黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

香港で見かけた「のん」さんの巨大広告

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ツイッターをやっていると、時折のんさんのニュースが流れてくるんですけど、そういえば事務所との問題ってどうなったのかな…と思いつつも、先日香港で見かけた大きな広告のことを思い出しました。

【目次】

香港の大通りを走る二階建てバスにのんさんの広告を発見!

ツイッターのリプライで、のんさんがJR西日本のA0サイズのポスター広告に登場されているのを教えてもらいました。ありがとうございます。

日本にいても、あまり街中の広告とか注意して見ないし、テレビもほぼ見ないので、彼女が今どういう活動をしているのか知らないんですけど、香港でたまたま巨大なラッピングバスの広告を見た時には、驚きました。

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たぶんノースポイント(北角)より東側のトラム通り沿いで目撃したと記憶しているんですけど。

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「黄金比例の透明質酸」というよくわからない日本語…というより『の』を入れているだけですけど、このタイプの「の入り広告」は香港では何故かよくあります。

ロート製薬のヒアルロン乳液(肌ラボ)の広告でした

▲どうやら、こちらの商品の広告みたいですね。ロート製薬が出している乳液です。

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この時そばにいた香港人の友人に彼女を知っているか聞いてみたら、「知らん」とのこと。40過ぎのオッサンで全然芸能界とか興味ない人なので仕方ないか。香港における「のん」さんの知名度についてはわかりません。

ウィキペディアを見てみると、今までどの広告に出ていたかわかるのですが、海外の広告は対象になってないのですね。

私も芸能界のことには疎いので彼女の一連の件について、よくわかってないのですけど、日本でいろいろ事務所のことでもめている彼女が、世界から人が集まる国際都市で大きな広告に出ているのを見て、やっぱり彼女は本来そういうスゴイ人なんだなぁ…と再確認した次第です。

追記1:中華圏での広告展開の経緯について

このブログ記事を書いた後で、ちょっと気になって検索してみると、上掲のニュースをみつけました。

香港限定ではなく中華圏全域で広告展開しているそうで、広東省にも行ってたのですが、彼女の広告には気づきませんでした。

日本側の判断での起用ではなくて、「香港に拠点を構える現地法人の中国人宣伝担当者」による起用だった…とのことでした。

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追記2:国際的化粧品市場としての香港

こちらのブログ記事がバズったので、その後のツイートも収録して、ちょっと追加説明しておきます。

香港は人口700万程度で、中国に返還されて既に20年が経過しており、規模でいえば中国の大都市の内の1つ…ぐらいなわけですが、一国二制度で今でも「国際都市」としての地位があります。のんさんが香港で大きな広告に起用された意義を理解する上で、国際都市・香港の「背景」を理解しておく必要があります。

▲わかりやすい資料としてジェトロの動画がありましたのでこちらを参照すると概要がつかみやすいです。

香港の化粧品輸入額と再輸出

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▲動画58秒目にこのような情報がありますけど、人口700万の香港が輸入する化粧品の額は、人口13億の中国より200億円低いだけです。

これは、中国ではまだ化粧の習慣がそれほど普及していない可能性があるのと、香港は輸入した化粧品を全てを香港で消費しているのではなく、第三国への再輸出(たぶんそこには中国も含まれる)している可能性があります。

http://www.iti.or.jp/kikan49/49masuda.pdf

▲こちらを見ると、

中国の貿易拡大と香港を経由する再輸出は不可分の関係にある。香港の再輸出は香港の総輸出額の約 9 割を占め、メキシコ、韓国、台湾の輸出額を上回る。

 …とあります。再輸出の比率は品目によって違うのですが、化粧品の再輸出はかなり多いもの…と考えられます。

化粧品需要の70%近くがスキンケア関連

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▲5分20秒ぐらいから始まる説明で、香港の化粧品市場はスキンケア関連が多い…とあります。

http://www.ncbank.co.jp/hojin/asia_information/chuzaiin_news/pdf_files/hongkong_201206.pdf

▲こちらは少し古い情報ですが、西日本シティ銀行のレポートによれば、

基礎化粧品やクレンジングなどのフェイシャルケア用品は特に人気があり、化粧品・スキンケア市場全体の約 70%を占めています

 …とあります。ロート製薬が肌研(肌ラボ)極潤 ヒアルロン乳液を香港に力を入れて売り込むのは、こうした背景があるわけです。そして、

香港から発信して東南アジアにブランディング

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▲6分50秒前後にこの発言がありますけど、香港は周辺の国や地域に化粧品の再輸出する「問屋さん」みたいな場所であり、同時に周辺の各国から観光客を集めているので、そういう香港で事業&広告展開をすると、周辺各国へのブランディング効果が望める…そういう背景がある中で、今回のんさんが起用された…というわけです。

たまたま私はこの手の背景を知っていたので、香港でトラムに乗って、のんさんの巨大広告を見た時に、「これはツイッターで日本のみんなに必ず見せなきゃ!」と思ってすぐさま写真を撮った…というわけでした。