プレデターに引き続き、
シュワルツェネッガーの日本語吹き替えの名作「コマンドー」です!
今日の日曜洋画劇場は?水曜ロードショー(TBS版)は?水曜ロードショー(日テレ版)は?金曜ロードショーは?木曜洋画劇場は?
「コマンドー」
てなくらい、某掲示板でスレが頻繁に立つほどの名作です。
日本語吹替マニアとしては最高の傑作とまで謳われる、この作品。プレデターもいいが、台詞が原語で聞いてて名訳なのは間違いない!
これもまた「VHS」で所持してますね。しかし「コマンドー・完声版」があります…ふふふ。ちなみにテレ朝版の吹替と「吹替の帝王」での吹替声優陣はテレ朝版を基本として、他の役者が少し違います。
コマンドー<ディレクターズ・カット>日本語吹替完声版 DVD2枚組
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2013/04/18
- メディア: DVD
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今回もコマンドーの屋良版と玄田版の好きなシーンを挙げてみたいと思います。
【役名(俳優名)TBS版吹替声優/テレ朝版吹替声優】
メイトリクス(アーノルド・シュワルツェネッガー)TBS版:屋良優作/テレ朝版:玄田哲章
アリアス(ダン・ヘダヤ)千葉耕一/小林勝彦
ベネット(ヴァーノン・ウェルズ)青野武/石田太郎
クック(ビル・デューク)渡部猛/坂口芳貞
サリー(デヴィッド・パトリック・ケリー)鈴置洋孝/田中亮一
エンリケス(チャールズ・メシャック)池田勝/田原アルノ
ヴィッキー客室乗務員(チェルシー・フィールド)磯辺万沙子/岡のりこ
スーザン客室乗務員(ジュリー・ハエック)勝生真沙子/堀越真己
以上...他省略。
玄田さんはシュワルツェネッガーの吹き替えでは「このくそったれ!!」を多用しますね。巻き舌で。
さて、注目のシーンとは?
やはり序盤のシーンになります。ベネットとの最後の対決が最高のクライマックスなんですけどね。この映画の名シーンをあげたらきりがないんですわ。クック(ビル・デューク)のキャデラック強奪シーンなんかは最高だし、サリーを殺すシーンも必見。クックの串刺し。
ああ、だめだこりゃ…やはり屋良版シュワルツェネッガーと玄田版シュワルツェネッガーを比較したいんで、ここになりますかねぇ…
第3次世界大戦の始まり
メイトリクスが愛娘を人質に取られ、これから何かが始まる予感。ここをベストシーンと判断。
まずメイトリクスが捕獲されて、アリアスからベラスケス大統領を殺して来いとの命令が。それにはメイトリクスの娘を人質にすることで暗殺を強要させるセリフから始まる。
玄田哲章版
ベネット「…麻酔弾だよ。本物の弾使いたかったぜ!」
メイトリクス「ジェニーはどこだ!」 アリアス「私を覚えているかね大佐」
メイトリクス「誰が忘れるものか、このゲス野郎!拷問でどれだけの人が殺されたか…」
アリアス「メイトリクス大佐。君にはバル・ベルデのような国のおかれた状況がまったく理解できておらんのだ。バル・ベルデには厳正な規律で国民を導く大統領が必要なのだ」
メイトリクス「どうして俺を」
アリアス「もう一度バル・ベルデに戻ってもらいたいからだよ、君らコマンドーが手を貸して大統領の椅子につけた男を殺し、私が返り咲く」
メイトリクス「どうしてベネットにやらせない。奴なら喜んで引き受けるぞ」
アリアス「それはベラケラス大統領が君を信用しているからだ。君を革命の英雄と呼ぶぐらいにな…一方ベネット大尉の方は国外追放を受けた身だ」
メイトリクス「ああ…楽しんで人を殺したからな」
ベネット「殺しを教えたのは、おめえだぜ」
アリアス「君なら難なくベラケラス大統領に近付き、奴を殺せる。君を見つけ出すのにえらく苦労したのだ。ベネットを含め、かつての部下を殺していけばカービー将軍が君のところに案内してくれる。結果は予想通りになった。あとは君の承諾を取り付けるだけだ」
メイトリクス「……くたばりやがれ」
ジェニー「パパ…!」
メイトリクス「ジェニー!」
ジェニー「パパ!」
メイトリクス「ジェニーを放せ!」
アリアス「メイトリクス大佐。ベラケラス大統領を殺せば、娘は返してやる。もし裏切っておかしな真似をすれば、娘のバラバラ死体が届くぞ」
屋良有作版
ベネット「…麻酔弾だよ。本当は実弾をぶち込んでやりてぇんだ!」
メイトリクス「ジェニーはどこだ!」
アリアス「私を覚えているか大佐」
メイトリクス「忘れるもんか、独裁者の暴君め、拷問で一体何人の人間を殺した!」
アリアス「メイトリクス大佐。君には我がバル・ベルデのような国のような事が所詮理解できんのだよ。あの国には断固とした姿勢で厳しく国民に望む大統領が是非とも必要なのだ」
メイトリクス「今更関係ない」
アリアス「それがある!君はもう一度バル・ベルデに戻れ。そしてベラスケスを殺せ!君が大統領にした男だ。私を追い出してなぁ。」
メイトリクス「ベネットにやらせりゃいいだろう。奴なら喜んで引き受ける」
アリアス「ところがベラケラス大統領は君しか信頼していない。彼は君を革命の英雄と称える一方、ベネット大尉には国外退去を命じたんだからな」
メイトリクス「当然だ。ベネットは人を殺すしか能がない」
ベネット「おめえに仕込まれたんだ、メイトリクス」
アリアス「君ならいとも簡単に大統領に近付ける。奴を殺せる。君を探し出すのに苦労したぞ。ベネットまでも殺られたように見せかけ、カービー将軍が動き出すのを待ってその後をつけ、こうして突き止めた訳だ。捕まえた以上言う通りにしてもらうぞ。」
メイトリックス「……クソ喰らえだ」
ジェニー「パパ…!」
メイトリックス「ジェニー!」
ジェニー「パパ!」
メイトリックス「このクソッタレめが!」
アリアス「メイトリクス大佐。君がベラケラスを殺せば、娘はそのまま返す。だがちょっとでも妙な真似をすれば、バラバラにして送りつけるからな」
ここでのメイトリクスの話すセリフが玄田版と屋良版が、違っていてもおかしくない内容になってる。屋良さんがシュワルツェネッガー吹替では言いそうもない「このクソッタレめが!」「クソ喰らえだ!」のセリフを吐いているが、違和感が...。この言い回しは玄田さんのセリフの方が似合う気がする。でも、やはりここも屋良版のベネットの「本当は実弾をぶち込んでやりてぇんだ!」の迫力がいい。声優陣もやはり屋良版押し!
残された11時間・玄田版
スチュワーデス「ファーストクラスのAです。…同じく7列目のBです」
スチュワーデス「手荷物はございますか?」
メイトリクス「いやこれだけだ」
エンリケス「今度、余計なことをいうと口を縫い合わすぞ」
メイトリクス「……」
スチュワーデス「シートベルトをお締めください」
メイトリクス「ああ、どうも。毛布と枕を取ってもらえるかな」
スチュワーデス「はい」
スチュワーデス「はい、どうぞ」
メイトリクス「どうも」
機内放送アナウンス「ご搭乗の皆様、当機はこれより滑走路へ向かいます。お手荷物は上部の棚におしまいになり、シートベルトをお締めの上、お煙草は今しばらくご遠慮くださいませ。機が所定の高度に達しますと、お好みのお飲み物のサービスがございます。しばらく致しますと、お食事、続いて機内映画を上映致します」
エンリケス「おおうっ…」(バンッ!ガキッ!グキッ!)
アナウンス「本日皆様のお世話を致しますスチュワーデスは、スーザン、ランス、それにヴィッキでございます。それでは空の旅をお楽しみくださいませ」
メイトリクス「失礼。どのくらいかかるかな」
スチュワーデス「飛行時間は11時間を予定しております」
メイトリクス「どうも、頼みがあるんだが、連れを起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる」
スチュワーデス「お椅子を。どうも」
スチュワーデス「お客様!危険です、お席にお戻りください」
メイトリクス「気分が悪いんだ」
残された11時間・屋良版
スチュワーデス「ファーストクラスの7のAです。…お客様は7のBです」
スチュワーデス「お荷物はございます?」
メイトリクス「こいつだけさ」
エンリケス「今度、ふざけた口を聞きやがったらぶちのめすぞ」
メイトリクス「……」
スチュワーデス「シートベルトをお締めください」
メイトリクス「ああ、どうも。毛布と枕をもらえるかな」
スチュワーデス「はい」
スチュワーデス「はい、どうぞ」
メイトリクス「どうも」
機内放送アナウンス「皆さん間もなく出発いたします。お手前の品はお手席の上の物入れにお入れください。離陸するまでシートベルトを締め、お煙草は御遠慮くださるようお願いします。巡航高度に達し水平機構に移り次第お飲み物のサービスを伺いし、その後お食事、映画を上映がございます」
エンリケス「……」(バンッ!ガキッ!グキッ!)
アナウンス「本日のフライトのお供はスーザン、ランス、そして私ヴィッキでございます。御用がございましたら、遠慮無くお申し付け下さい。それでは快適な空の旅をどうぞ」
メイトリクス「すみません、飛行時間は?」
スチュワーデス「バルデルべまで11時間ですわ」
メイトリクス「どうも、頼みがあるんだけど、彼起こさないで欲しい。疲れてるんだ」
スチュワーデス「座席ベルトをお締め下さい」
スチュワーデス「お客様、離陸中はお席を離れないで下さい」
メイトリクス「吐きそうなんだ」
このシーンでは大統領暗殺の為に、メイトリクスがバル・ベルデへ強制的に連れて行かれることになる。目付け役のエンリケスが付き添いで一緒に飛行機で同行し、サリーが2人がロスから飛び立つところを確認するという流れであり、娘を救うにはどうにかしてメイトリクスはこの飛行機から脱出しなければならない。そしてあっけなくエンリケスはメイトリクスに首の骨を折られて殺される。メイトリクスは旅客機から脱出成功するのだが、セリフとして目立ったところはあまりない。客室乗務員のセリフ内容が違ったところと、「お荷物はございますか?」(屋良版)「手荷物はございますか?」(玄田版)と聞かれたメイトリクスが「こいつだけさ」(屋良版)「いやこれだけだ」(玄田版)の違いにやっぱり、屋良版がいいなぁと感じる。こんなちょっとの違いでも。
「こいつだけさ」と「いやこれだけだ」は全く違う。前者の方がスチュワーデスからしたら、お荷物(役立たずな野郎)は明らかにエンリケスだと言わんばかりの説明になるからだ。「これだけだ」と言われてもスチュワーデスにはピンと来ない。
そして屋良版のエンリケスのセリフもしっくりくる。「今度、ふざけた口を聞きやがったらぶちのめすぞ!」
このシーン製作にあたり
この後は何と滑走路を飛び立とうとする旅客機のエレベーターから荷物室を通り、ランディングギアに掴まり飛び降りるという超人技をやり遂げる。本当に一歩間違えたら死だ。
実際旅客機から飛び降りたのは人形だが、成功するまで実際の旅客機にらよりロサンゼルス空港で何度も撮り直したという。つまり離着陸を繰り返して、何度も撮影したのである。今では考えられない。
車輪格納庫は偽のタイヤをつけたトラックのようだ。アーノルドはトラックの偽のタイヤに下りている訳だ。
しかし飛行機全体の映像を織り交ぜて現実味を出してる迫力の場面だ。とにかくリアルな映像である。
このコマンドーで最後のラストでは無敵を誇り、シュワ1対私兵100以上を相手にして気持ち良い程に、シュワルツェネッガーが兵士らを殺していく。
プレデターやスタローンの「ランボー」シリーズなどの戦争アクションモノの撮影に、この頃の映画は火薬を沢山使い、爆破させまくっている。
これが今のCGとのリアルの感覚の違いである。今の映画などは本物かどうか区別がつかないほど、当たり前にビジュアルが凄い。CGを使えば臨場感は半端がない、しかし1985年当時ではこれが精一杯だったのである。
本当に拍手喝采のシーンだ。名作名画「コマンドー」でした。
☆ここまでお読みいただきましてありがとうございます。