新聞やテレビの報道を見ていると、人手不足が悪い事のように報道している場合が多い。
だがちょって待ってほしい。
人手不足は、日本国民にとって、本当に悪いことなのだろうか?
東京商工リサーチの調査によると、平成30年9月の「人手不足」関連倒産は27件で、6カ月連続で前年同月を上回ったという。
人手不足で倒産した企業は、なぜ人手不足になったのか?
答えは簡単、従業員が行う労働に対して、企業が支払う給与が安過ぎるからだ。
つまり、従業員に金を払わないからだ。
従業員に対して、他の同種の企業より遥かに安い給与しか払えないなら、その企業はすでに企業として破綻している。
給与を払えるのに払わない場合には、企業の経営者はモラルがないと言える。自分では意識していないだろうが、こういう経営者は従業員を奴隷として見ている傾向がある。
人手不足が理由で倒産する企業は、潰れた方が社会にとって良い企業と言えるのだ。
ブラック企業を潰すには、人手不足が続くのが最も効果的だ。
人手不足が良いか悪いかの判断は、その人がおかれている立場により変わる。
経営者なら人手不足は困る。良い条件でないと従業員は入ってこないし、今いる従業員も辞めてしまうかもしれないからだ。従業員の給与を上げれば、企業の業績は悪化する。
新卒者や失業中の人は、人手不足の方が良い。職を得やすいし、良い条件で就職できる可能性も高くなる。
人手不足の企業で働いている人の多くは、人手不足は悪い考えているだろう。短期的には確かにそうだ。しかし、人手不足の状態でないと給与は上がりにくい。更に、仕事ができる人なら、転職や独立をしやすくなる。
「人手不足が悪い」と考える人は多いだろうが、必ずしもそうとは言えないのだ。
マスコミは、人手不足を悪いことのように報道する場合が多い。
経営者の視点にたっているからだ。
マスコミの収入の大部分は企業からの広告料だ。マスコミには、大企業の代弁者という側面がある。
人手不足が続くと、必ずと言っていいほど「外国人を増やすべき」という話がでてくる。
外国人労働者を必要としているのは企業だ。
このため、ほぼすべてのマスコミが「外国人労働者を増やすべき」という主張だ。
法務省によると、在留外国人数は平成元年(1989年)12月末は984,455人、平成24年(2012年)12月末は2,033,656人、平成29年(2017年)12月末は2,561,848人だ。平成になってから急増している。
なお、これらの人達は外国人登録しているので、不法滞在者は含まれない。
ちなみに、平成29年(2017年)12月末の国別の内訳は、支那730,890人、韓国450,663人、ベトナム262,663人、ベトナム262,405人の順だ。
情報元:法務省:平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)
在留外国人数は平成になってから急増している。そして、これから数年間は更に増え続ける可能性が極めて高い。
産業革命以降、人類は著しい技術革新をした。
その結果、物資の大量生産が可能となった。
例えば、江戸時代の農家と今の農家を比べた場合、1人当たりの生産量は格段に上がっている。これは農作物の生体が解明されたり、品種改良がされたり、良い肥料が開発されたためだ。技術革新の成果と言える。
人手不足でも、時間の経過と共に、それを補うために様々な技術が開発される。
そして、人手不足は解消されていく。
これが生産力が向上するということであり、数値にすると1人当たりのGDPが上昇することである。
つまり、国民が豊かになっていくことなのだ。
外国人労働者を大量に入れれば、短期的には企業は良いだろう。
しかし、いずれは人員過剰になる。
その時、彼らが素直に帰国してくれるだろうか?
ヨーロッパの外国人労働者を見る限り、とても帰国してくれるとは思えない。
外国人労働者を増やしたいと思っている経営者も多いだろう。
そういう企業は大いに雇用すればいい。
ただ、政府が積極的に外国人を増やす政策をすべきではない。
外国人留学生に対して「返済不要」の奨学金を与えたり、外国人技能実習制度のように不法滞在者を増やすようなことはすべきではない。
外国人労働者が増えるのが良いか悪いかを議論する前に、 外国人労働者が増えた国の実情を知るべきだ。
ドイツやスイス、オーストリア、英国、スカンジナビア諸国などだ。
日本のマスコミはあまり報道しないが、You Tube には多くの動画がUPされている。
労働者からすると、外国人労働者が増えるということは、ライバルが増えるということだ。
そして、これは労働者だけでなく、日本人全体の問題でもある。
宗教や文化、風習の異なる人間が同じ地域で暮らすのは、多くの日本人が考えているような生易しいものではない。