ここ数年間、自ら命を絶とうとしたり、自殺を試みようとしたりする小中高生が急増していることから、教育当局が警戒している。教育部(省に相当)は、自殺を試みる児童・生徒の心理を分析した事案報告書まで作成するなど、対策作りに着手した。
教育部が国会のパク・キョンミ議員=共に民主党=に提出した「自殺企図者報告書現況」によると、自殺を試みた児童・生徒は2011年の37人から15年には258人に増え、昨年は451人と過去最多を記録した。この統計は、学校が市・道教育庁に自主的に報告した内容なので、実際の数はこれよりはるかに多いと予想される。
実際に自殺した児童・生徒は11年の150人から15年には93人と徐々に減っていたが、16年に108人と増加に転じ、17年には114人と2年連続で増えた。専門家は「韓国の子どもたちは心理的災難状況に直面している」と診断する。
■自殺試みた小学生も数十人
翰林大学は、教育部からの依頼により2014年から児童・生徒の自殺死亡者の心理剖検(自殺した人の周りの人々からの証言や遺書などにより、自殺に至った経緯・理由の調査)をしてきた。ところが最近は児童・生徒の自殺も自殺企図も急増していることから、予防の観点から自殺企図者の家庭・学校・友人関係などを総合的に分析した報告書を出した。
最近の自殺企図者の最大の特徴は年齢低下だ。昨年自殺を試みた児童・生徒451人のうち、最も多いのは高校生で213人(47%)だったが、小学生が急増傾向にある。小学生の自殺企図者は11年は全くいなかったが、15年には19人に増え、昨年は36人だった。このうち、小学1-3年生は4人いた。実際に自殺した生徒も、昨年の114人のうち、小学生は5人だった。このような現象は、多くの子どもたちが小さいころから学業の負担でストレスを感じているのに、家庭不和や共働き家庭の増加で親とのコミュニケーションの時間が不足しているためと分析されている。昨年自殺を試みた児童・生徒は、その理由に「うつ・不安解消」(277人)、「怒りの解消」(125人)などを挙げた。