映画感想文のメタ孝

映画感想文をどの様に書けば良いのか、迷いに迷ってます。 

わたしは「謎」が大好きです。ほぼこの為に感想文を書き始めたといってもいいです。

 

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しかし蓮実氏の映画批評本などを読むと、つまるところ「映画を見て打ち震えた感動を書け。お前の間違いだらけのクソな解釈や自分勝手な説明ははた迷惑なんだぜ。」つうことになるのではないかと思われます。

 

ショックでしたし、最もだ、とも思いました。 

映画は映像と台詞、それを細切れにして繋いだもので成り立っています。(プラス音楽)。

そうして繋げられたものから、「お話」が見えてくるわけですが(とりあえず、「お話」と呼びます)、わたしは、これ(特に謎)をあーでもないこーでもないと頭のなかで転がすのが好きなわけです。つまり、自分が納得いく説明や意味をこしらえるのが大好きなんですねえ…。

 

町山氏は「データを徹底的に集めて、監督の意図(意味)を説明するんだ!」と仰っています。思うにバイアスをかけ試行錯誤し(そのうちバイアスが薄まる)、データを解釈する。これは難しいですが、今やそのさわり程度でもやらねばなりません。

 

最近、クロヤンさんに、映画を見る時、参考している、と紹介されました。

わたしは打ち震えました!

 感想文のほとんどはわたしの心に残ったわたしが面白かった作品について書いていますが、一つだけ、はっきりそうじゃないのがあります。

ローズの秘密の頁」という変な映画ですが、本来なら感想文を書かなかったです。

 

この映画はローズがキッカケはハラスメントで精神病院に入れられるのですが、長く閉じ込められたのは社会制度に問題がありました。多分、監督は制度的なものに目を向けていたと思いますが、彼のインタビューを読むと、「バネッサ・レッドグレープがいうことを聞いてくれなかった。彼女が監督さ」みたいな事を言っておりました。

 つまり、バネッサは、監督の望み通り、寂しげにぼんやり座っているだけの演技をするつもりは全くなかったわけです。そうすれば、映画はまとまったんでしょうが、彼女は力強さを加えました。感傷的な被害者としての女なんか表現したくはなかったのだと思います。

 

たぶん、そのお陰で、わたしは、まとまりのない映画ながら、ローズが、決して内省的にならないところに惹かれたんです。

この部分だけのために、わたしは感想文を書いてしまいました。この映画を見た人はつまんねー、と思ったろうな、思います。ごめんね。

 

あ。話が外れました…。

 

 

 …で、自分の頭の中を書きたいという欲求は、一体なんなんだろう、と思うわけです。

 自分の頭の中のモヤモヤした「気分」のようなもの、それに映画の中の何かが呼応して感想文を書きたくなる?それとも気分を吐き出したい?

…まあ、いづれにしてもこれを自意識と呼べば、自意識なぞどーでもいいわ!と思うけど、あるにはあるわけで。

 

そして、ハスミンを読んだ今、方向が見えなくなっているのでした。

…😀。

 

 

Add Startakenokoo49grazieatutti
  • maribu (id:maribu1125)

    自分も試行錯誤の毎日です。
    ただ、あらすじやネタバレ重視ではなくその作品を見た感情の抑揚を伝えようと日々模索中です。
    結局は「同じ感動を共有したい」というヒトの普遍的な本能なので、映画感想は万人がしていいと思いますよ(^^)/
    knoriさんの監督の意図を追求してあげようとする姿勢、簡潔で率直な感想記事、自分は結構好きです♪

  • ふかづめ (id:hukadume7272)

    感想にしろ批評にしろ自分の言葉で何かを語る以上は「考える」ことから逃れられないので、考えたり悩んだりすることは素晴らしいことだと思います。
    自分は評を一本書くたびに文体と焦点をどこに定めるかでけっこう悩みますね。
    何度もスランプがありましたし、そのたびに批評スタイル(物語論、解釈論、表層批評…)や文体を変えまくって、あーでもねーこーでもねーと模索しました。
    結局のところ、書いてて気持ちのいい書き方がベターなのではないかと思います。ちなみに私は「書き手の感性や思想が込められた、その人にしか紡ぎ出せない言葉」を持った文章に惹かれます。正しいことを言ってるかどうかなんて二の次にでも三の次にでも食わせてやるんです。まずはその人がその人であることが大事で、だから私は性懲りもなくこのブログを読み続け、性懲りもなく自分のブログを続けようと思うのです。イージーゴー。

  • id:knori

    maribuさん
    プロ(かな?)評論家のmaribuさん、ありがとうございます!
    感動を共有、出来たら最高ですね!

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