米Twitterのエンジニアをサウジアラビアが懐柔し、反体制的なツイートをするユーザーのアカウントへのアクセス、情報提供を指示していたと、米New York Timesが10月20日(現地時間)に報じた。
同メディアによると、2015年に西側の諜報機関がTwitterに同社のエンジニア、アリ・アルザバラ氏がサウジの政府に懐柔され、反体制派のアカウントをスパイしていると警告したという。アルザバラ氏は2013年にTwitterに入社し、サンフランシスコの本社でSite Reliability Engineerとして働いていた。
Twitterはアルザバラ氏について調査したが同氏がサウジ政府に個人情報を流していた証拠は見つけられず、それでも2015年末に同氏を解雇した。アルザバラ氏はその後サウジアラビアに帰国し、現在は政府で働いているという。
Twitterはアルザバラ氏がアクセスしたとされるアカウントのユーザーに対し、警告を送った。対象はジャーナリスト、政策学者、セキュリティ専門家、政治活動家など。New York Timesは、死亡したジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の情報が含まれていたかどうかには言及していないが、カジョキ氏がサウジ政府が反体制派を黙らせるために立ち上げた「トロールファーム」(フェイクニュースを拡散するための組織)の攻撃を受けていたとしている。
このトロールファームは、攻撃対象や監視すべきトピックのリストをWhatsAppやTelegramなどのメッセージングアプリのグループチャットで共有し、大量に作ったアカウントで政府寄りのメッセージをツイートし、反体制派のツイートを削除させるためにTwitterに大量の報告を送っていたという。
TwitterはNew York Timesをはじめとするメディアからの問い合わせに対し、コメントを拒否している。
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