『男色比翼鳥』巻6の13の続きだよ!
僕も美少年を前にしたらニヤニヤしちゃうかも!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [6] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】
いや/\両人ハ女道にかたむき今更(いまさら)夢のつけなればとて
また男色に迷(まよ)ハんやと分別らしき口上両人ほとんど
もてあつかひさりとハゆるせ幸手軒もはやひたつら此道(ミち)
に入一生女道見もやらしと二度若道にかたむきけるぞゑん
ならめその時音羽之丞安左衛門か諸分(しよわけ)を語今ハ角田川の邊に
住宅なすよし慥なる灵夢それかし小うてなれどもすけ
力(だち)かなハぬ迄も致へし三人なから一重に頼たてまつるかう
じゆけん打うなづきなに西木原安左衛門とや只今咄せし源
次良が歒(かたき)数(す)年ねらひし横山團蔵京都におゐて西木原
安左衛門とけめう改(あらため)たるよし風の便りに承(うけたまハり)都迄はる/\尋
登りしに爰にても衆道の分にて人をあやめ立越(たちのく)由
口おしく所々方々尋しかど巡(めぐ)りあわねば是非なく先
※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
【現代語表記】
「いやいや両人は女道に傾き、今更(いまさら)夢の告げなればとて、また男色に迷(まよ)わんや。」
と分別らしき口上。
両人ほとんど持て扱い、
「さりとは許せ幸手軒。
もはや只管(ひたつら)[ひたすら]此の道(みち)に入り、一生女道見もやらじ。」
と二度若道に傾きけるぞ縁ならめ。
その時、音羽之丞、安左衛門が諸分(しよわ)けを語る。
「今は角田川[隅田川]の辺に住宅なす由、慥(たし)かなる霊夢。
某(それがし)小腕なれども、助力[助太刀](すけだち)敵(かな)わぬ迄も致すべし。
三人ながら一重に頼み奉る。」
幸手軒、打ち頷(うなず)き、
「何、栗原安左衛門とや。
只今咄せし源次郎が敵(かたき)、数(す)年狙いし横山団蔵、京都においては栗原安左衛門と仮名(けみょう)改(あらた)めたる由、風の便りに承(うけたまわ)り、都迄遥々(はるばる)尋ね登りしに、爰(ここ)にても衆道の分けにて人を殺(あや)め、立(た)ち越(の)く[立ち退く]由、口惜しく、所々方々尋ねしかど、巡(めぐ)り逢わねば、是非なく、先
【さっくり現代語訳】
[奥村はクスクスと笑い出し、]
「いやいや、お二人は女色に傾いたのではありませぬか?
今更、夢のお告げだからと言って、あれほどディスった男色にまた迷うのですか?」
といかにも、もっともらしく言います。
山田と市川の二人は、もう反論することもできず、
「そうは言っても、幸手軒殿、許してくだされ。
もう、ひたすら男色の道に精進し、一生、女色には見向きもしません!」
と再び男色に傾いたのは、縁があってのことでしょう。
それから、音羽之丞は緑之助の敵・栗原安左衛門について話しました。
「今は隅田川のあたりに住んでいるのは、霊夢によって明らかです。
私は微力ながら、助太刀とまではいかないかもしれませんが、緑之助殿に協力するつもりです。
どうか、お三人も力を貸していただけますよう、お願い申し上げます。」
奥村幸手軒は首を縦に大きく振り、
「なにっ! 栗原安左衛門ですとっ!
さっき話した源次郎の敵(かたき)で、数年追い続けている横山団蔵は、京都で栗原安左衛門と名乗っていると、風の便りで聞いたので、私ははるばる京都まで尋ねて行ったのです。
しかし、ここでも男色のトラブルで人を殺して逃亡したと聞き、無念に思いながら、あちらこちら捜したのですが、捜し出すことができませんでした。
どうしようもないので、
【解説】
はい、男色派の奥村と女色派の山田・市川の言い争いは、男色派の奥村の勝利に終わりました!
決め手は、美少年を目の前にして山田と市川がイチコロになったからです(笑)
あれだけヒートアップした論争の意味が全くなかったというね(笑)
それにしても、緑之助と奥村が敵として追うのが同じ人物だったは!
さすが文殊様、うってつけの人物と巡りあわせたのですね!
でも、文殊様は山田を山下と(ry
さあ、いよいよストーリーは結末に向かって進んでいきます!
次回予告とくずし字クイズ
奥村は嬉しいみたいです。
三つ目コーナー
僕はやっぱりカタキウチよりカツオノタタキが食べたいな。
ねえねえ、カツオってイタリア語でどういう意味か知ってる?
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