NEWS / HEADLINE - 2018.10.21

レンブラントの傑作《夜警》を修復。アムステルダム国立美術館が全プロセスを公開へ

アムステルダム国立美術館に展示されるレンブラントの代表作《夜警》が2019年7月より修復期間に入ることがわかった。修理の様子は一般公開され、ウェブサイト上でライブ配信が行われる。

Wilmotte & Associés Architectesによる修復期間のイメージ

Wilmotte & Associés Architectesによる修復期間のイメージ

 アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)で常設展示され、門外不出とも言われるレンブラント・ファン・レインの名画《夜警(正式名称:フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊)》(1642)。レンブラントおよびオランダ黄金時代を代表する絵画が、2019年7月より修復期間に入ることがわかった。

重点的に修正を行う箇所

​ 今回、主に修復の対象となっているのは、絵画の右下に描かれた子犬付近の、白ばんでいる箇所。これまで3度にわたり鑑賞者に傷つけられてきた《夜警》だが、1975年のナイフによる損傷によって、この変化が起こっているという。今後、コンピュータによる高度な解析などを経て、適切な対応が検討される。

1946〜47年にかけ行われた修復の様子

 今回の絵画修復が従来と異なる点は、これが非公開ではなく公開作業になることだ。作品はフランスの建築家、ジャン・ミシェル・ヴィルモットがデザインを手がけた特別なガラスの部屋に収められ、来館者は日々修復が行われるプロセスを見ることができる。さらに、全世界に向けライブ配信も行われるという。​

レンブラント・ファン・レイン 夜警(フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊) 1642 アムステルダム国立美術館蔵

​ なお、2019年は作家没後350年のレンブラント・イヤーであり、アムステルダム国立美術館ではレンブラントの全コレクションにあたる約400点を展示する「All the Rembrandts of the Rijksmuseum(アムステルダム国立美術館のレンブラント)」展を開催。初の試みとなる本展にも注目が集まっている。