朝鮮日報

【社説】「脱北者出身記者排除は言論の自由の侵害」との指摘に韓国政府は答えよ

 このようなメディアの動きとは別に、脱北者の権利保護の先頭に立つべき統一部が、脱北者出身記者の取材を妨害したことへの批判や失望は非常に大きい。北朝鮮民主化委員会や脱北者同志会など30以上の団体は共同で「脱北者出身記者差別非常対策本部」を立ち上げた。自由を求めて命懸けで韓国にやって来た脱北者は3万人以上とされているが、韓国政府が北朝鮮の顔色をうかがい、脱北者を2等国民のように扱ったことへの失望があまりにも大きかったからだ。しかし統一部の趙明均長官は「南北閣僚級会談をスムーズに進めるためのやむを得ない判断だった」として、記者団が求める「再発防止の約束」を拒否した。政権への高い支持率を背景にまさにやりたい放題だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先月米国を訪問した際、フォックスニュースとのインタビューで「言論と脱北者を弾圧し表現の自由を抑圧しているとの指摘がある」との質問に「韓国の歴史上、今のように言論の自由が謳歌(おうか)される時期はなかったと思う」と述べた。文大統領はさらに「(脱北者を)常に歓迎している。南北統一において彼らが一つのきっかけのような役割を果たしてくれると信じる」とも述べた。大統領のこの言葉に真実が込められているのか、今改めて問いただしたいものだ。

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