韓国統一部(省に相当)が一昨日、脱北者出身のキム・ミョンソン朝鮮日報記者を板門店での南北閣僚級会談の取材団から外したことに対し、国際新聞編集者協会(IPI)は「言論の自由に対する重大な侵害であり、脱北者に対する処罰行為」などと抗議する公開書簡を文在寅(ムン・ジェイン)大統領宛てに送付した。IPIは「キム記者を排除した行為は、韓国政府が自分たちへの批判を恐れるあまり、都合の良い報道をさせるためには言論の自由を侵害することもあり得ることを示した」とした上で「非常に失望した」と指摘した。IPIには世界120カ国以上の新聞発行人や放送関係者、編集人など主要な言論関係者が加入している。脱北者出身の本紙記者に対して韓国政府が取材を認めなかった措置は、彼らにとっては明らかな言論弾圧であり、民主国家としてあり得ない非常識な行為だった。そのため韓国政府はIPIに何らかの回答を寄こさねばならない。
普段はさまざまな問題で立場の違いが鮮明な韓国国内のメディアも、今回だけは政府による言論の自由の侵害に一致して抗議の声を上げている。韓国記者協会は昨日発行した協会報の1面に「脱北者出身記者はなぜ南北会談の取材ができないのか」という見出しの記事を掲載した。さらに同協会は声明を発表し「統一部の決定は言論の自由に対する重大な侵害であり弾圧行為だ」と主張した。これに先立ち統一部担当記者団も「脱北者出身記者に対する取材制限は不当」とする立場を表明し、統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官に対して謝罪と再発防止を求めた。統一部に担当記者を置く50のメディアのうち49社がこれに賛同した。