朝鮮日報

【社説】フランスに対北制裁緩和を要請するも拒否された文大統領

 文大統領は「今後1-2カ月以内に北朝鮮の核廃棄が後戻りできない段階に到達する」と考えている。そのように考えたい気持ちは分かる。だからこそマクロン大統領に「制裁緩和を通じて非核化を促すべき」という国際社会の認識とは懸け離れた提案をしたのだろう。これに対してマクロン大統領は「実質的な非核化が実現するまで、北朝鮮に対する制裁は続けていかねばならない」と反論した。制裁緩和を拒否する意向を明確にしたのだ。

 韓仏首脳会談後の共同宣言には冒頭「韓半島(朝鮮半島)非核化はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的)方式で進めねばならない」との文言が入った。CVIDは北朝鮮が極度に嫌う表現であるため、米国でさえあまりこの言葉は使わない。おそらくマクロン大統領が強く主張したので宣言文に入ったのだろう。

 韓国政府は「米国が北朝鮮に対する制裁緩和に柔軟性を示さない」などと主張するが、実際はフランスを含む国際社会全体が「実質的な非核化が実現するまで制裁は維持すべき」と考えている。これが実行されてこそ非核化への道筋が見えてくるからだ。文大統領と韓国政府は自分たちが今本当に非核化に向けた行動を取っているのか、あるいはその反対に進んでいないか自らを振り返るべきだ。

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