MM総研は10月22日、「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2018年9月時点)」の調査結果を公表しました。「格安SIM」として注目されるMVNO利用者の月額料金は、MNO(大手キャリア)のスマートフォン利用者の半分以下であることが分かりました。
大手キャリア、サブブランド、MVNOの利用実態を比較
「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2018年9月時点)」調査では、NTTドコモ、au、ソフトバンクの「MNO(大手キャリア)」、Y!mobile、UQ mobileの「サブブランド」、、そして「格安SIM」として注目される「MVNO」のサービス利用者ごとの利用実態を分析しています。
本調査は2018年4月〜6月に新品のスマートフォン購入者を対象にWebで実施され、1,103件の有効回答を得ています。
MNOスマホ利用者の支払額、MVNO利用者の約2.78倍
通話料、データ通信料、オプション料、端末代金を合計した「月額利用料金」、「端末代金」、「端末代金を除く月額料金」は以下のとおりでした。
端末代金を含む料金、含まない料金ともに、MVNO利用者の月額料金は、MNOのスマートフォン利用者の半額以下に抑えられています。
月額利用料金 | 端末代金 | 端末代金を除く 月額料金 |
|
---|---|---|---|
MNO (スマートフォン) |
7,630円 | 46,789円 | 5,680円 |
MNO (フィーチャーフォン) |
2,952円 | 16,376円 | 2,262円 |
サブブランド | 4,171円 | 28,994円 | 2,963円 |
MVNO | 3,458円 | 34,030円 | 2,040円 |
過半数のユーザー、利用データ通信量が3GB以下
スマートフォン利用者の月間データ通信量は、「わからない」を除くと平均は5.70GB、中央値は3.00GBとなりました。
「1GB」が23.8%、「2GB」が19.8%、「3GB」が14.2%で、利用データ通信量が3GBまでのユーザーが57.8%と過半数で、5GBまでの累計ユーザーが75.2%でした。
2016年12月に実施した前回調査では、平均が4.22GB、中央値3.00GB、5GBまでの累計ユーザーが約75%でした。
この2年弱で、平均データ通信量が約1.5GB増加した要因についてMM総研は、各通信事業者が提供する大容量プランの普及があるのではないか、と分析しています。
MNO利用者は携帯番号での通話時間が長い
スマートフォン利用者の1週間の音声通話時間を、「携帯番号での通話」と「IP電話・アプリ通話」で比較した結果は以下のとおりです。
MNO利用者は携帯番号27.6分、IP・アプリが17.2分と携帯番号での通話が多い傾向にあります。
サブブランド利用者は携帯番号22.0分、IP・アプリが21.6分とほぼ同等です。
MVNO利用者は携帯番号15.8分に対してIP・アプリが16.6分と、平均通話時間が最も短く、通話時間はIP・アプリが上回っています。
スマホ利用時間は平日112分、休日132分、MNO利用者は長い
スマートフォンの1日あたり平均利用時間を平日と休日のそれぞれについて質問したところ、全体では平日112分、休日132分でした。
利用サービス別に見ると、MNO利用者は平日116分、休日137分で、3タイプ中で最も利用時間が長くなっています。
以下、サブブランド(平日105分、休日125分)、MVNO(平日112分、休日132分)と続いています。
スマートフォン利用者の利用用途トップ7は以下のとおりで、この7項目で87.0%を占めています。
- 「インターネット検索・情報収集」198分(24.1%)
- 「メール・メッセージの送受信」142分(17.3%)
- 「ゲーム」115分(13.9%)
- 「SNS」106分(12.8%)
- 「動画視聴」83分(10.0%)
- 「音楽視聴」42分(5.0%)
- 「カメラ撮影(写真撮影)」32分(3.9%)
利用事業者別では、MNO利用者は「動画視聴」の利用時間が長く、大容量プランや高速な通信速度を活用しているためとみられます。
利用サービスを薦めたい度(NPS)はMVNOが最上位
スマートフォン利用者が、現在利用している通院事業者を家族や知人に薦めたいかを10点満点で尋ねた結果から、推奨度を示すNPS(ネット・プロモーター・スコア:幅は-100〜100)を算出して分析しています。
NPSは、9点〜10点を選択した「推奨者」の割合から、1点〜6点を選択した「批判者」の割合を差し引き、100を掛けて算出しています。
- 全体:-52.7
- MNO利用者:-57.1
- サブブランド利用者:-47.5
- MVNO利用者:-31.5
月額料金が安いほど高まるNPS
NPSのスコアは、MVNO、サブブランド、MNOの順に高くなっています。
この傾向についてMM総研は、月額料金が低く抑えられるほど高評価になっているものの、料金の安さで注目度が高まっているMVNOは、端末のラインアップやサポート体制、ネットワーク品質の面でMNOと同一水準ではない点には注意が必要だ、と指摘しています。
Source:MM総研
(hato)