311以前に出版された原子力系の紙の本の、主に放射性物質対策に役立つ記述集(『放射化学概説』『基礎放射化学』『基礎核化学』『放射化学概論』)
Posted on 2018.05.23 Wed 18:36:38 edit
一部はチェルノブイリ以前。
この記事がハッキングで勝手に書き換えられるか
私が誤字脱字したかでない限り正確な情報。
念のため、
読者も本書を読んで本記事の記述、
特に数値と単位が正しいかお確かめください。
まずはおすすめ動画をどうぞ↓
1~4を見ずにいきなり見ても大丈夫。
カッコ内に重要個所はメモった。
原子力の仕組み@ゆっくり科学解説 #05
http://www.nicovideo.jp/watch/sm31743460
(全身に急性被爆
7Sv以上…100%死亡
3Sv以上…50%以上死亡
1Sv以上…10%以上死亡
0.5Sv…リンパ球の減少
体の一部が急性被爆
6Sv…睾丸、永久不妊、肺:肺炎、消化管:下血
5Sv…皮膚:ヤケド
3Sv…卵巣:永久不妊、皮膚:一時的な脱毛
2Sv…骨髄:造血不良による死亡(治療あり)
1Sv…骨髄:造血不良による死亡(治療なし)
0.5Sv…目:白内障、骨髄:造血不良
0.1Sv…睾丸:一時的な不妊
コメント
”要はSI接頭辞なしのSvが出てきたら死ゾ
今の重要よ。兎に角、遮蔽物に隠れることで結構な量ふせぐことができる
因みに鉛だけじゃなく密度が高い物質ならタングステンや白金でも遮蔽に使える”
α線は破壊力:高
貫通力:低
紙一枚で遮れる。
β線は破壊力:中
貫通力:中
1cmくらいの厚さのアクリル板で防げる。
γ線は破壊力:低(電磁波として飛んでいくから)
貫通力:高い。
原子に衝突するとエネルギーが落ちるので
大体5~10cmの厚さの鉛や
50cm~1mほどのコンクリートの壁で
放射線量を100分の1から1000分の1程度に減衰させることができる。
中性子が最強。
破壊力:高
貫通力:高
のチートキャラ。
電荷がないため原子に当たりにくく貫通力が高い。
遮断できるのは同程度の質量の水素原子核のみ。
具体的に水素原子を含んだ水や
水素原子を含んだコンクリート。
どちらの壁でも大体
1~1.5mで100分の1から1000分の1程度に減衰させることができると言われている。
中性子が本当にやばいのは
原子核が中性子を吸収することで
その物質が放射能を帯びるようになる
=放射化してしまうこと。
お前も放射性物質にしてやろうか?
エージェント・スミスかな?
中性子線に当たった物質にも注意。
動画の最後の参考文献紹介より
夏緑『これだけ! 放射性物質』。
信用できるか不明。
この本の参考文献にこの記事の本が入ってそうだが)
木越邦彦『放射化学概説』(倍風館)
昭和43年5月30日 初版発行
1968/5
γ線はX線と同様に電磁波で本質的には全く同じ。
γ線はX線に比べて波長の短い高エネルギーのものが多いが
波長領域で両者を区別しているのではなく、
γ線は核のエネルギー準位の変化にともなって核から放出される電磁波として定義されている。
したがってここに述べるγ線についての事がらはX線とγ線の両方について成立する。
γ線は、α線やβ線に比して物質と相互作用をしにくく、
物質中を相互作用をせずにかなりの距離進行しうる。
・β線は電子が加速されたもの。
電離
加速電子が物質中を通過するとき、
原子との電気的な相互作用によって
軌道電子のエネルギー準位をあげ(励起し)たり、
原子から飛び出させて電離(イオン化)をする。
これらの非弾性衝突による原子の励起作用をβ線の電離作用、
あるいはイオン化と一般に呼んでいる。
・α線はヘリウム原子核の加速されたもの。
α線は重い。
一般に加速された原子が物質中を通過しているときは、
その運動エネルギーと同程度以下の結合エネルギーの軌道電子を失ったイオンとなっていると考えて大体さしつかえない。
電離
α線と原子との相互作用による電離は、
β線の場合と本質的には同じ。
しかしα線は電子よりはるかに重いため、
一回の相互作用で電子に与えるエネルギーは自分自身のもつ全エネルギーに比較して非常に小さい。
α線は原子との相互作用で一般にはわずかのエネルギーしか失わないから、
進行方向はほとんど変わらず物質中を直進すると考えてよい。
・中性子は電荷がないため、
物質との相互作用はα、β線と全く異なっている。
電荷をもっている粒子は、
電子および原子核とかなり遠距離から電磁気的相互作用を強く及ぼしあうが、
電荷のない中性子は原子核に極度に近づいて--衝突によって--
相互作用をする。
核との衝突によって中性子が原子核に吸収されてしまうような核反応も起こるがこの節では核反応についてはあまり述べない。
中性子は物質を通過するとき直接にはイオンをつくらない。
しかし速い中性子と軽い原子核の衝突で運動エネルギーを得た反跳核が、
十分大きいエネルギーをもっていれば、
反跳した原子核はイオンとなり、
さらにそのイオンの物質通過によって二次イオンをつくる可能性がある。
水素などを多量に含む液体や固体中では、
速い中性子の通過にともない、
このような反跳プロトンによるイオン化が起こる。
・放射線の化学作用
水溶液に放射線を照射した場合は、
まず水分子が分解して水素、過酸化水素、酸素を生成し、
種々の酸化還元反応を起こす場合が多い。
・放射線による生理作用
は細胞内での分子のイオン化が主なもので、
このほかに中性子による場合はとくに原子の反跳による分解が大きい役割をすることが考えられる。
生体内の種々の細胞は、放射線に対する影響をそれぞれ異にしているし、
放射線でうけた障害を回復する能力についてもそれぞれ異なっている。
一般に言えることは、細胞分裂を盛んに行うものほど放射線に敏感であることである。
したがって生体が成長しつつある段階の方が、
生育しきったものより放射線の障害をうけやすい。
生育した動物体内では、
細胞分裂のさかんに行われている生殖細胞を作る器官・皮膚・骨髄(造血器官)などは障害を受けやすい。
眼球も障害を受けやすい。
(つまり子供への影響は大人より大きい)
手や足の一部に500r(レントゲン)程度の放射線の照射をうけてもほとんど害はうけないが、
全身に一様に受けると約1か月後に死亡する確率は、
200rで5%、
400rで50%もある。
700r以上を全身にうければ1~2週以内にほとんど100%死亡する。
(1remは1rと同等の影響を与える線量。
1Sv = =100レム。
紹介した動画で
5Sv…皮膚:ヤケド
とあるが、害ありすぎだろ。)
上記のような放射線の影響は後天的変化であるが、
遺伝因子に作用して子孫にまで影響を及ぼすことがある。
この場合はいかに少量の放射線でも多少の影響を与え、
またその影響は回復することがない。
(多少なら大丈夫は大嘘だな。回復もできないのか)
人間に対する放射線の影響を考えるときに、
放射線の照射をうけた線量の単位は、
動物に対する影響を考慮に入れた線量の単位レムremが用いられる。
1レムは1レントゲンと同等の生物学的影響を与える線量という意味。
1ラド
=照射された物質1gあたり、100ergのエネルギーを与えるような照射線量。
レム(roentgen equivalent man レントゲンと同等)は、
ラドで表された線量に、
RBE(relative biological effectiveness)を乗じたもの。
RBEの値は放射線の種類とエネルギーによって異なり、
ICRPなどで用いられている値を表3-8に示した。
表3-8 種々の放射線のRBEの値
放射線 RBE
X線およびγ線 1
電子線およびβ線 1
熱中性子 2.5
速い中性子 10
α線 10
加速プロトン 10
加速された重いイオン 20
・許容線量は主に遺伝的影響に関する考察によってその制限が決められている。
許容線量の具体的数字は被爆者を三つのグループに分けてそれぞれについて示されている、
1)職業的被爆
職業と放射線が直結し、常時放射線被爆を受ける人に対する最大許容線量は以下の通り。
①造血器官、生殖腺、および眼の水晶体に対しN歳までに蓄積される
最大許容線量Dレムは
D=5(N-18)
で与えられる。
この範囲内で、
3レム/13週 までの被ばくは認められる。
この許容線量は最低の値になっているので、
器官別に被爆線量が明らかでないときに適用することができる。
②器官別に被爆線量がわかるときには、
a)皮膚、甲状腺
8レム/13週, 30レム/年
b)手、前腕、足、くるぶし
20レム/13週, 75レム/年
c)体内諸臓器(甲状腺、生殖腺、造血器官除く)
4レム/13週, 15レム/年
が許容量。
これらの被爆線量のほかに、飲料水と空気中の放射性核種の最大許容濃度
maximum permissible concentration(MPC)
が勧告に示されている。
この濃度は50年間連続的に飲み、呼吸して体内に蓄積されたそれぞれの核種による線量が上記の最大許容線量以上とならなにようにきめてある。
(1Sv =100レム
きりのいい値を代入して感じをつかむのは数式が出る分野では大事。
①でN=38 とすると、
D=100レム=1Sv=1000mSvでこれが38歳まで蓄積なので38で割ると
26.3mSv/年。
38歳なら生まれてから浴びてきた線量の許容値は1Svという覚えやすい基準を算出する目的達成。
ちなみに20歳から働きだしたとするなら20を引いた18で割ると
55.5mSv/年だが、上記の定義上N は二十歳になるまでも含むからあまり計算した意味がなさそう。
職業上、浴びざるをえない人の基準だからね?早死に率は高くなる)
2)その他の二つのグループは、
放射線の作業を行っている法律で定められた管理区域の近くで働く人および
区域内に時折立ち入る特殊グループと、
一般大衆のグループである。
特殊グループについては、
だいたい職業的被爆の場合の1/10に制限されている。
一般大衆のグループに対しては、
許容遺伝線量によって、
ゆるされる被ばく線量の最低限がきめられている。
許容遺伝線量permissible genetic dose
とはこの線量を、集団のすべての人が体内から生殖可能平均年齢までにうけたとき、
全人口にとって重大な遺伝的負担を生じないと考えられる線量である。
この最大許容遺伝線量として、
ICPRは5remを提案している。
この5remは個人個人についての値ではなく、
集団の個人についての平均値であることは注意する必要がある。
この線量に基づいて、
一般大衆の飲料水、空気についての最大許容濃度を計算することができる。
通常の場合、
職業的被爆の最大許容濃度の1/100を用いることが勧告されている。
・壊変の時間的規則性(年代測定)
放射性の核種はそれぞれの壊変定数λで定まる速さで壊変して
原子核の数N=N0 e^-λt
(エヌイコール エヌゼロのマイナスラムダティー乗)
に従って減少していく。
いま特定の放射性核種について出入りのない閉じた系があれば、
その系内のその核種の量は時間とともに規則的に減少し、
時計のような役割をしていると考えることができる。
この時計の動きはλが外部の条件、温度や圧力に依存しないので、
理想的な時計といえる。
もっとも壊変定数が一定であるといっても、
熱核反応が起こるほどの高温であれば、
もちろんその一定性など問題ではなくなる。
さらに厳密には通常の条件でも次に述べるように
壊変定数がわずかではあるが変化する場合があることが認められている。
一般には軌道電子は核の状態にほとんど影響を及ぼさないので、
放射壊変に対する影響は無視しうる。
しかし電子捕獲と内部転換電子の放出の二つの現象には
軌道電子が本質的に関与している。
壊変定数に対する化学効果は、
それを検出することすら非常に非常に困難であるほど微弱で、
通常の測定では完全に無視しうる程度。
しかし時計がいかに正確に動いていても、
時計のダイアルを見ること、
すなわち特定の事件と時計のメモリの対応がないかぎり、
時計としての役割はまったく果たさない。
放射性核種の時計のスタートした時に、
どのような事件が起こったかを対応させるかが、キーポイント。
天然に存在する放射性核種はいずれも時計として用いうる可能性を持っている。
ある事件Aが起こったとき、
放射性核種XをNAX(Nの横のAXは小さく右下にある。以下同様)個含む系が
事件Bが起こるまで(あるいは現在まで)閉じた系であり、
その時NBX個に減衰していれば、
事件AとBの間の経過時間tは
原子核の数N=N0 e^-λt
から
t= 1/λ In[NAX / NBX]
で与えられる。
実際にはNAX 、NBXを正確に知ること、
および閉じた系であったことを確認することに多くの問題がある。
ほとんどの場合、事件Bとして現在の分析操作を対応させてNBXを直接の測定で求めることで
困難の一つを取り除いている。
Aは過去の出来事で、
その時注目する系に含まれてきた核種Xの量NAXが知りうる場合は次の二つの場合がある。
①Aに相当する時期において、
Xの同位体X'との比X/X'が知れているとき。
②Xの壊変生成物Y(長寿命あるいは安定核種)についてその系が閉じていて、
Aの相当する時期に、
その系の含まれてきたYの量が推定可能のとき。
②のときは現在のYの量から壊変生成物の蓄積量が求まり
NAX-NBXを求めることができる。
・地球上の現存する14Cの壊変数と生成率が等しいと考えた議論は、
宇宙線の強度と地球上の炭素サイクルが数万年の間不変であったことと仮定している。
この過程が成立しているなら、
過去の大気中の14C濃度は現在のものと等しく、
その当時の大気中のCO2からつくられた生物体の有機物は、
その時には現在と同じ14C濃度をもっていたことになる。
現在では経過時間にしたがって壊変により減少しているから、
逆に生物遺体中の14C濃度を測定して、
その生物の生存していた年代を出すことができる。
これが放射性炭素による年代測定で(radiocarbon dating)で
木片、黒炭、
貝殻、骨などの年代から
考古学上あるいは地質学上の有用な多数の年代が出されている。
この年代測定の基礎となっている大気中の14C濃度の普遍性については、
年代の正確に知られている試料
--歴史年代の知られているもの
あるいは木材年輪を外側から数えて出した生成年代の知られている年輪--
を用いて、その中の 14C濃度の測定から調べられている。
測定された結果は数千年前までは少なくとも年代測定値に重大な影響を与えるほど大きな変動ではない。
(±400年以下)が、明確な変化の傾向が示されている。
この変化の傾向は、地磁気の経年変化の測定値に基づいて仮定された、
地球の地磁気双極子の経年変化から推算され、
実測された地球上の14C濃度変化と大体一致する結果が得られている。
天然にある炭素中の14C濃度は表(省略)に示したように現代のものでも
1gあたり15dpm程度で、古いものの定量はかなり困難である。
通常炭素試料は、CO2やC2H2などの期待として比例係数管で測定されることが多い。
計数管のまわりを20cm以上の厚さの鉄で遮蔽しても、
自然計数(バックグランド計数値)は1lのカウンターで
1000cpm近くのものが200~300cpm程度となるのみで、
14Cの計数値をはるかに上回る。
カウンターの周りをさらに別のカウンターで取り巻き、
反同時計数によって、
μ中間子のように貫通力の強い放射線が通過したとき計数をしないようにすれば、
自然計数は1~5cpm程度となって測定が可能となる。
一般に14Cにより3万年程度まではかなりの精度で測定できるが、
5万年以上のものはそのままでは年数を出すことはできない。
・1)14Cによる年代測定
上記のように14Cは大気中の炭酸ガス中にほぼ一定の濃度で
過去現在(原水爆実験のはじまるまで)を通じて存在していたと考えられる。
生きている植物の有機物は大気中のCO2から光合成でつくられたもので、
さらにこれを食物とする動物の有機物もいずれも大気中の炭素とほぼ等しい。
(同位体効果を無視すれば)14C濃度をもつ。
すなわち、この場合は過去の生物体の有機物の14C濃度(14C/12Cの比)が知られている。
この炭素が現在まで閉じた系として保存されていれば
(この場合は正確に閉じた系である必要はなく)
他から炭素が供給されなければよい。
現在の14C/12C比の測定によって、
試料炭素が生物によって大気中から固定された年代を求めることができる。
14Cによる年代測定は、
地層中の植物遺体(泥炭、木片など)そのその地層の堆積した年代を求めたり、
考古学的遺跡に残された木炭や材木、
貝殻、動物の糞や骨などから人類活動のあった年代を求めるためなどに用いられる。
しかしこの方法で求められる年代は、
通常3~4万年以上の古さのものについては、
年齢の下限のみしか与えられないほど精度が悪くなる。
(考古学で重要な判定法登場)
『基礎放射化学』(丸善)
昭和56年7月20日発行 初版の本のメモ
(昭和元年=1926年。
昭和20年=1945年で覚えている。
昭和56年=1981年。
昭和61年=1986年4月26日、
ウクライナ共和国の首都キエフ州北部、
プリピャチ市のチェルノブイリにて
原子力発電所4号炉で、
炉心の爆発、溶融破壊、建屋破壊事故が起き、
推定数億キュリーの放射能が放出された。
よって本書はチェルノブイリより前の本。
この本に第二版以降があるか不明)
・p.1あたり
キュリー夫人はウラン化合物を空気中に置くと、
不導体の空気が電導性をもつことを認めた。
これは電離作用でイオンができたためであった。
放射能
=外界条件に左右されずに、
①透過作用 ②けい光作用
③写真作用 ④電離作用
を示す性質。
これらの作用を示す原子は放射性で、放射線が出る。
ふつう放射線は五感により認知できないので、
検出定量化は物質との相互作用により示され、
これら四作用に基づいて行われる。
一元素一原子種ではなく
一元素多原子種。
安定な元素にも化学性は同じで異なる原子種がある。
安定な元素は安定同位体(SI)がそれぞれ一定の割合(存在度)で混じっている。
さらに放射性同位体(RI)が存在している。
・p.14
”放射能の減衰は指数関数的で,時間が経過しても完全には0になることはない.
このことは放射性廃棄物やフォールアウトの処理などで忘れてはならない.”
(半減期はあくまで半減でありゼロになるのではない)
・p.16
ベクレルBq
=毎秒1個壊変する放射能。
(単位:s^-1)
1Ci(キュリー)
=3.7×10^10dps
=3.7×10^10Bq
=37GBq
1Bq=1dps
通常、放射性同位体(RI)の製造のさいはCiレベル、
放射性同位体(RI)の購入、野外使用などではmCiレベルを扱うことが多い。
特にmCi程度以上の取り扱いには被ばく線量をできるだけ少なくするよう、
距離、時間、しゃへいに注意する。
トレーサー実験、RIの患者への投与はμCiレベルが多い。
環境放射能の測定はpCiレベルとなり、測定に特別な注意が必要である。
(1mCi
=37MBq
キロ k 千倍 十の3乗
メガ M 百万 6乗
ギガ G 十億 9乗
テラ T 一兆 12乗
ミリ, milli, m, 10の-3乗, (=0.001)
マイクロ, micro, μ, 10の-6乗, (=0.000001).
ナノ, nano, n, 10の-9乗, (=0.000000001).
ピコ, pico, p, 10の-12乗,(=0.000000000000001).
1ベクレルとは1秒間に1崩壊する放射能の強さ
現在1キュリー=370億ベクレル(37ギガベクレル)。
1キュリー=3.7×10^10ベクレル
キュリーという単位は非常に大きいので、
通常はミリキュリー(0.001キュリー, mCi)や
さらにその1000分の1のマイクロキュリー(μCi)がよく使われる。
第5回 放射能の単位ベクレル
http://www.asca-co.com/nuclear/2008/08/post-4.html)
・p.17あたり
放射線量に関する単位は、
まず照射線量と吸収線量がある。
放射線がそこまでもってきているエネルギーが照射線量、
そこで物質がもらうエネルギーが吸収線量。
物質と相互作用がなければ吸収線量はゼロ。
1Gy(グレイ)=100rad(吸収線量の単位)
吸収線量は線質に関係しないので、
照射線量X、γ線に限られるR(レントゲン)より広く用いられ、
しかも生物、物質系に起る変化を知るうえで都合がよい。
・pp.30-31
実効半減期
ここで生体に入った放射性核種は固有の代謝過程にのってある時間内に排泄されていくことにふれておこう。
この状態は指数関数モデルが近似的に用いられ、
始めの半分量に減少する時間を生物学的半減期Tbで表す。
放射性核種はある時間内に壊変する確率を持ち、
壊変すれば異なる元素となりその元素の代謝過程にのっていく。
したがって、生体ではつぎの式
1/T + 1/Tb = 1/Teff
より求められる実行半減期Teffでその減少のようすが示される。
生物学的半減期は化学的に定められるもので、
生体の年齢、各種の化学的型態(可溶性、不溶性、コロイドなど)などによって大きな差があるので
使用にあたって注意がいる。
可溶性で成人の場合につき実効半減期を以下の表に示した。
どちらかがきわめて長いとTeffは短かい方に近く、
両方とも短かければTeffは中間となる。
表
核種、
決定器官、
T、
Tb、
Teffの順に並んだ表
3H
全身
4.5×10^3日
12日
12日
14C
全身
2×10^6
10
10
32P
骨
14.3
2.57
13.5
59Fe
脾臓
43.1
600
41.9
90Sr
骨
10^4
(=一万日
=27.4年。
約30年。
この計算は私の補足)
1.8×10^4
(=49.3年。
約50年。
この計算は私の補足)
6.4×10^3
(=17.5年。
約18年。
この計算は私の補足)
99mTc
全身
0.25
1
0.2
131I
甲状腺
8
30
7.6
137Cs
全身
1.1×10^4
(=30.1年。
約30年。
この計算は私の補足)
70
69.5
220Ra
骨
5.4×10^5
900
900
国際放射線防護委員会報告, ICRP(1959)より.
(半減期はあくまで半減であって無害になるまでの期間ではないことに注意。
日は3H以外の個所は省略されている。
元素の左横の数字は小文字)
・p.68
放射線はわれわれの肉眼で直接に感知することができないので、
放射線を検知するにはその物質との相互作用を通して行う。
放射線は大別すると3種類に分けられる。
第一はα線やβ線のような荷電粒子である。
これは粒子の質量によって重い荷電粒子(α粒子、陽子、核分裂破片などの重イオン)と
軽い荷電粒子(電子)に分けられる。
第二は中性の粒子で、中性子がこの代表例である。
第三はγ線やX線などの電磁波である。
放射線と物質の相互作用はこれらの種類によって原理的に異なる。
また、放射線の影響を受ける物質の方から考えると、
物質中の原子分子はまず励起したり、電離したりする。
そして、励起状態からは解離も起る。
放射線のエネルギーは数千eV(keV)から数百万eV(MeV)のものが多く、
このエネルギーは原子における電子の結合エネルギーや化学結合エネルギーの数千倍から数百万倍も大きい
(たとえば酸素分子O2の第一イオン化エネルギーは、12.5eVであり、
メタンCH4のC-H結合エネルギーは4.26eVすなわち98.2kcal mol^-1である)。
(原子力エネルギーがいかに強大すぎるかがわかる)
・p.143あたり
作業者の被ばく線量をできる限り少なくするような配慮は必要である。
また、放射能による汚染事故を防ぐために、
事故の起りにくいような実験計画をたてるべきである。
汚染事故の防止には万全を期してもなお不測の事態が起こることがある、
化学実験の経験を十分につんでおくことが的確な判断をもって処理にあたるのに役立つもので、
この点からも放射能実験に先立って、
cold runとよばれる予備実験をひととおり実施して、
練習をかねて本実験の問題点を知っておくべきであろう。
扱う放射性物質の種類によっては、
これと科学的に類似した放射性または非放射性の各種(stand-inとよばれるものに相当する)を代用して予備実験を行ってみるのもよいであろう。
汚染を避けるために、つぎのようなものが使用される。
ゴム手袋
手指の汚染を防止するため、放射性物質を扱う実験はすべてゴム手袋またはこれに類するものを用いて行うべきである。
ふつう放射性物質取扱用または手術用として市販されている良質の薄手ゴム手袋で、
滑り止めのために指掌面に多少の凹凸をつけてあるものがよい。
ただし手袋を使用する限り指の感覚が鈍ることはさけられない。
また濡れると滑りやすくなるから、とくに注意を要する。
薄いポリエチレン、ポリプロピレンなどの手袋も市販されているが、
これらは使いすてのものが多く、手袋としてはゴムに劣る。
ただし耐薬品性はゴムよりすぐれているので、有機溶媒を使用するさいには便利である。
いったん使用した手袋の表面は汚染したものとみなされるべきである。したがって、装置や器具などの中で汚染させてはいけないものには手袋でふれてはいけないことになる。
実験のはじめにこれらの区別を明確にしておくことが必要である。
ゴム手袋をはめた手でも、ペーパータオルなどをあててふれるだけである程度汚染を防ぐことができる。
破損しない限り、同一の実験には同じ手袋を繰り返し使用してもよい。
手袋の着脱を容易にするには、手袋の内側と手の表面にタルク粉をふりかける。
長時間にわたって手袋を着用すると手に汗をかくので、薄手の木綿手袋の上にゴム手袋を用いることがある。
ただしこの場合には指の感覚がさらににぶくなることはさけられない。
手袋に傷がなくても、濃厚な汚染は手袋を透過することがある。
手袋があっても放射性物質(とくに溶液)に直接ふれるべきではない。
なお指などに傷があるときには実験はさけるべきである。
放射線管理区域内では、専用の実験衣と靴を着用する。
ペーパータオルとシート
除染しにくいもの(多くは機器)は、なるべく紙かプラスチックシートなどで保護して使用する。
そのさいできるだけ操作性をそこなわないように配慮する。
実験台やフードの作業面の保護も必要である。
トレイ
実験台上にシート、その上にトレイ、それにゴム手袋と幾重にも汚染防止策がとられると、
実験操作は必然的にやりにくくなる。
こういうことは安全対策をとった場合にしばしばみられることで、
安全と便利さとは必ずしも両立しない。
安全に重きをおくあまり操作しにくくなって、かえって事故を起すこともある。
操作性を著しくそこなわないような対策を考えねばならない。
加熱
引火をさけるため、ガス器具よりも電熱器具が望ましい。
ビーカーや蒸発皿の過熱にはホットプレートがよい。
保護マスクなど
化学実験のさいには保護めがねをかけることがすすめられており、
とくに放射性物質の取り扱いには欠くべからざるものである。
顔面をおおう保護マスクもときに必要であろう。
放射線のしゃへいもかねて、透明な衝立を手前において操作することもある。
わが国ではまだ普及していないが、洗眼設備も必要であろう。
手近に洗浄びん式の洗眼器をおくか、
できれば洗眼専用の流しを室内に設けるのがよい
(国産の洗眼用蛇口にはまだ満足できるものがないが)。
比較的事故が起りやすいのは液体廃棄物である。
揮発性の有機溶媒は定められたポリエチレン容器でも安全には保管しがたい。
溶液によっては混合すると激しく反応することがあり、
ときに危険な物質が生成することもある。
シアン化物を含んだ溶液に酸を加えてはならないことはよく知られているが、
ものをすてるにも化学の基礎的な知識が要求される。
実験計画
一般には半減期の長い核種よりは短いものの方がより安全である。
(短いだったり短かいだったり、書き手が違っているのだろう。
本書の全体的に漢字の使用が中途半端で違和感。
放射能を放射線と同じ意味で使っていたりする)
・p.198
に国内ウラン資源の表がある。
人形峠、東濃、その他の三種類しかない。
(住んではいけない地域だな。
@BLOOD_6_6_6
2016年10月23日
日本のウラン鉱山(閉山含む)
松岩鉱山 宮城県気仙沼市赤岩大滝
東濃鉱山 岐阜県土岐市
内外海鉱山 福井県小浜市
五百井鉱山 滋賀県栗東市下戸山
東郷鉱山 鳥取県東伯郡湯梨浜町
人形峠鉱山 岡山県苫田郡上斎原村
sinwanohate・レイジ
? @sinwanohate
1月6日
これはとてもいい本でした。情報隠しや住民に対する冷たい対応など、JR東海は東電みたい、リニアは原発そっくりというのがよくわかった。
リニア新幹線が不可能な7つの理由 - 岩波ブックレット
リニア建設での住民立退き問題。家屋や土地の収用が予測される地権者は、
神奈川1500人、山梨1300人、長野400人、岐阜千人、愛知700人。各地で反対運動が起きている。
電磁波問題。リニア走行時の車内は数千ミリガウス。国際非電離放射線防護委員会のガイドラインは400万ミリガウスであることから、JR東海は「健康問題は起こらない」と断言する。
しかし日本やスウェーデンの研究結果では、数ミリガウスで小児白血病や脳腫瘍が増加するとされている。
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sinwanohate・レイジ
? @sinwanohate
1月6日
電磁波は車内だけではなく、送電線からも。リニア用変電所への送電は15万4千ボルト。75メートルの距離で4ミリガウス。周辺住民は毎日電磁波を浴びることになる。
ウラン鉱床問題。岐阜県東濃地区は日本最大級のウラン鉱床が存在し、70年代には原発用に採掘されていた。
リニア工事でウラン鉱床に当たれば、残土は大問題。しかしJR東海は懸念に対し「ウランについては出ることを前提としていない」。健康影響はないとウヤムヤにするんだろうな。)
・pp.214-215
放射線化学反応は他の方法で容易につくり得ない物質がつくられる可能性がある。
とくに放射線による重合が早くから行なわれており、
アクリルアミド、
ポリエチレン、
ポリスチレンなどがその例である。
また重合にさいし触媒や開始剤を用いないので純度がよい。
あるいは架橋の程度の異なるものがつくられ、性質の改良が容易になる。
ポリエチレンの耐熱性を増したような例や、
疎水性ポリエチレン、ナイロンなどに親水性のセルローズ、ビニロンなどを重合させるグラフト重合
(graftはつぎ木の意)がある。
その結果、染色性や耐水性を与えたり、
強度や弾性などの機械的性質の改善が行われた。
もう一つ大きな特色は比較的低温で反応を起すことができ、
競合する反応をおさえ新製品が期待できる。光化学反応と異なり放射線の透過力の大きいことを利用し、
大容積でも均一な反応が起せるし、
また圧力容器内まで容易に透過できるなど多くの特色がある。
これら化学合成より早く実用化の始まったのは医療器具や抗生物質などの放射線殺菌である。
表に多くの生物の致死線量を示したが、
大線源の使用が可能になり、
生物学的および生物化学的効果もしだいにわかってきており、
放射線では室温のまま殺菌ができる点がすぐれている。
もう一つは食品照射があるが、これは照射により変色その他外観が変ったり、
風味がおちてはならない。
さらに放射線化学反応により、発ガン性物質をはじめ、不妊性、
不稔性物質ができてはならず、
動物実験による長期間のテストが必要である。
すでにわが国でも実用化に入った。
(不稔性。
ふねんせい。不実性ともいう。正常に発育する胚をもつ種子が生じないこと。花が咲いても種子ができないこと。
食べ物に放射線を照射するなんて狂気の沙汰)
表 生物の致死線量
生物の種類 致死線量/rad
ヒトおよび哺乳動物 1000(千)
発芽組織 10000(一万)
昆虫卵 100000(十万)
昆虫、寄生虫 200000(二十万)
胞子不形成バクテリア 500000(五十万)
イースト、カビ 1000000(百万)
胞子形成バクテリア 2000000(二百万)
(カビやバクテリアは放射線に強い。
胞子があると更に強い)
・p.222~
放射線防護
放射線の利用はきわめて効用が大きいが、
放射線の生体への作用が種々知られており、
十分に理解して慎重に取り扱わねばならない。
国際的には最も権威ある国際放射線防護委員会(ICPR)の勧告が行動の基準になる。
わが国では
”放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律”(1980年改正)があり、
これに基づいて規制を受ける。
放射線を取り扱う根本精神は、
目的を達するために放射線を取り扱うことが不可欠である場合に限り使用するものであり、
被ばくは目的のために必要最小限に止め、無駄な被ばくは決してしないようにし、
その仕事に直接関係のない人には絶対に被ばくをさせないように注意して処置をとること。
放射線は物質との相互作用により励起と電離を起す。
生体では放射線により原子レベルでまず励起や電離が起り、
分子→細胞→組織→器官へとその影響が及ぶ。
一方生体には本来の再生回復機能があり、
放射線に被爆することが直ちに影響があるということではないことも周知経験されていることであり、
直接作用と関接作用の考え方がある。
生体では細胞レベルで70~80%も水があり、
水の放射線分解により生化学的な変化が起る。
これには、小成分である溶質に作用して変化を起す直接作用と、
水の放射線分解による反応性の強い遊離基などが溶質に作用して起す間接作用とがある。
細胞内の分子数は
表 細胞内物質の相対分子数
物質 相対分子数
DNA 1
RNA 4.4
タンパク質 7×10^2
その他有機物 4×10^3
脂質 7×10^3
無機物 7×10^4
水 1.2×10^7
のようで、
細胞の機能や生命に重要な役割を持つDNA、RNAなどに直接作用という確率よりは
もっと分子数の多い水の放射線分解による生成物との作用の方が大きな影響を起す可能性が大きい。
DNAに変化が及ぶとその細胞に障害が起る。
すなわち分子レベルの変化は細胞レベルに及び、
分裂阻害、突然変異の誘発、致死などを起し、
さらに器官組織レベルから個体全体に及ぶ。
この過程は放射線生物学や放射線生化学にとってきわめて中心的な問題であって
大きな関心を集めている分野である。
水の放射線分解
放射線のエネルギーにより水は電子、H2O、励起分子H2O*などを生じ、
電子は他の水分子に衝突してエネルギーを失い、
ついに熱エネルギー(室温0.025eV)に達し溶媒和する(H2O^- または e^- aqで示す)
一時過程とよばれる物理的な過程である。
生じたイオンや励起分子は他の分子と反応するか
または解離してフリーラジカル(不対電子・をもつ原子または分子となり、R・で示す)
を生ずる。
これらが中心となって引き続き二次過程の化学変化を起す。
そしてH3O・、H2、H2O2の生成、H2Oの再生などが起る。
放射線の水による分解生成物によりつぎつぎに新しい反応が起る。
放射線による励起と電離によるエネルギーの吸収によるためであり、
したがって線質による差異が当然考えられる。
線エネルギー付与
α粒子、β粒子、陽子、電子などは直接電離を起す能力があり、
直接電離性粒子という。
これに対しX線、γ線、中性子などは前記の荷粒電子と異なり自身では電離を起し得ないが、
相互作用のさいに生じた二次電子が励起や電離を起こすことができる。
したがって間接電離性粒子といい、
両者をあわせて電離性放射線という。
放射線により電離や励起が起った領域を"spur"といい、
できたイオンや励起分子は拡散しつつ二次過程が起り、
やがて不均一にできたspurは均一になる。
したがってspurの密度は荷電数や荷電粒子の速度によって異なり、
速度が小さく荷電数の大きいほど密度が大きくなる。
粒子の通った飛程1μmあたりに与えるエネルギー(keV)で表し
線エネルギー付与(LET)という。
放射線の線質によりspur密度したがってLETも異なってくるし、
同じ吸収線量でも放射線の種類が異なると起る変化にも差異を生ずる。
ここに生物学的効果比の概念が生まれる。
水中における各種放射線のLETの実験値は表12.10(メモ者注:この表は割愛)にあげた。
実際に生体に起る変化は単なるエネルギーから計算した結果よりはるかに大きいものがある。
したがって作用機序として間接作用の考え方が支持されてくる。
生物学的効果比と線量当量
吸収線量が同じであっても放射線の種類が異なるとLETが異なり、
LETが大きくなると吸収線量が同じでも生物学的効果が大きくなることが実験的に知られている。
知見の多い200kVのX線または
γ線(LET 3.5keVμm^-1)を標準として同じ生物学的効果を得るに必要な線量をつぎのように定義して、
生物学的効果比(RBE)とよび、表12.10(割愛)のように放射線の種類によりRBE値が異なる。
RBE
=ある生物学的効果を得るのに要する標準放射線の吸収線量
/
上と同じ生物学的効果を得るのに要するある放射線の吸収線量
RBE線量(rem)=吸収線量(rad)×RBE値
1Gy=100erg
1rad=Gy/100
この単位は放射線生物学に用いる。
各種の放射線を受けたときrem単位で加算できる。
吸収線量をradのとき
つぎのHはremを用い、
SI単位系ではGyを用いる。
放射線防護の立場では各種放射線による被ばくを、
ある決められた観点から共通の尺度で評価する必要があり、
この目的で線量当量DEが定義される。
吸収線量Dに線質係数Q(RBEの上限値)と
他のいくつかの生物学的効果を修飾する因子Nを掛ける。
H(Sv)=DQN
1Sv=100rem
たとえば因子は分布係数、時間因子その他であるが、
これらはまだ明らかになっていないので体外被曝の場合はすべての放射線にたいし1とする。
体内被曝では少しづつ求められてきている。
QはRBE値と同じ大きさである(表12.10(割愛)より)。
吸収線量Gyのとき線量当量はSvで表され、
各種放射線の被ばくを加算して評価できる(なおSv, remは直接測定できる単位でないことに注意)。
まだ障害防止法などではすべてrem単位で示されている。
許容線量
をつぎにように定義してある(ICRP)。
放射線量を、個人および集団全般に許容不能ではないような危険を伴う程度にまで制限することである。
この量が許容線量と呼ばれる。
最大許容線量MPD
どんな被爆でもある程度のリスクを伴うことがあるので、
すべて不必要な被ばくはさけること、
および経済的かつ社会的な考慮を計算に入れたうえ、
正当化された被爆からのすべての線量を合理的に達成できる限り低く保つこと
を勧告している(1977)。
このas low as possibleの意味で、
この制限線量をALAPとよんでいる。
全身の均一被爆についての年線量当量限度として
50mSv(5rem)を放射線作業者に与え、
他の組織器官の不均等照射に対しては年線量当量限度を500mSv(50rem)以下でなくてはならないとされた。
そして水晶体のみ年線量当量限度として300mSv(30rem)とだけ決め、
1965年のICRP勧告のような種々の組織についての線量を示さなくなったのが大きな変化である。
しかし全身5rem(50mSv)という限度は変わったわけではない。
そして公衆の構成員に対してはそれぞれ従来通りこの1/10を採用している。
(作業者基準は仕方ないから一般人の10倍まで許容しているだけ。
つまり作業者基準はこれくらいだから大丈夫って言っている奴は嘘つき)
体内に入った放射線核種は体内被曝を与えるが、
その線量がこの線量当量限度を越えないようにする必要がある。
年間摂取限度ALIを考え、
これを計算するには半減期、放射線特性のほか化学形や生物学的行動などを考慮する。
放射線による影響としては放射線を体外から被爆する対外被爆と、
体内に入った放射線核種による体内被曝とがある。
またその影響には被爆後4週目までにみられる急性効果と晩発性効果とがある。
後者は被爆後多年月をへて現れ、
被爆直後に現われる急性効果と必ずしもはっきり関係づけられるとは限らないようなものをいう。
またその影響について立場をかえてみると、
被爆した人自身がこうむる身体的な効果と
つぎの世代にその影響が現われる遺伝的効果とがある。
図12.3 確率的影響と非確率的影響
(グラフは割愛)
(a)確率的影響(集団を対象)
低線量による被ばく
(縦軸が確率、
横軸が線量のグラフ。
グラフにしきい値なし)
(b)非確率的影響(個人を対象)
水晶体→白内障、
皮膚→紅斑
など
生殖細胞→受胎力減退
(縦軸が重篤度、
横軸が線量のグラフ。
グラフにしきい値あり)
この被爆した線量と現れる生物学的効果との間の実験的な結果をみると、
図12.3(b)のようにしきい値のある場合と、
なくて線量に比例して生物学的効果の現われる場合とがある。
後者を(a)確率的な影響、
前者を非確率的影響とよんでいる。
身体的効果については、
それぞれの代表的な例を図12.3に示した。
遺伝的効果としては後者(a)の場合で染色体異常、遺伝子突然変異などである。
放射性核種の性状に応じて特定の器官組織に放射性物質は集まる。
臓器、組織などは放射性に対する感受性が異なる。
身体にとってもっとも重要で障害を受けやすい器官組織を決定器官または組織という
(表12.12)。
表12.11 細胞の放射線感受性の順序
高← →低
1が最高で、
7が最低
1.リンパ球
2.好中球(および好酸球)
3.上皮細胞
(1)ある分泌腺の基底上皮とくに唾液腺
(2)睾丸の精上皮または卵巣の〔さんずいへん+戸〕胞上皮細胞
(3)皮膚の基底上皮、粘膜層および胃腸の基底上皮
(4)肺胞上皮、胆管上皮
(5)腎臓の管上皮
4.血管の内皮細胞、肋膜、腹膜
5.結合組織細胞
6.筋肉細胞
7.神経細胞
細胞の放射線感受性の順序は人により意見が異なるが、
比較的よく整理されている形態学的観察に基づいて例をあげた。
(リンパ球が一番影響を受けやすいので免疫系にまっさきに悪影響が出る。
皮膚もすぐに影響される。皮膚は外に出るからわかりやすい。
感受性が表では最低の神経がおかしくなるのは相当まずいな)
表12.12 主要核種と決定臓器
核種
性状 決定臓器
の順に並べる。
3H
可溶 身体組織※2
浸漬※1 皮膚
14C
可溶 脂肪
浸漬 全身
24Na
可溶 消化管(小腸)
32P
可溶 骨
35S
可溶 睾丸
36Cl
可溶 全身
42K
可溶 消化管(胃)
45Ca
可溶 骨
51Cr
可溶 消化管(大腸下部)・全身
59Fe
可溶 消化管(大腸下部)・脾臓
60Co
可溶 消化管(大腸下部)・全身
72Ga
可溶 消化管(大腸下部)
75Se
可溶 腎臓・全身
90Sr
可溶 骨
90Y
可溶 消化管(大腸下部)
99mTc
可溶 消化管(大腸上部)
113mIn
可溶 消化管(大腸上部)
131I
可溶 甲状腺
133Xe
浸漬 全身
137Cs
可溶 全身・肝臓・脾臓・筋肉
177Lu
可溶 消化管(大腸下部)
192Ir
可溶 消化管(大腸下部)・腎臓・脾臓
198Au
可溶 消化管(大腸下部)
203Hg
可溶 腎臓
222Rn
浸漬 肺臓
226Ra
可溶 骨
232Th
可溶 骨
238U
可溶 腎臓
239Pu
可溶 骨
※1
浸漬とはガス状放射性物質に身体が包まれること。
3Hのときは3H2,
14Cのとき14CO2.
※2
身体組織とは、
骨など水分の少ない臓器を除いた全身を意味する。
50年にわたり一定濃度の放射性核種を摂取または吸入を続けているとしだいに線量が増加し、
週間線量に達するときの放射性核種の量を最大許容身体負荷量という。
この量からいくつかの仮定を設けて、
空気中および水中(あるいは食物中)における最大許容濃度MPCが求められた。
その例を表(割愛)に示す。
この濃度をこえないように実験室内の水、空気を保たなくてはならない。
また実験室外へ放出する場合には、
この1/10の濃度であることを確かめてから実施するよう放射線障害防止法で決められている。
環境放射能
表12・14にみるように遺伝的な影響としては生殖腺線量だけでよい。
ICRPでは自然放射能と医療による被ばくはこれから除外している。
しかし放射線の影響全体を考えるには、これらも含めて考えなくてはならない。
(すでに行われた核実験の結果として世界の人口が過去に受けた線量と、
今後受けるとみられる線量の和
=線量預託.
” 線量預託とは、ある着目された行為がもとになって受ける一人あたり(年間の)線量率を、時間について将来の無限の時間まで積分したものである。放射線防護の観点からの線量率としては、特定の器官または組織の等価線量率または実効線量率がとられる。線量預託を用いると、その継続的行為をとおして平均的な個人が受ける将来における最大の線量率の評価などができる。一方、集団に対する放射線による健康影響を予想する目的には、集団の人数を考慮した各年間の集団線量率の時間積分である集団線量預託が用いられる。 <更新年月>
2004年03月 (本データは原則として更新対象外とします。)
…
線量預託は、食習慣、摂取経路が同じで、平均的な人間が受ける年ごとの一人当り線量率を時間(年)について積分するものである。放射線で誘発される健康への影響の集団における発生数の予想値を得るためには、その線量預託をこうむる人数を知る必要がある。この点で、後に述べる集団線量預託では、線量預託とともにそれを受ける集団の大きさ、つまり、総人数が考慮される。”
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-02-11)
表12・15
各放射線源からの世界線量預託(UNSCEAR, 国連科学委員会 1969)
被爆線源
相対的世界線量預託※(日)
の順に並べる。
自然放射線源からの1年間の被ばく
365日
1年間の民間航空旅行
0.4
現在のリン酸肥料1年間の生産量の使用
0.04
火力発電所による世界の1年間の発電(10^6 MWe)
0.07
放射線放出消費物品への1年間の被ばく
3
現在の世界の原子力発電所による1年間の発電
2000年時点での世界の原子力発電所による年間の発電(2×10^6MWe)
0.6日
(8×10^4MWe)
15日
1951~76年の間の核実験を平均化した1年
30
1年間の放射線医学利用
70
※自然放射線被ばくと同じ線量預託となる日数で表現してある。
図12.4 環境放射能の比較
縦軸のみの図。横軸はなし。
縦軸
1年間あたりの放射線量/mrem
値の下にそれに対応する環境放射能を記す
7000
ブラジル・ポゴスデカルドラスの自然放射能
5000
職業人の年間許容線量
1500
1回の胃のX線透視
500
一般公衆の許容線量、米国デンパーの自然放射能
200
富士山頂における放射線量(宇宙線のため)
132.3
※広島の自然放射能
100
※※自然放射能(全世界平均)、1回の胸部X線写真
50
大地大気の天然放射性元素
40.1
※横浜の自然放射能
30
宇宙線による放射線量
20
体内にある放射性物質(年)(主として40K)
5
原子力発電所の線量目標値(年間)
※
測定された全国各地の自然放射能の最高と最低(ミリレントゲン1年単位)
宇宙線と大地の天然放射性元素による放射線量の和
※※
大地の天然放射性元素(50)、
宇宙線による放射線(30)、
食物から入る体内の放射性物質(20)の和
(1Sv=100rem
1mSv=0.1rem
0.01mSv=1mrem
1000mrem=1rem=10mSv
念のため調べて各自計算してください)
自然放射能の寄与は100mremy^-1とみてよく被爆の最も大きな源泉である。
これに対して医療による被ばくは文明の進展とともに増えている。
遺伝的影響の点から、自然放射能を1.00とすれば比較危険度は0.03である。
このほかに核実験による被ばくがある。
1961年までの放射性降下物による比較危険度は0.11とみられる。
核分裂生成物の粗い粒子は爆発地点付近に落ち(局所降下物)、
残りは上昇して成層圏に達し、
やがて対流圏へ落ちる成層圏降下物となる。
対流圏にとどまっているものは風とともに移動し、
雨水とともに落ち(対流降下物)、
一部は水食物を通じて人体に入る。
短寿命のものはなく、
長寿命の95Zr-95Nb,
131I,
144Ce-144Pr,
137Cs,
89Sr,
90Sr,
14Cが内部被ばくの中心となる。
すでに行われた核実験の結果として世界の人口が過去に受けた線量と、
今後受けるとみられる線量の和を線量預託と呼ぶ考え方がある。
北半球が南半球より多く
生殖腺に110mrem、
骨髄に170mremとされている。
表12・15には種々の産業、活動、原子力関連施設よりの被ばくなどを自然放射能の何日分にあたるかで示した。
これをみると医療による被ばくがきわめて大きい。
火力発電所は石炭によるU, Raの放出で、
リン酸肥料はU, Kがその主体である。
これらより大きいのは夜光塗料、煙探知器、静電除去装置、
その他生活に入ってくる消費物品である。
つぎに、受ける線量のおよその概念を得るため、
医学利用や放射能の高い地域の例などを図12・4にあげた。
これらによる被ばく線量がいかに高いかがよくうかがえる。
226Raはアルカリ土金属で骨によく集まり、決定器官は骨であり、白血病骨腫瘍などを起す。
人類活動は化石燃料を用い放射性物質を環境に散逸している。
氷河の氷中の226Raをみると、
1888年 0.004pCi kg^-1であったものが、
1900, 1910, 1970年と
0.019±0.012,
0.032±0.012,
0.206±0.028
とふえていることがこの事実を物語っている。
man-madeの放射能や人類活動による環境放射能の増加には十分に看視をしなくてはならない.
海老原 寛 著作/塩川孝信 監修
『基礎核化学』(講談社)
1987年7月10日 第1刷発行 つまり初版。
放射性物質の原子から放射される放射線には三種類の異なった性質のものがあり、
α、β、γ線と名づけられた。
α線の正体は2価の正電荷をもつヘリウムイオンであり、
ベータ線は電子であり、
ともに高速で運動している粒子線である。
γ線とX線は可視光線より波長の短い(エネルギーの大きい)電磁波。
これらの放射線は共通に持っている性質が
①写真作用
②電離作用
③蛍光作用
④熱作用
など。
最も軽い原子核は水素原子の核であり陽子(proton)と呼ばれる。
陽子は1単位の正電荷をもち、質量は原子量の単位でほぼ1。
陽子と中性子(neutron)を合わせて核子(nucleon)と呼ぶ。
原子核の正電荷は陽子の数で決まり、
質量は核子の数で決まる。
陽子数は原子番号と等しいので元素を決定する。
1種の元素でありながら、中性子数の異なる原子どうしを同位体(isotope)と呼ぶのは、
周期律表の上で同じ位置を占めるという意味である。
現在ではすべての元素が複数個の同位体をもつことが知られており、
あるものは天然に存在し、あるものは人工的に合成されたものである。
人工的に作られた同位体は一般に不安定であって、
放射線を放出して自発的に安定な原子へと変化していく。
このような過程を放射壊変(radioactive decay)という。
原子の化学的性質は原子核ではなく、
核外の電子にほぼ全面的に起因している。
一つの元素の同位体は同じ核電荷と同数の電子をもつから
化学的にはほとんど同じ性質を示す。
したがって質量差が大きな割合となる軽い元素を除いては、
一般に同位体を化学的に識別することは困難である。
元素記号の左肩にある質量数は核子数(陽子+中性子)と同じ。
元素記号の左下の原子番号は陽子数と同じ。
中性子数は質量数から陽子数を引けば出る。
質量数で区別された原子を核種(nuclide)といい、
核種の名前は従来の元素名の後に質量数を追加する。
酸素-16など。
ただし水素の同位体にだけは固有の名前があり、
質量数が1なら(軽)水素protium、
2なら重水素deuterium、
3なら三重水素tritiumという。
またそれらの核またはイオンにもそれぞれ名前があり
1H+を陽子proton、
2なら重陽子deuteron、
3ならトリトンtritonという。
・特殊相対性理論によればエネルギーと質量は等価。
・励起状態の核が基底状態へ転移するときに粒子を放出せず、
電磁波のみを放射する場合も、
転移の前後の質量差に相当するエネルギーが電磁波のエネルギーに転換されたと考えればよいから、
放射される電磁波の波長または振動数がわかる。
電磁波のエネルギーE(J)と波長λ(m)または振動数ν(Hz≡s^-1)の間には
(≡は合同記号で、
元来、合同式の合同(モジュロ)を表すための記号。
(幾何学的な)合同。
恒等式。
定義。
同値。
の意味でも使われる)
式
E=hν=hc/λ
の関係がある。
ここでhはプランク定数である。
(メモ者註:プランク定数h=6.6260755×10^-34 J・s
は [エネルギー×時間] の次元を持つ。)
電磁波は古典的な静止質量はゼロであるが、
振動数が決まればエネルギーが決まり、
エネルギーが決まればそれをc^2で割って相対論的な光の質量が得られることになる。
このように電磁波を相対論的に見て
E=hνのエネルギーをもち、
m=E/c^2 の質量と
p=E/c の運動量をもった粒子の集団として取り扱うときは、
個々の粒子を光子(photon)または光量子(photon quanta)という。
光を粒子として扱うことによってのみ理解できる現象が
後述のコンプトン散乱や光電効果など多数知られている。
古典的な静止質量がゼロである電磁波も光速と等しい速度で運動しているから
相対論的質量をもち、
またその逆に運動しつつある粒子(静止質量m、速度v)は
λ=h/mv なる波長をもつ波動が伴っている。
これを物質波またはドブロイ(do Broglie)波という。
このように物質が粒子と波動の両方の性質を兼ね備えていることを
N.Bohrはcomplementarity principle(相補性)と呼んだ。
核子間の結合エネルギーが
原子間の化学結合エネルギーにくらべて桁違いに大きい。
(だから核エネルギーは危険すぎる)
・原子核における核子も自転運動をしながら、
同時にある形の軌道運動を続けることによって系を安定化させていると考えられる。
並進運動は一過性のものであり、その系を変化させ破壊する方向に進む。
ところが回転運動はいったん始まれば定常状態を作り出し、
外力が加わらないかぎりその系を永遠に保存する。
広義の放射線とはすべての電磁波と高速の粒子線をいう。
電磁波には㎞以上の波長をもつ電波(長波)や、
可視光線も含まれ、
人間の目に見えるものもあるが、
紫外線より短波長の電磁波は
X線(~10nm)やγ線(~1pm)の領域になり、
人間の五感にはほとんど感じない。
粒子線の物質波も高速で運動している場合を考えているから
波長は非常に短く、目に見えない。
(可視光線
380(紫)~780(赤)nm
紫外線
1nm~380nm
光
=狭義には目に見える波長である
約380(紫)~780(赤)nmの
可視の電磁波。
広い意味ではすべての波長の電磁波)
核化学や放射線化学で取り扱われる放射線は狭義に定義され、
放射性物質から放射される電磁波や粒子線と同程度か、
それ以上のエネルギーをもつものをいう。
さらに限定して、
物質との相互作用で直接または間接的に
相手の原子に電離(イオン化)をおこさせるような電離(性)放射線を取り扱うことが多い。
エネルギーの低い電磁波(赤外線、可視光線、紫外線など)を
原子や分子に照射すると励起状態を作り出すが、
高エネルギーの放射線ではさらにイオン化もおこす。
電荷をもった荷電粒子線であれば、
直接相手原子の電子と衝突してそれをはじき飛ばし、
自由電子と陽イオンの対を作る。
この過程を直接電離といい、
これをおこすものを直接電離性放射線という。
荷電粒子が物質中で全運動エネルギーを失って静止するまでに飛行する距離を
飛程(range)という。
飛程は入射粒子の電化、質量、運動エネルギーおよび標的原子の原子番号に依存する。
粒子線が物質中で、飛程に沿った単位長さあたりに失うエネルギーを、
その物質の阻止能(stopping power)、
またはエネルギー損失という。
(レンジとストッピング・パワーという言葉からは
弾丸の貫通力と防弾チョッキの強度を想起する)
・同じ現象を、
放射線が失ったエネルギーでなく、
物質が吸収したエネルギーという逆の視点で考えることもできる。
すなわち吸収体が飛程に沿った単位長さあたりに吸収した
エネルギーEabsのことを
その放射線が物質に与える線エネルギー付与(linear energy transfer, LET)という。
阻止能とLETはエネルギー損失・吸収の過程で電磁波の放射がなければ、
当然同じ値になる。
ところが電離放射線のような高エネルギーの荷電粒子では制動輻射(次節で説明する)
という現象がおこり、
エネルギーの一部が電磁波に変換され、
物質に吸収されずに系外に放出される。
このために阻止能はLETより、
変換された電磁波のエネルギーEx分だけ大きくなる。
Sp
=dEloss/dx
=dEabs/dx +Ex
同一物質に同一エネルギーで異なった線質の放射線を照射したときの
LETは、次の順で大きくなる
(1)高速でエネルギーのそろった電子線(γ線も同程度)
(2)最大エネルギーの大きいβ線(軟X線も同程度)
(3)陽子線
(4)重陽子線
(5)α線
(6)高速の重イオン
(7)核分裂生成物
LETが大きいということは、
単位長さ当たり生成するイオン対の数が多いことを意味するから、
ひき続いておこる二次的効果(化学的、生物学的)も大きくなる。
それらの効果を論ずるときは阻止能よりもLETで評価する。
特に放射線の人体に与える影響を評価するときは線質によるLETの差が重視される。
・電子線(ベータ線)の作用
放射性物質のβ壊変によって放出される、
高速の電子線をβ線と呼び、
エネルギーはゼロからある最大値までにわたる連続スペクトルをもつ。
単に電子線といえば加速器で作られた
単色の(エネルギーのそろった)ものをいう。
しかし以下に述べる基礎過程は全く同様におこり、
β線ではそれらの過程が連続的に重畳しておこるだけのことである。
電子線もエネルギーによっておこる過程が異なる。
重荷電粒子線の場合はエネルギーが大きいほど、
弾性散乱のおこる確率は大きかったが、
電子線の場合は小さいエネルギーでも弾性散乱がおこる。
制動輻射(制動放射)とは荷電粒子が核の近傍を通過するとき、
核のクーロン場によって速度が減速され、
減速された分の運動エネルギーを、
電磁波として放射する現象であり、
放射損失(radiation loss)と呼ばれる。
また放射される電磁波を制動放射線(Bremsstrahlung)という。
この現象は吸収体の原子番号の2乗に比例して増大し、
入射粒子の質量の2乗に反比例して小さくなる。
非常に高エネルギーの電子線では他の過程と同時に、
チェレンコフ効果(Cherennkov effect)もおこる。
これは粒子線の速度が吸収体中での
光速(真空中の光速をその物質の屈折率で割ったもの)より大きい場合に、
粒子線の進行方向に円錐形の波頭をもった光
(可視光からX線までの波長を含む)が放射される現象である。
たとえば水(屈折率は1.33)の中を光速の75%以上の速度をもつ
電子線(約0.6MeV以上)が通過すると水が光る。
高濃度のβ線放射体の水溶液が暗室中で青白く光るのも、
運転中の原子炉(スイミングプール型)の炉心が青く光るのも、
このチェレンコフ光(Cherenkov radiation)が見えるのである。
(チェレンコフ光が見える=非常に危険)
・X線とγ線の区別はエネルギーによると思われがちであるが、
厳密には発生源による。
核から放射される電磁波γ線であり、
原子から放射されるものはX線である。
したがってX線よりエネルギーの低いγ線もありうるし、
消滅放射線のようにどちらにも区分できない光子もある。
荷電粒子線ではそのエネルギーに対応する飛程より厚い吸収体を置けば、
事実上完全に阻止することができるが、
光子は電荷をもたず、静止質量もゼロであるので、
本質的に物質との相互作用は小さい(透過性が大きい)。
1個の光子が物質中の原子と衝突する確率(散乱断面積)は非常に小さく、
ほとんど何の相互作用もせずに通過してしまう。
光子は吸収体を厚くしても線束の強度が減少するだけで、阻止することはできない。
完全に阻止するには無限大の厚さを必要とすることになり、
光子には飛程という概念は定義できない。
(光子と電磁波は別ものではない。
光子は電磁波の呼び名の一つ。
電磁波を相対論的に粒子として見る場合に
光子(photon)または光量子(photon quanta)と呼ぶだけ。
前提条件次第で電磁波は呼び名が変わる)
・中性子は電荷をもたないので、
物質による減弱の関係式は光子とまったく同じ指数関数となる。
光子は軌道電子との相互作用が重要であったが、
中性子と原子とのそれはもっぱら原子核との間で行われ、
電子とはほとんど作用しない。
・放射性物質の量を表すには原子数による場合(重量)と
壊変数による場合とがある。
壊変速度によって表すときはベクレル(Bq)が基本単位である。
毎秒1個の壊変がおこりつつあるような放射性物質の量を1Bqという。
従来から使われているdps(disintegration per second)と同じ定義である。
現在もしばしば使われるキュリー(Ci)という単位はSI単位系とコヒーレントでなく
式
1Ci
=3700×10^10Bq
=37GBq
のような換算係数をもつ。
Bq単位で表した放射能は重量と直接は比例しない。
放射性同位体を含む元素または化合物の単位重量当たりの放射能を
比放射能(specific activity)という。
・吸収線量(absorbed dose)
吸収線量Dの単位は
Jkg^-1 またはグレイGy。
従来の慣用単位ラド(radiation absorbed dose)との換算は
1Gy=100rad
である。
・線量当量
保険物理学の分野では放射線の動物に対する吸収線量をはかるのに
レムという単位が従来から用いられてきたが、
現在はSI系誘導単位でシーベルト(Sievert, Sv)が用いられる。
これは物理的吸収線量Gyに
放射線の種類とエネルギーによる定数(線質係数, quality factor)および
その修飾因子Nを乗じたものである。
すなわち
1Sv=1Gy・QF・N
であり、
線質係数は基準となる線質(125keVのX線)の放射線がもたらす生物学的効果と
同じ効果をもつ他の線質の放射線に対して
QF=1
とし、その何倍の効果を及ぼすかを示す係数であり、
生物効果比(relative biological effectiveness, RBE)とも呼ばれる。
これは様々な線質の放射線に対する水の阻止能から導かれた値が使われている。
・放射線化学は放射線で分子励起または電離した物質の化学反応を研究するものであり、
その研究成果は高分子化合物の放射線重合
(特にグラフト重合によるプラスチックの合成)として実用化されている。
また生活廃棄物を放射線分解によって処理する試みもある。
大きな線量の照射ではどんな生物も死滅するので
殺菌、殺虫、がんの治療などに使われ、
中程度の線量では種子の発芽防止ができるので
バレイショやタマネギなどの食品保存や貯蔵に用いられる。
(狂気の沙汰だ)
少線量でも生物の成長促進作用を停止させるので、
昆虫の不妊化駆除に成功した例(ウリミバエ)もある。
放射線は遺伝子に損傷を与えることが知られているので、
人為的に突然変異を加速して品種改良する。
放射線育種が農学分野で盛んにおこなわれている。
稲の優良品種レイメイは放射線育種の傑作といわれている。
(こんなの食えるか)
放射化分析や蛍光X線分析もある。
もう一つ重要な例としてメスバウアー分光法がある。
工業計測機器がある。
放射線の発熱作用を利用するアイソトープ電池は
従来から無人灯台や、人工衛星の電源として
90Sr、238Puなどを使って、
出力数百ワット程度のものが実用化されていたが、
最近は医学の分野でも人工臓器の電源として
3H、147Pmなどを使った超小型の電池が開発された。
(やばそう)
・最近わが国で作られた鉄にはごく微量の60Coが入っており、
低レベル放射線測定器の検出器の遮蔽に鉄材を使うときに重大な障害となる。
これは製鉄に使う溶鉱炉の耐火煉瓦に腐食監視の為、
60Coが埋め込まれているからである。
生物学では動植物による物質の取り込み後の体内分布の研究などがある。
たとえば32Pで標識したリン酸カリウムを植物に与え、
後に植物全体をオートラジオグラフィーで見ると、
肥料が植物体のどの部分にどれだけ移動したかが写真の黒化度でわかる。
(移行係数うんぬんのやつもだろうね)
・年代測定(radiochronology)
放射性核種の壊変定数は特別な核を除いて一定であり、
物理的・化学的な条件によって変化することはないので、
精密な時計として利用できる。
長寿命の核種は岩石など地球化学的試料や考古学的試料の中に、
自然が埋め込んだ時間についてのトレーサーと考えることができる。
年代測定の原理は壊変の法則そのものである。
すなわち試料中に含まれる放射性核種(壊変定数λ)の、
現在とt年前の原子数をNt、Noとすると、
このt年間に試料と外界の間で物質の出入りがなかたっとすれば、
式
Nt=No e^-λt
t= 1/λ In(No / Nt)
となる。
(No / Nt)を知るには二つの方法がある。
一つは
t年前における放射性核種と、
それの安定同位体との存在比(比放射能に相当)が
現在と変わらない、
という仮定が許される場合は、
Noがわかるので、
No / Ntが求められる。
炭素を含む試料における14C-datingがこの例である。
他の一つは
放射性核種の壊変生成物がすべてその試料内に蓄積されている、
という仮定が許される場合は、
生成物の量をはかって(No-Nt)が求まるから、
No / Ntも求まる。
炭素-14法は生物体の遺骸などのような炭素を含む試料に限って適用できる。
生物が生存中は大気や海水中の二酸化炭素や
炭酸イオンに一定割合で含まれる14Cを取り込んでいるので
14C/12C比は大気中の値と同じである。
生物の死後は遺骸中の14Cはその半減期に従って減少するので、
現在残っている14Cの濃度と、
現在の炭素中の14C濃度から
式によって年代を求める。
このときの条件は現在とt年前の14C/12Cは同じであること、
生物の死後に遺骸中の14Cの出入りがないことである。
C14の半減期は5730年であるから、
数百年から3万年程度までは精度良く測定できるので、
考古学的試料の年代決定に有用である。
・個人被ばく線量の許容限度は現在の法律では
公衆については年間0.5レム、
職業被爆は3月につき3レム、または年間5レムとなっている。
個人に対する放射線被爆の影響は早期効果と晩発効果とがあるが、
いずれも非確率的影響(non-stochastic effects)であり、
一定の閾値以上の被ばくでは線量に応じて(シグモイド曲線型で)障害の発現があり、
障害の重篤度も増す。
ところが子孫に対する遺伝的影響を考えると、
こちらは確率的であり(stochastic effeccts)、
閾値というものははく、
被ばく線量に正比例(1次直線型で)して、
障害発生の確率は増加する。
しかもこの直線は線量がゼロの時も確率がゼロではなく、
その生涯に固有の自然発生の確率が切片となる。
したがってまったく被爆しなくても一定の確率があり、
どんなに低い線量でも被ばくをすればこれだけの影響が確率に加算される。
(どこが少量なら大丈夫だよ!)
『放射化学概論』[第2版]
富永 健 佐野 博敏
ISBN978-4-13-062500-5発売日:1999年08月05日
のメモ。
初版は1983年1月31日
放射化学概論 第3版
富永 健 著佐野 博敏 著
ISBN978-4-13-062507-4発売日:2011年11月29日
311以降。
・ラドン温泉のラドンに何らかの医学的な効能のあることも示唆されている。
多くの地点の地下水やそこで発生する気体のラドン量の
継続的な観測が地震予知の一つの情報を与える可能性があり
そのような研究もされている。
ラドンの存在はα線の放出も伴い
α線は電離作用も大きく生物体への影響も最も大きい。
ラドンが気体であるために
呼吸器を通して体内に取り入れられて内臓被爆を招き
たとえばウラン鉱山で働く鉱夫に肺がんの発生率が高いことが指摘されているが
鉱山の坑内のラドン濃度に比べれば
一般住居内の濃度は約一万分の一の低さである。
鉱夫の坑内滞在時間が限られていることを考慮すれば
一般住居での爆破は坑内に比べて約千分の一に増すことにはなるが
私たちの健康に害があるかどうか
あるいは何らかの益があるのかどうかの結論は出されていない。
(ラドン温泉がさすがに必ず効果ありと断定しない。
大帝のインサイダー情報によると
ラドン温泉は体に悪いからやめとけとのこと。
悪いとわかったが、
一度良いと言ってしまったので大病院が黙っているらしい。
大量のデータを大病院は握っている)
・β-(ベータマイナス)線は
20keVで光速のほぼ1/3,
500keVでは80%にも達する高速の粒子である。
真空中の光速に近い高速電子などの高エネルギー荷電粒子が
屈折率の高い物質中を
通過するとき光(青色)を発生する。
これを発見者にちなんでチェレンコフ放射という。
放射線測定器(チェレンコフカウンター)に応用されている。
β-線の最大飛程は
同じエネルギーのα線の数百倍に相当し
500keVのβ-線では空気中で約150cm、
2Mevになると850cmにも達する。
・弥生時代、古墳時代から奈良時代にかけて、
銅鏡、銅鐸、銅〔かねへんに刄〕、銅銭などの青銅器が多数考古遺物として発掘されている。
青銅製品には鉛が含まれるが
鉛の安定同位体204Pb, 206Pb, 207Pb, 208Pbの存在度は
ふつう鉛の鉱山ごとに異なったほぼ一定の値となる。
これは鉛鉱床ができた年代と
そのときの鉛に含まれるウラン、トリウムの割合によって、
その後のウラン・トリウムの壊変で生じる
206Pb, 207Pb, 208Pbの存在度が決まるためである。
したがって、これら考古試料について鉛の同位体比を分析すれば
どこの鉱山の鉛でつくられたか原料産地が推定できる。
これまでの研究から、
たとえば弥生時代の銅鏡や銅鐸などは
はじめは朝鮮半島産の鉛、
その後は中国北部産の鉛を含むことがわかっており、
これらの青銅器がどこでどのようにしてつくられたかを知る重要な手がかりとなる。
(材料を日本列島に運んでから作ったか、
原材料があるところあたりで作ったか区別できるの?)
地球のむかしの環境についての貴重な情報が酸素同位体比の測定で明らかになる。
本からは以上。
(グレイは吸収線量の単位
=物質に吸収された電離放射線のエネルギーの計量単位。
物質一キログラム当たり一ジュールのときが一グレイ。
一グレイ=百ラド。
放射線の被照射体が一キログラム当たり百分の一ジュールのエネルギーを吸収する場合が一ラド。
シーベルトは人体や生物に対する線量当量の単位。
一シーベルトは百レム。
シーベルトは
吸収線量(グレイ)×線質係数×修飾係数(通常は1)で求められる。
線質係数はX線、γ線では1で、
中性子線、α線ではそれより大きい。
レムは
放射線の吸収線量を、
その生物学的効果によって測った線量当量の慣用単位。
放射線を生物体に照射する場合、
その影響は放射線の種類(X線、α線、β線など)によって異なるので、
それらをすべてX線の場合に換算し、
X線の1ラドと同等の生物学的効果をもつ吸収線量を1レムとする。
最大許容線量
MPD
Maximum Permissible Dose
は物理小事典によると、
眼球の水晶体に対しては15rem/年、
他の組織に対しては50rem/年、
全身に平均して被爆するときは5rem/年。
一般人についてはこの1/10。
1rem=0.01Sv=10mSv
一秒間に一回崩壊する放射能の強さ
=放射性核種の壊変数が一秒につき一個であるときの放射能の量
=毎秒の崩壊数が一個であるような放射能
=一秒あたりに崩壊する原子数が一個であるときの放射性核種の放射能
が一ベクレル。
単位はs^-1
一キュリーは3.7×10^10ベクレル。
キュリーとベクレルは放射「能」のSI単位。
放射線
①物体から放出されてくる電磁波および粒子線の線束の総称
②放射性原子の崩壊に伴って放出されるα線、γ線、β線などの総称。
α線、β線などの荷電粒子の放射線は物質中を通過する際、
物質中の原子を電離してイオンを作る。
電離作用のある放射線を電離放射線という。
γ線それ自体は電離作用がないが、
物質中に吸収されて、電子にエネルギーを与え、
生じた二次電子が電離作用をおこす。
生物体に対しては、細胞を破壊したりするので、
多くの場合有害である。
また、化合物を分解したり、重合させたりする性質がある。
とくに高分子に対する放射線重合反応は工業的に重要である。
放射線は電離作用、写真作用、
蛍光作用(写真フィルムに感じる)、
熱作用を示す。
現在では、中性子線、制動放射によるX線なども放射線に含めるのがふつう。
狭義
放射性元素が崩壊する際放出される粒子線(α、β線など)や
電磁波(γ線は非常に波長が短い電磁波)の総称。
放射性元素から出たものでない粒子線(陽子線、中性子線、重陽子線など)や
電磁波(X線など)、
宇宙線等を含む。
広義
すべての電磁波、粒子線。
レントゲン(照射線量)、
ラド(吸収線量)、
レム(生体実効線量)などの単位であらわされるが、
SI組立単位では線量当量としてシーベルトが用いられる。
レントゲンは
X線またはγ線の照射線量の単位。
一レントゲンは
標準状態の空気一立方センチメートル内において、
1CGS静電単位の正負イオン対を生ずるような照射線量。
記号R.
一レントゲンは
0.000258クーロン毎キログラム。
0.000258=2.58×10のマイナス4乗。
レントゲンはX線、γ線の照射線量の単位。
X線またはγ線の照射により、
空気一キログラムにつき放出された電離性粒子が、
空気中でそれぞれ2.58×10^-4クーロンの電気量をもつ正および負のイオン群を生じさせる
照射線量(計量法)。
以上、手持ちの辞書たちより。
ネット情報はできるだけ使いたくない。
” 飛程 ひてい
電子、陽子、アルファ線などの荷電粒子が物質中を進むとき、電離作用によりエネルギーを失い遂には粒子は停止する。停止するまでの距離、すなわち、飛跡の長さを飛程という。電子は、その進路の終わりに近いところでは、非常に屈曲して進むので、進路に沿って全飛程の長さを測り、これを特に「真飛程」という。
<登録年月>
1998年01月”
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=642
(飛ぶ射程)
飛程(range)
https://kotobank.jp/word/%E9%A3%9B%E7%A8%8B-120236
”
荷電粒子が物質に入射して止るまでに走る距離。一般に粒子のエネルギーが大きいほど,また軽い物質中ほど飛程は長い。電子,陽電子以外の荷電粒子はほぼ直進し,粒子の種類,エネルギー,通過する物質の種類が同じなら飛程はほぼ同じである。電子では飛跡は曲り,また制動放射の起る可能性もあるので,前述の意味での飛程は定まらない。入射した電子数が物質層の厚さに伴って減少する様子を示す吸収曲線を測定し,その傾斜の最も急なところを直線で外挿して求めた電子数がゼロになる吸収層の厚さを実用飛程と呼ぶ。実用飛程は,β線の電子のようにエネルギーの連続スペクトルをもつ場合にも同様に定義される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
電子線やα線など電荷をもった粒子放射線が物質中に入射すると,入射粒子は,非常にエネルギーの大きい場合,制動放射と呼ばれる放射線を発生してエネルギーを失う過程も無視できないが,通常は主として物質中の電子と相互作用してエネルギーを失いながら進む。質量の大きいα粒子や陽子は物質中の道筋がほぼ一直線になるが,軽い電子では散乱を受けて曲がった道筋となる。荷電粒子が物質に入射してからその運動エネルギーを失うまで物質中を走った直線距離を飛程という。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
”
)
参考資料
イシカワ(いきている) @ishikawakz 2016年1月2日
15年以上前だが中身はしっかりしている放射化学の教科書をブックオフで立ち読みしていたら、ちゃんと、放射線の線種ごとに影響が違い、人工線源は微量でも影響があり得る、核種ごとに影響を受ける臓器も違い、と書いてある。
政府は昔の放射化学の教科書を絶版にしないか心配。
基礎放射化学 丸善 http://www.amazon.co.jp/dp/462104530X/ref=cm_sw_r_tw_awdo_m-3Hwb1QH46FX … amazonJPより たぶんこの本
基礎放射化学 単行本 – 1999/9
村上 悠紀雄 (著), 鈴木 康雄 (著), 佐野 博敏 (著), 中原 弘道 (著)
だってQがNより前にあるの不自然すぎるww著者は前田さんと大崎さんだww
田丸和子 @taskforce2011 2011年4月9日
私のネタモトは『放射化学概説』(倍風館)、『基礎放射化学』(丸善)、
『放射化学概論』(東大出版会)、『基礎核化学』(講談社)とCNICなどの資料のみ。えっ、古い本ばっかじゃねえか、と。それはねぇ当時この学界がまだまともだったから。#genpatsu#hoshanou
いいなのお気に入り♪bot(2011年)
@117gogo
4月19日
放射線を売り物にする温泉は、玉川温泉、三朝温泉、増富温泉、二股ラジウム温泉、綱島、秩父など全国に点在します。新潟県の村杉温泉では、2766ベクレル/lの高い濃度を売りにしていますが、
これはWHOや米国が推奨している基準、100-150ベクレルを20倍以上大幅に超えるものです
至誠の声 @座右の銘は「総理も議員も辞める」
? @haikyonohato_2
2017年11月26日
ラドン飲料水(サイトより)
ラジウムから生まれる気体、ラドン飲料水は20世紀初頭に体に良いとされ販売されていた。現在、WHOでは、ラドンは発ガン物質と認定し、アメリカの環境保護省も、一切健康産業に使用を認めず米国では、故意に使用すれば犯罪として処罰されるそうだ。
Mikuroid
? @Mikuroid
5月1日
電圧はう○こを捻りだす力
電流はう○この量
抵抗はう○この太さ
ほんと分かりやすい 目からうんこ…
(放射線の線種ごとに影響が違い、
人工線源は微量でも影響があり得る、
核種ごとに影響を受ける臓器も違うと教科書にはちゃんと書いてある。
松果体@維持機能
? @Radiologist315
2月3日
障害防止法の名前が来年九月から変更とな、、(×_×)
「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」から「放射性同位元素等の規制に関する法律」になるって。。
第一条 「この法律は~これらによる放射線障害を防止し、」のあとに「及び特定放射性同位元素を防護して」が追加。
報告の義務強化で「運搬委託された者は除外」、報告義務は「事業者」に課す。専門知識とか再発防止策を講じるために事業者の責任をより明確化させるためだそう。
あと、RIが管理区域内で漏えいしたときの除外規定が限定されてるから「排気設備の機能が適正に維持されている場合」、「表面密度限度までの漏えい」を追加。
使用施設で人が常に立ち入ることができる場所の線量限度のみ規定されていたのが「施設基準が限定されている放射線施設」と、全体的なイメージに変更~)
お読みくださり感謝!
« 【読書メモ】『ギリシャ正教』『正教会の祭と暦』『東方正教会』 。原罪による堕落説、 ピラミッド型支配構造の教会、 政教分離も西方ヤソ思想であり 正教にはなし!311年にローマがキリスト教の迫害を停止したのでキリスト教にとって311は特別! | 基礎知識問題の解答に必要な要素はこちら(模範解答は作らない)! 正教は最良の入門書『正教会の手引き』を公式がネットで無料公開しているので必読! 『クジラの子らは砂上に歌う』考察。 お役立ち文献集 »
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