神奈川県座間市のアパートで９人の遺体が見つかった事件で、同県厚木市の女性（２１）を殺害したなどとして再逮捕された白石隆浩容疑者（２７）が、女性に携帯電話を捨てるように指示していたことが警視庁への取材でわかった。警視庁は、白石容疑者が証拠隠滅を図ろうとしていたとみている。

　捜査１課によると、女性の携帯電話は８月２４日朝、同県藤沢市片瀬海岸のトイレで、交通系ＩＣカードなどとともに見つかっていた。白石容疑者は調べに対し「『携帯電話を捨ててきたら』と指示した」と供述。理由については記憶があいまいというが、警視庁は、携帯電話の位置情報などから女性の居場所を突き止められないように仕向けていたとみている。

　女性は８月２０～２１日ごろに行方がわからなくなった。携帯電話が見つかる前日の２３日午後５時１６分から約３０分間、友人と携帯電話で話していたが、これ以降は電話に出なくなり、ＳＮＳのメッセージも「既読」にならなかったという。警視庁は、女性はこの日に殺害されたとみている。

　警視庁は２８日、白石容疑者を女性に対する殺人と死体損壊、死体遺棄の容疑で送検した。