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【社会】座間犠牲の西中さん 仲間が追悼ライブ マック、この歌聞こえるかい
神奈川県座間市のアパートで九人の切断遺体が見つかった事件で、ミュージシャンとして志半ばで命を奪われた西中匠吾(しょうご)さん=当時(20)、同県横須賀市=のバンド仲間が八月三十日、千葉市で追悼ライブを開いた。「マック」の愛称で慕われた西中さんが亡くなり約一年。仲間たちは天国まで届くようにと歌い続けた。 (西川正志) 「マックに届くように」。ボーカルがステージを跳びはねながら、叫びに近い歌声をマイクにぶつけた。出演したのは、西中さんと親交があった七組のバンド。西中さんがベーシストを務めていたバンドのリーダー寺田敏也さんが呼び掛けた。「こうやって集まることで、彼のことを思い出すきっかけになる」 西中さんは二〇一六年十月、寺田さんの誘いでバンドに迎えられた。CD制作や海外ライブの目標に向かって演奏を重ねていたが、昨年六月、体調を崩して入院。退院後、八月二十九日から連絡が取れなくなった。ツイッターで情報提供を求めたが、約二カ月後、座間市のアパートから遺体が見つかった。 殺人容疑などで逮捕され、鑑定留置中の無職白石隆浩容疑者(27)について、東京地検立川支部は九月上旬にも被害者九人への殺人罪などで一括して起訴する見通しだ。 「(白石容疑者を)なんで信用してしまったのか…」。寺田さんの憤りと疑問は今も晴れない。別のバンドのメンバーで、西中さんと親しかった西川裕也さんは「一年たっても、どうやって折り合いを付けて暮らせばいいのか、まだ分からない」と涙ぐんでいた。
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