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【プロ野球】

かち上げた!ソフト・柳田、驚弾 CS初アーチで王手

2018年10月21日 紙面から

西武-ソフトバンク 1回表2死一塁、左越えに先制2ランを放つ柳田=メットライフドームで(中村太一撮影)

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◇パ・リーグCSファイナルステージ第4戦 ソフトバンク8-2西武

 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は20日、メットライフドームでパ・リーグの第4戦が行われ、レギュラーシーズン2位のソフトバンクがリーグ覇者の西武を8-2で下して3勝2敗とし、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。ソフトバンクは1回に柳田悠岐外野手(30)が2ランを放ち、2点差の7回には4点を奪って突き放した。日本シリーズ進出まで、あと1勝。タカが獅子を追い詰めた。

     ◇

 長い滞空時間に、メットライフドームが静まりかえった。初回2死一塁。ソフトバンク・柳田が最初のスイングで規格外の放物線を描いた。カウント1-1からの3球目。外角高めのボール気味の145キロを捉えた打球は、西武ファンが詰め掛けた左翼スタンドに舞い落ちた。

 圧倒的パワーで運んだ今CS初アーチとなる先制2ラン。「力を抜いて、かち上げました。自分のいいスイングができたので、本塁打になると思いました」。フェンス際まで追った左翼手の外崎もあきれ気味の表情を浮かべる中、悠々とダイヤモンドを1周した。

 今季は自身2度目の首位打者に輝き、自己最多の36本塁打を放った柳田にとって、メットライフドームは最大の“鬼門”だった。敵地でのレギュラーシーズンの打率は1割9分2厘で、本塁打に至っては0本。練習の打球が頭部を直撃しての戦線離脱もあった。

 柳田も「やられっぱなしだった」と認めるほどの相性の悪さだっただけに、ファイナルステージの前は打撃フォームも微調整した。その成果もあり、第4戦まで16打数7安打4打点、打率4割3分8厘。本拠地でのファーストステージをはるかに上回る数字を残している。

 足でも魅了した。一塁走者だった7回2死満塁で、デスパイネの三遊間へのゴロ(記録は内野安打)で全力疾走。「三遊間の当たりでセーフになるイメージをしていた。大きかった」。好捕した名手の遊撃源田に二塁封殺を許さず、その間に三塁走者が生還した。

 そんな柳田を中心に、打線は大爆発。CS最多タイの15点を奪った第3戦を筆頭とした4試合の総得点は38点に達し、2008年の西武がCS第2ステージの5試合でマークした32得点の同一シリーズ最多記録を早くも更新した。

 2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけたが、工藤監督は「まずは次の一戦」と慎重だ。柳田も「もうひとつ頑張ります」と続けた。レギュラーシーズン2位からの“下克上”を成し遂げるまで、気を緩めることはない。 (山田孝人)

 

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