「音楽ストリーミング」11社が大連合組む理由
アップル、グーグル、アマゾンが横並び
アップル、グーグル、アマゾンが横並びでタッグを組む――。にわかに信じがたい大連合が、日本の音楽業界で始まっている。手を組んだのは、国内で展開する11の定額音楽ストリーミング(逐次配信)サービスである。
冒頭のアメリカ3社のサービスのほか、「LINE MUSIC」「AWA」「dヒッツ」「レコチョクBest」などといった顔ぶれだ。世界最大手「Spotify」も参加し、国内で展開するほぼすべてのサービスが集結。これは世界でも極めて珍しいケースだ。
ストリーミングからヒット曲は生まれるか
プロジェクトの名は、「NOW PLAYING JAPAN」。狙いは、ストリーミングサービスから新たなヒット曲、ヒットアーティストを生み出すこと。プロジェクトは主に、新人の応援企画とライブイベントで構成されている。
新人応援企画は、デビューから5年以内、発売したフルアルバムは2枚までといった条件でアーティストを公募する。参加サービスの担当者が集まる全体会議で、応募した約100組の中から8組を選抜。アーティストは2曲ずつ楽曲を提供し、それを集めたプレイリストが各社のサービスで公開される。楽曲の再生回数で優勝アーティストを決める、という仕組みだ。
今年1月の第1回に続き、8月6日から9月9日までの期間で2回目となる“レース”が行われた。再生回数が最も多かった、ヒップホップユニットの「電波少女(デンパガール)」が優勝を決めた。
具体的な回数は公開されていないが、電波少女以外のアーティストが首位となったサービスもあるなど、接戦だったとみられる。イベント開始の前後1週間を比較すると、プレイリストに収録された楽曲の再生回数は全体で2.1倍に増加、最大で10.8倍にハネ上がったものもあったという。