成師”、言い換えればた//
記憶を無くした主人公が召喚術を駆使し、成り上がっていく異世界転生物語。主人公は名前をケルヴィンと変えて転生し、コツコツとレベルを上げ、スキルを会得し配下を増や//
俺、一之丞は就職100連敗、さらに記録更新中の無職だった。 面接に向かう途中、トラック事故に巻き込まれ、あえなく死亡。 そして、女神から常人よりも400倍//
救世の旅に同行を続けるルーギス。 その中で彼の役割は、雑用や夜番。 女達からは疎まれ、冷たい視線を与えられる日々。 だが幼馴染のアリュエノの存在だけが、彼をパ//
唐突に現れた神様を名乗る幼女に告げられた一言。 「功刀 蓮弥さん、貴方はお亡くなりになりました!。」 これは、どうも前の人生はきっちり大往生したらしい主人公が、//
ゲームだと思っていたら異世界に飛び込んでしまった男の物語。迷宮のあるゲーム的な世界でチートな設定を使ってがんばります。そこは、身分差があり、奴隷もいる社会。とな//
【地図化(マッピング)】——。 15歳になったノートが贈与の儀で与えられたのは【世界地図(ワールドマップ)】や【地図(エリアマップ)】の下位互換とされて//
柊誠一は、不細工・気持ち悪い・汚い・臭い・デブといった、罵倒する言葉が次々と浮かんでくるほどの容姿の持ち主だった。そんな誠一が何時も通りに学校で虐められ、何とか//
勇者の加護を持つ少女と魔王が戦うファンタジー世界。その世界で、初期レベルだけが高い『導き手』の加護を持つレッドは、妹である勇者の初期パーティーとして戦ってきた//
12月1日、2巻発売 1巻も発売中です 職を失った貧乏貴族の三男、ノルは途方にくれていた。冒険者になるべきかと悩んでいたところ、ノルに幸運が訪れる。 誰一人と//
※漫画版もあります! コミック アース・スター( http://comic-earthstar.jp/detail/sokushicheat/ )さんで連載中!//
2018/8/19タイトルを元に戻しました。 「暗黒騎士物語 ~勇者を倒すために魔王に召喚されました~」 →「暗黒騎士物語」 ※幼馴染が敵側にいるので、一応、//
宿屋の倅であり、将来自分も宿屋になるのだと夢見ているロックは二つの不幸に見舞われる。 一つは好きだった幼馴染と大事な義妹が勇者に惚れて村から出て行ってしまった//