地方を滅ぼす「成功者への妬み」のひどい構造

「3つのネチネチ」で成功者はつぶされていく

活性化できない地域には必ず問題がある。成功者を妬んで潰す「3つの仕組み」とは何か(写真:うげい/PIXTA)

今回は地方に巣喰う、複雑な「妬み」の問題について考えてみたいと思います。

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地域活性化に資する事業において、すばらしい成果や業績をあげた人の共通点は「地元から離れれば離れるほど、その評価が全体的に高くなる」傾向にあります。一方で、肝心の地元では、たとえ大きな成果をあげたとしても、そうした事業は「賛否両論」になることが一般的です。普通なら「成功に続け!」となるはずなのに、その成果を讃えつつ、困難な事業に挑戦する者を育てる、という話にはなりません。

挑戦者を「馬鹿」と言い、成功者を「ずるい」と言う土壌

その地域から若者がいなくなり、挑戦者が去る衰退の背景には、「教育的な問題」「経済的な問題」といったものを生み出す、極めて心情的な問題が存在しています。とりわけ「地域活性化の壁」とも言えるのは、挑戦者を支えず、成功者を引きずり降ろそうとする「妬み」とも言える人間関係がそこに存在します。

皆さんもご存じだと思いますが「よそ者・若者・馬鹿者」という有名な言葉があります。地域を変えるのに必要なのは「地域外から来る人」「若い人」、さらに地元では「馬鹿と言われるほど愚直に何かやる人」という意味の表現です。私はこの表現がまったく好きではありませんが、それはさておき、地方活性化分野でよく使われ、もてはやされます。

実際、さまざまな困難に挑戦する地元人材は、いい意味で「馬鹿だ」と言われるのが前提なのです。確かに、従来からのやり方で衰退をしている地域で、新たなやり方を作り出し、挑戦するのは短期的に見れば地域内で批判され、割に合わない「馬鹿な行為」と言われれば、そのとおりです。

次ページ挑戦者を「馬鹿」と決めつける、地方の人の残念な論理
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  • NO NAME0e4b69141fed
    まず第一にこの内容は別に地方でだけ起こっていることでない
    会社や都会でも起こっていることです
    もっというと世界史を読むとよく出てくることです

    それでもやっていく人が物事を動かして行くんでしょうね
    up175
    down13
    2018/10/24 06:43
  • NO NAME12226b658c83
    この記事の主旨とは関係ありませんが気になったので一つ。細かいかもしれませんが、自分にとっての損得でしか考えられない人は、極めて個人主義なのではなく、極めて利己主義なのです。個人主義と利己主義は違います。様々な場所での謝った言葉の使用が「個人主義」という言葉の心証を悪くしていると感じるので書かせて頂きました。
    up161
    down14
    2018/10/24 07:12
  • NO NAME80def149ea86
    会社でもあります。しょっちゅうです。
    up78
    down1
    2018/10/24 08:05
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