三十代独身男性で、猫を飼っている。五歳の雌。
最近この猫が、俺をベッドに誘うようになってきた。
夜十二時近くなると、俺がいる部屋の隅っこでうみゃうみゃ鳴き出す。
放っておくと三十分でも一時間でも鳴いている。
俺は猫のところに行って、話しかけながら頭を撫でてやる。
すると猫はするりと身を翻して、ベッドの方に歩き出す。途中で振り返り、にゃあと鳴く。
俺は猫についていって、ベッドに横たわると、猫は俺の胸の上に寝転がり、ごろごろと喉を鳴らし始める。
撫でてやると、俺の手に頭をごりごりとなすりつけてくる。撫でるのをやめると、じっと俺の目を見つめて、時折小さくにゃっと鳴く。
この状態が十分か十五分ぐらい続いて、そしたら猫は満足して俺の上から降り、ベッドの隅で一人で眠り始める。
これが毎日。
なんかこれってセックスみたいだなあ、と感じている。
そして、俺が人間のパートナーとしたいのも結局こういうことなのかなあ、と思う。
挿入だとか射精だとかとは別の、一日一回、お互いの親密さを確かめ合うスキンシップ。
そういう関係を人間と築くことのできる見通しは、いまのところ全くない。
ひさしぶりにこれを思い出した うちのねこのウンコ事情 anond:20170628135521