横浜赤レンガ倉庫は、20世紀初頭に建てられた国の保税倉庫でした。激動の時代を経て、貨物量が激減した頃にはアクション映画やドラマのロケ地として頻繁に利用されました。
時代は21世紀となり2002年に文化・商業施設として生まれ変わり、横浜を代表する人気の観光スポットとして多くの人が訪れています。
横浜赤レンガ倉庫は、みなとみらい線の馬車道駅と日本大通駅から徒歩6分、JR京浜東北線の関内や桜木町駅からも歩ける距離です。
横浜赤レンガ倉庫の1号館は、イベントスペースになり、2号館に商業施設が広がり人気のカフェが沢山入っています。
横浜赤レンガ倉庫2号館のムードあるお洒落なカフェで、おいしいドリンクやスイーツをいただいてきましたので5店を厳選してレポートします。
chano-ma(チャノマ)
赤レンガ倉庫2号館の3階にあるカフェが「chano-ma」です。
赤レンガ倉庫が商業施設としてオープンした当初よりある人気のカフェです。常に行列が出来るカフェなので、入り口付近にはウエイティング用の椅子が並べられています。
店内は元々の倉庫を生かした、がらんとした空間が広がります。中央に厨房があり、囲むようにカフェスペースが展開されています。
テーブル席は、主に右側に多く、シックな黒い椅子や木のテーブルであったり、ソファー席や、お洒落なスチールの椅子が並べられています。
店内の照明は落とされ、少し暗い感じですが、それがまたムードある雰囲気を醸し出しています。
入口左側と、中央を挟んで向かい側に靴を脱いで上がる、小上がりのベッド席が広がります。
ちゃぶ台のようなお膳にお料理やスィーツが置かれ、茶の間で寛ぐような感覚で足を延ばせ、体を崩して寛げます。
歴史を感じさせる建物を生かした赤レンガの壁面に広がるベッド席は、若いカップルが多いですが、女性客や、小さいお子様を連れた若いご夫婦も寛いでいらっしゃいました。人気のお席なので、すぐに満席になってしまうようです。
我が家のような感覚で、ゆっくり過ごせそうです。
「chano-ma」は、日中はカフェとして、ビーフシチューやパスタ、プレートランチ等のメニューがあり、ビュッフェスタイルで焼き立てのパンが食べ放題でいただけます。
また、スィーツメニューも豊富で、パフェやケーキ、フレンチトーストやわらびもちなど、写真付きのメニューでわかりやすいです。
夜になるとムードは益々高まり、ディナーやお酒が飲める大人の時間となります。ラウンジやダイニングレストラン、カフェの本質を取り入れた魅力的なカフェです。
一段上がったシックなテーブル席に案内され、メニューを見ながらあれこれ悩み、とろーり抹茶のフォンダンショコラコラと、紅茶のドリンクセットにしてみました。
若い男女の店員さん達は、笑顔でテキパキと働いていて、より一層居心地が良く感じます。
運ばれてきた抹茶のフォンダンショコラです。
抹茶のフォンダンショコラにわらびもち、バニラアイスクリームが添えられています。
紅茶は大きめのカップにたっぷり注がれています。
抹茶のフォンダンショコラを二つに割ってみると、中から抹茶のチョコレートソースがトロッと出てきました。
濃厚な抹茶のほろ苦さとチョコレートの甘味が混ざり合って、お口の中で溶け合っていきます。冷たいバニラアイスクリームと一緒に頂くとお口の中に残るお抹茶の余韻をバニラがやさしく溶かしてくれます。
ネーミング通りトローリそのものの最高の大人のスィーツです。また、添えられているわらびもちは、もっちりしていて弾力があり、とても美味しかったです。わらびもち単体のメニューもあったので、次回頂いてみたいと思います。
味が濃い目のスィーツなので、紅茶の量が十分すぎるくらいたっぷり注がれていたのがありがたかったです。
「chano-ma」は、外のテラス席を入れて130席もあります。お昼前に入店した時は、お席もチラホラ空いていたのですが、お店を出る頃は、あっという間に満席になり、ずらーっとウエイティング状態でした。
オープン当初から人気店でしたが、15年以上も絶ち、人気はまだまだ健在です。カップルはもちろんですが、横浜に旅行で訪れた女性客や、家族、外国人の団体客もいらっしゃいました。
小上がりのベッド席をご希望なら少し早めに入店することをお勧めします。素敵な旅の思い出になると思います。
横浜赤レンガ倉庫を満喫するうえで、欠かせないカフェの一つです。
<カフェ情報>
chano-ma(チャノマ)
神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館 3F
045-650-8228
https://aglolywithatable.net/chanoma/yokohama
bills
「bills」と言えばニューヨークタイムズで世界一の朝食と称された、シドニー発のカジュアルダイニングカフェです。日本に上陸した時は大変なブームになりました。
「bills」は、横浜赤レンガ倉庫2号館1階に原宿店に次ぐ国内2号店として、2010年3月にオープンしました。以来、相変わらず行列の絶えない人気店です。
ハリウッドセレブ達も絶賛した朝食メニュー スクランブルエッグや、ふわとろのリコッタパンケーキ、フレンチトーストなどが人気です。ランチやディナーも楽しめます。
店内は、赤レンガの壁にシックで落ち着いたテーブルや調度品が並び、ラグジュアリーな空間を醸し出しています。
午後1時を回った時間で店内は、ほぼ満席です。空いているお席は、予約席だそうです。テラス席の隅が空いていたので、運よく座ることが出来ました。
ガラス張りのテラス席は、海辺のリゾート風に白で統一され、店内の雰囲気とは一変してカジュアルな雰囲気です。全面ガラス張りになっているので晴れた日は美しい港の風景も楽しめます。
やはり「bills」に来たら、リコッタパンケーキを食べたい。しかしながら、隣の4人組の女性のテーブルに置かれている苺がのった甘いメレンゲのスィーツ、パブロバも気になります。やっぱり赤れんがに来たら、限定メニューをいただきたい。迷った挙句、世界中どこの「 bills 」にもない、横浜赤レンガ倉庫店だけの限定メニューである「ベリーベリーパンケーキ」とブレンドコーヒーを注文してみました。
焼きあがるのに20分程時間がかかることは、注文時に感じの良い女性店員さんが知らせてくれます。
ベリーベリーパンケーキは、全粒粉を使用したパンケーキで、上部にベリーのバターが添えられた意外とシンプルな見た目です。生地にはラズベリーやブルーベリーの果肉がしっかり練りこまれていて酸味があります。
人気のリコッタパンケーキのような、トロッとしたフワトロ系の食感とは異なりますが、全粒粉を使用しているので
素朴な風味がします。その割にはねっとりと柔らかくフレンチトーストのようです。
ベリーバターが溶けて生地に浸透すると、更に上品なベリーの酸味が加わり、甘さを抑えた食べやすいパンケーキです。10cm位のパンケーキが3枚ですが軽くいただけます。
コーヒーは深みがあり味わい深く、パンケーキと良く合います。店内はお洒落なカップルや若い女性客が多く、皆さん幸せそうな笑顔でした。
今や、有名な「bills」ですが、是非横浜限定メニューの「ベリーベリーパンケーキ」をいただいてみてください。色々なスィーツをシェアするのもよいですね。
個人的には、店員さんが物凄く甘いですよ、と言っていた「パブロバ」が気になっています。誰もが幸せな笑顔になれる「bills」は、外せないカフェの一つです。
<カフェ情報>
bills
神奈川県横浜市中区新港1丁目1番2号 横浜赤レンガ倉庫2号館1F
045-650-1266
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14035310/
グラニースミスアップルパイ&コーヒ
都内でも大人気の「グラニースミスアップルパイ&コーヒー」は、2015年4月に横浜赤れんが倉庫1階のフロアーにオープンしました。常に賑わいを見せているカフェです。
テイクアウト用のガラスケースの中には、バリエーション豊かなアップルパイが並べられ、買い求めるお客様で行列ができます。
レンガタイルの入り口の向こうは、カフェスペースが広がります。
歴史ある赤レンガ倉庫内の設備を生かし、黒い革張りのソファー席、木目のテーブル席が並び、カントリー調にまとめられています。
むき出しの天井から吊提げられた、クラシカルなシャンデリアの灯りは、赤レンガの壁に反映され、店内はオレンジ色に包まれています。まるで古いアメリカのお宅を模したテーマパークのようです。
それもそのはず、「 グラニースミスアップルパイ 」には、ちょっとしたストーリーがあるのです。
アメリカの田舎街の丘の上にある、お料理上手なスミスおばあちゃんのお家のお庭には、代々大切に育てられた大きなリンゴの木があります。そのりんごから作られたアップルパイは、美味しくて街のみんなの大好物です。
そんなお料理上手なスミスおばあちゃんのお話を盛り込んだ、アップルパイのレシピを受け継いでいるのが、「グラニースミスアップルパイ」です。
店内は甘くてやさしいスミスおばあちゃんのアップルパイが焼ける香りが漂い、アメリカの田舎街にいるような雰囲気にさせてくれます。
メニューには定番の風味が強いモラセスと、バーボンに浸したシナモンをたっぷり練りこんだ、ダッチクランブルや、カスタードと煮詰めたリンゴの相性が抜群のイングリッシュカスタード、ラムレーズンがたっぷり合わさったクラシックラムレーズン、また季節限定のモンブランやスィートポテト、パンプキンアップルパイなどが写真付きで並んでいます。見ているだけでワクワクしてきます。
その中で、横浜赤レンガ倉庫でしか頂く事ができないという限定メニュー「 アーモンドチョコレート 」とオーガニックアイスティをセットで注文してみました。
温められたアップルパイには、大きなアイスクリームが添えられています。アイスクリームが不要の場合は、50円引きになります。
小麦粉とバターと砂糖を練りこみ、そぼろ状にしたアメリカスィーツ定番のクランブルとスライスされたアーモンドがたっぷりかかっています。
パイ生地とクランブルとアーモンドの効果で、食感もサクサクでとても香ばしいです。
甘酸っぱいリンゴがゴロゴロ入っていて、サクッとしっかりと食感のある、まさに生きたりんごです。ソースが選べるのですが、「私的にはチョコレートにはオレンジが合うと思います。」と素直に語ってくれた若い女性店員さんのアドバイス通り、オレンジソースをかけていただきました。
りんごに濃厚なチョコレートが混ざり、あっさりとしたオレンジソースがアドバイス通りマッチします。意外と甘さも控え目で、アイスクリームと一緒にお好みのお味に調整も可能です。ボリュームがありそうな見た目とは裏腹にペロッといただけてしまいました。
アップルパイに使用されているリンゴは、青森や長野の提携農家から仕入れ、グラニースミスという日本では中々手に入らないオーストラリア原産のりんごだそうです。
一つ一つ毎日手作りされているアップルパイは、見た目は素朴ながら、おばあちゃんの愛情がたっぷり詰まった心に残る美味しいスィーツです。
冷えたアイスティと一緒にコンセプトにあるストーリーに浸りながら、幸福に満たされた午後のティータイムでした。
観光客もいらっしゃいますが、圧倒的に若い女性客やカップルに人気で店内は満席でした。都内にも店舗はありますが、横浜の雰囲気も楽しめる赤れんが倉庫内のお店も是非お勧めしたいです。
<カフェ情報>
GRANNY SMITH APPLE PIE & COFFEE 横浜店
神奈川県横浜市中区新港1-1 横浜赤レンガ倉庫2号館 1F
045-264-9981
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14058195/
YOKOHAMA BASHAMICHI ICE
1869年5月9日横浜馬車道の地で、「あいすくりん」と名づけられたアイスクリームが日本で初めて販売されました。牛乳と卵黄、砂糖を混ぜたシャキシャキ感のあるカスタード風味だったと言います。ところが製氷技術が確立されていない当時「あいすくりん」の価格は現代で言うと1万円以上のお値段だったというから驚きですね。
そんな当時のアイスクリームの風味を現代風に再現したのが、馬車道からほど近い横浜赤レンガ倉庫1階にある「YOKOHAMA BASHAMICHI ICE」です。
「アイスクリームデザートキッチン」をテーマに掲げ、注文を聞いてから目の前でライブで作ってくれます。季節感溢れるフルーツや野菜を取り入れた旬のアイスクリームが味わえます。
店員さん達がテキパキ楽しく作り上げていく姿をワクワクしながら見ることが出来るのです。
テイクアウトは勿論ですが、イートインができるカウンター席が窓側に4席、通路側に4席あります。
イートインの場合は先に注文を済ませ、お席で待っていると店員さんが運んで来てくれます。最初は満席だったのでぶらぶらとお店を見ながら時間を潰して再び戻り、座ることが出来ました。
窓がある赤レンガの壁のカウンター席に座りました。窓の外からは赤レンガ広場が見えます。
メニューは、明治時代のアイスクリームを現代風にアレンジした、人気のカスタード、牛乳の風味豊かなバニラ、苺のシャーベット、冷たい苺アイスの上に焼いたマシュマロをのせた焼きマシュマロ苺グラタンなどがあります。
今回は旬の栗を使ったモンブランアイスとホットコーヒーを注文してみました。
カップにいれられたバニラアイスクリームの上に、マロンクリームがたっぷりと絞り出され、モンブランの頂上には大きな栗がのっています。
栗の風味が豊かなクリームは、ほくほくとお口の中に広がっていきます。そんな濃厚なマロンクリームをより一層まろやかにするのがバニラアイスクリームです。
アイスクリームというよりもソフトクリームに似たなめらかさです。とはいえ、ざらっとした食感で牛乳の風味が爽やかに抜けていく美味しいアイスクリームです。
アイスクリームの中にはメレンゲの焼き菓子が入っています。アイスクリームとは違う甘い食感が同じようにふんわりお口の中で溶けていきます。
いく通りも楽しめる、他店にはない細工があるとても美味しい一品でした。通路側のお席は若い女性客でうまっていましたが、壁側のお席は一人だったので、甘く冷たくなった喉を温かいコーヒーで潤しながら意外と落ち着くことができました。
海を見ながら公園のベンチでいただくのも良いですね。是非アイスクリーム発祥の地でお洒落で美味しいアイスクリームを気軽に味わってみてください。
<カフェ情報>
YOKOHAMA BASHAMICHI ICE
神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館 1F
045-650-8707
https://www.yokohama-akarenga.jp/cafe/detail/15
ビアネクスト
赤レンガ倉庫3階のレストランフロア、「cyano-ma」の向かい側にあるカフェが「ビアネクスト」です。
こちらは赤れんが倉庫内でも圧倒的な広さを誇る、ダイニングレストランです。
がらんとした広いスペースは天井が高く、クラシカルな雰囲気は古い外国映画に出てくる大きな駅のプラットホームのようです。
店内のお席は192、横浜の景色を楽しめるテラス席は58もあります。
窓側のお席には、背もたれの高い椅子が並び、鉄の仕切りがありカップルに人気があります。
ランチタイムは、人気NO.1のビーフステーキランチや、オムライスやハンバーグステーキ、パスタなど、パンとサラダが食べ放題になるプラスセットもあり賑わいます。
夜はお肉のグリルプレートやバーニヤカウダ等をいただきながら飲み放題メニューが人気で夜景を見ながらグラスを傾け、素敵な横浜の夜を満喫できます。
結婚式の二次会などにもよく使われ人気があるそうです。
そんな「 ビアネクスト 」は、週末は混み合うようですが、平日の午後の3時近くは、ランチタイムのお客様が引け、空いていて意外と穴場なのです。
大きな木のテーブルにゆったりとした背もたれの高い椅子の4人席に通されました。
カフェメニューがあり、スィーツとドリンクが選べ、ここ赤れんが倉庫内のカフェの中ではリーズナブルな価格で楽しめます。
5種類のスィーツと11種類のドリンクの中から、チーズケーキと紅茶のセットを注文してみました。
カスタードと苺のソース、生クリームが添えられています。
クリームチーズを多く使用したニューヨークスタイルで、酸味が強いこってりとした濃厚なチーズケーキです。生地底のサクサクのクッキーのぼそっとした食感とチーズのねっとりした食感が楽しめます。
あっさりとした紅茶とも合いますが、コーヒーでも良かったかなと思ってしまいました。軽快なジャズの音楽が流れる店内は、とにかく広く遠くの方に4人組の女性客、また遠くの方に若いカップルとちらほらお客様もいらっしゃいましたが、間が離れていたので、とってもゆっくりできました。
テーブルが広いので、雑誌を広げたりノートを広げてちょっとした仕事や商談なども出来そうです。
沢山のお客様でうめつくされたビアガーデン的な賑わいも良いですが、ちょっと穴場的に使いたい場合や、開放的な空間に浸りたい場合おすすめのカフェです。ゆっくりカフェタイムを満喫できます。
<カフェ情報>
ビア ネクスト 横浜赤レンガ倉庫店
神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館 3F
050-5869-0945
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14000685/
歴史的建造物である横浜赤レンガ倉庫にある魅力的なカフェの数々は、味や居心地、接客など訪れる人々を楽しませ魅了していることが改めてよくわかりました。
赤レンガ倉庫は何度行っても飽きない素敵な場所です。