【格闘技】村田、一夜明け 進退明言せず 「納得いく形で決める」2018年10月23日 紙面から
【ラスベガス(米ネバダ州)藤本敏和】WBAミドル級タイトルマッチに敗れて2度目の防衛に失敗した前王者の村田諒太(32)=帝拳=が21日、当地で一夜明け会見を開いた。腫れ上がった目をサングラスで隠し「これほどダメージを受けたのはボクシング人生で初めて。こういう試合を続けていたら壊れるな、という気持ちはあります」と話したが、進退は明言せず結論は先延ばしにした。 被弾の多さを物語るように村田の顔には、サングラスが装着。今後の去就に関しては期限を設けずに「イメージしていない。納得いく形で、周りの方々と話して決めていきたい」と話した。大差の判定負けは「試合への過程において後悔はない。何年か先に振り返った時に、ああいう経験があったから今があるんだと思えるようにしたい」と言葉を紡いだ。 今回の敗戦で、熱望した元世界主要3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦は消滅。「自分の実力がそこに達していないというのを改めて知るきっかけになった」と無念さをにじませた。所属する帝拳ジムの本田明彦会長(71)は、一方的な展開ながら戦い抜いた村田の意地や、村田を分析しきった新王者ブラント陣営を称賛。その一方で「本人は100%の練習ができたと言っているが、9月上旬に風邪をひき、1週間何もできなかったことが最後まで尾を引いた」とコンディション調整の問題があったと指摘した。 ブラントとの対戦契約には再戦条項があることも明かした本田会長。それでも「村田がどう考えるか。世界チャンピオンになれて、間違いなくこれまでで一番稼いだボクサーになった。ある意味、やり遂げたのではとも思っている。ただ、本人がやるって言えばダメとは言えない」と話し、時間をかけて村田自身の決断を待つつもりだ。(藤本敏和)
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